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「帯に短し、襷に長し」の意味と正しい使い方

2024.04.04

小学生で習うことわざ「帯に短し、襷に長し」。何となく意味はわかってはいるものの、正しい意味を説明するのは大人でも意外と難しい。この言葉はビジネスシーンで使われることもあるため、この機会に改めてチェックしておきたい。

本記事では、「帯に短し、襷に長し」の正しい意味を解説した上で、ことわざの由来や英語表現、実際の会話での使用例を紹介する。似た意味を持つことわざも紹介するので、ぜひ参考にしてほしい。

「帯に短し、襷に長し」の意味は?

「帯に短し、襷に長し」の意味

まずは、「帯に短し、襷に長し(おびにみじかし、たすきにながし)」の正しい意味と、言葉の由来について見ていこう。

意味は「中途半端で役に立たない」こと

「帯に短し、襷に長し(おびにみじかし、たすきにながし)」は、「中途半端で役に立たないものやその状態のこと」を指すことわざ。

ある布の長さについて、「着物の帯に使うには短くて長さが足りない。かといって襷として使うには長すぎる」と、“どっちつかずの状態”を示している。

「役に立たない」「使い道がない」と、中途半端な状況を比喩的に表現している。「帯に短し、襷に長し」と似た四字熟語に「一長一短」があるが、こちらは「人や物事は完全ではなく、良い面も悪い面もあること」を意味する。

ことわざの由来は和服の「帯と襷の長さ」

このことわざの由来は、それぞれ長さの異なる布、 “帯”と“襷”からきている。帯とは、和服を着る時に腰のあたりに巻いて結ぶ布のこと。着物を体に固定させるためにこの帯を巻く。一般的な帯の長さは、短いもので3.6m、長いものだと4.3mほど。

襷とは、作業の邪魔にならないように和服の袖やたもとをたくし上げるための長い紐のこと。現代では、襷というと駅伝の走者が肩から掛ける輪状の紐を思い浮かべる人が多いはず。しかし、このことわざに登場する襷は和服をたくし上げるための紐のことを指す。襷の長さは2.1m~2.4mほど。

このことからも、一般的に帯と襷の長さは1mほどの差があることが分かる。「その布自体はしっかりした布地なのにも関わらず、中途半端な長さが故に、結局何にも使えない」という状況から、このことわざが生まれたようだ。

「帯に短し、襷に長し」の英語表現は?

「帯に短し、襷に長し」をそのまま英訳すると「Too short for a belt, too long for a sleeve.」だが、「帯に短し、襷に長し」のニュアンスを英語で表現する場合は「Neither one thing nor the other」が使われる。この熟語は「どちらでもない」「どっちつかず」という意味。その他に、英語のことわざとして使われている「It is good for neither this nor that.」、短く言う場合は「It’s useless.」なども使われる。ちなみに中国語では「帯に短し、襷に長し」を「高不成、低不就」。

「帯に短し襷に長し」の例文

「帯に短し、襷に長し」は、実際の会話の中でどのような使い方をするのだろうか。いくつか例を挙げてみよう。

【使用例】

「昨日営業にきた人が勧めてきた新しいシステムは、帯に短し襷に長しで、どのセクションの人からも導入したいという声は挙がらなかったよ」
「このバックは素敵だけど、普段持つには大きすぎて、旅行に行くには小さすぎる。まさに、帯に短し襷に長しね」
「歓送迎会の会場を探しているんだけど、どのお店も『帯に短し襷に長し』って感じで困ってるよ。明日までにいい場所が見つかるといいんだけど」

似た意味を持つことわざ

似た意味を持つことわざ

ここでは「帯に短し、襷に長し」と似た意味を持つことわざを3つ紹介したい。会話の相手やその場の状況によって、それぞれのことわざを使い分けてみよう。

「褌には短し、手拭には長し」

「褌には短し、手拭には長し」は「帯に短し、襷に長し」と、まったく同じ意味を持つことわざ。「ふんどしにはみじかし、てぬぐいにはながし」と読む。一般的な褌の長さはおよそ2m、手拭の長さは1m前後のため、その間の1.5m程度の長さの布は、どちらの用途にも使えない中途半端な布になってしまう。このことから「褌には短し、手拭には長し」も、どっちつかずで役に立たないことを指す。

「あちらを立てればこちらが立たず」

「あちらを立てればこちらが立たず」は、両者が納得するような解決策がないさまを指す。基本的に、人間関係において用いられることが多い。一方に良くすれば他方には悪く、双方を満足させる解決策がなくジレンマを起こしている状態の時に使われる。

例えば、何かトラブルが起きた時に、どちらか一方の機嫌を損ねてしまうケースが挙げられる。両者に良い条件を提示したいのにも関わらず、それができず板挟みになる状態の場合など、どっちつかずの状況を指す。

「次郎にも太郎にも足りぬ」

「次郎にも太郎にも足りぬ」は、中途半端なさまを示すことわざ。長男に名付けられる名前としてよく知られている「太郎」と、次男に名付けられる名前として知られている「次郎」を1番と2番に例えている。「太郎(1番)にも次郎(2番)にも足りぬ(届かない)」、いわゆる中途半端な「3番目」を示すことわざとして用いられる。

【おまけ】「帯に短し待つ身に流し」とはどんな言葉?

「帯に短し待つ身に長し」は、1984年公開のアニメ映画『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』で使用されていたセリフの一つ。「待つ身にとっては時間が長く感じられる」と表現するために、このセリフが用いた。妖怪の夢邪鬼が、鬼族のラムちゃんの気持ちが自分に向いてくれるのをずっと待ってきたことに絡めて発しているワンフレーズ。

文/oki

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