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知ってる?「沈黙は金、雄弁は銀」の意味と正しい使い方

2021.04.10

古くから親しまれていることわざや格言には、人間の本質や生き方の指針、世の中の理が簡潔にわかりやすくまとめられていて、現代社会においても役に立つものが多い。

本記事では、そうした格言の一つ「沈黙は金、雄弁は銀」について、本来の意味や由来、また実際にどんな状況を表す言葉なのかを例文と併せて詳しく解説する。意味を知っているとビジネスにも応用できる言葉なので、ぜひこの機会に覚えておこう。

「沈黙は金、雄弁は銀」とは?

「沈黙は金、雄弁は銀」は、単に「沈黙は金」や言葉を反対にした「雄弁は銀、沈黙は金」のようにさまざまな表し方があるが、すべて同じ意味を表す。「沈黙は金なり」と表記されることもあるが、この場合の読み方も「金(かね)」ではなく「金(きん)」。「時は金なり」と混同するケースもあるので読み方の違いを把握しておこう。

「沈黙は金、雄弁は銀」はどういう意味?

「沈黙は金、雄弁は銀」とは、「沈黙することは多くを語る以上に価値がある」という意味。「下手な弁解や言い訳をするくらいなら、黙っていた方がましである」の意味合いで使われることもある。

ただし、沈黙が雄弁より常に正しいことを説いているのではなく、あくまでも「沈黙することは『時に』雄弁に優る」が本質の部分。日本では昔から、思っていることをそのまま口に出さず、周りと同調する傾向があるため誤解されやすいが、沈黙を美徳として捉えた言葉ではないので注意しよう。

語源となった言葉は

「沈黙は金、雄弁は銀」の由来は、19世紀のイギリスの評論家トーマス・カーライルの著書『衣装哲学』に記された一文。カーライルが自らの思想を述べたこの本の中に、「Speech is silver, silence is golden(雄弁は銀、沈黙は金)」が登場する。沈黙を銀より高価な金に例え、「説得力のある言葉を持つことは大事だが、黙るべき時を知るのはもっと大事である」と表現した。

他にも古代エジプトやギリシャ、ローマが起源とする説や「この格言ができた時代は銀の方が金よりも価値が高かったため、本来は逆の意味だった」などの説もあるが、どれも明確な根拠に乏しい。ちなみに、ネット上などで「銅は◯◯」と追加して表記される場合があるが、原文には金と銀についての表記しかないため、これらはすべて創作と考えられる。

英語ではどのように表現する?

「沈黙は金、雄弁は銀」の英語表現としては、原文である「Speech is silver, silence is golden」を用いるのがもっともスマート。他にも、近い意味を表す言葉として「Who knows most, speaks least」がある。日本語では「物事を一番知る者はもっとも沈黙を重んじる」と訳され、「能ある鷹は爪を隠す」を英語で言い換える場合にも使われる。

「沈黙は金、雄弁は銀」の類似表現と使用例

ここからは、類義語や正しい使い方を具体的な例を挙げて解説していく。併せて「沈黙は金、雄弁は銀」を心得ておきたい、日常やビジネスでの状況も紹介する。

沈黙は金、雄弁は銀の類語

「沈黙は金、雄弁は銀」の類語には、大きく分けて「黙っていた方が気持ちは伝わりやすい」の意味と、「余計なことを言わない方がいい」の意味の2つの言葉がある。

前者の言葉として挙げられるのは「言わぬは言うに勝る」。これは、「口に出して言わずに黙っている方が思いをより相手に伝えらえることがある」を表し、「沈黙は金、雄弁は銀」とほぼ同じ意味。また、「鳴く蝉よりも鳴かぬ蛍が身を焦がす」も同様だ。騒がしく鳴く蝉と違って、鳴けない蛍は代わりに身を焦がすほどに光る、つまり口に出さずに内に秘めている方が思いは切実であることを表現している。

後者には、「言わぬが花」や「口は災いのもと」が該当する。「言わぬが花」は「差しさわりのあることは黙っているのが吉」を意味し、「口は災いのもと」は「迂闊な発言は災難を招く」という戒めを含んだ言い回し。

実際の使用例

「『沈黙は金、雄弁は銀』という言葉を思い出し、必要以上に喋らないよう心掛けた」
「彼のやり方には思うところがあるが、ここはあえて口出しをしないでおこう。『沈黙は金、雄弁は銀』と言うしね」
「先輩は手柄を自分から周りに話すのが欠点だ。『沈黙は金、雄弁は銀』で、黙っていた方が好印象なのに勿体ない」

「沈黙は金、雄弁は銀」があてはまる状況は?

ビジネスシーンで「沈黙は金、雄弁は銀」を活用しやすいのは、営業や販売のように顧客と直接会話を行い取引する場面。例えば、商品やサービスの説明や提案を一通りして成約に至るまでの間。沈黙が続くと不安な気持ちが募ってさらに説明を重ねたくなるが、顧客の沈黙にも意味があり、それを遮るのは良くない。営業の極意でも、「黙る」ことは成約を取るための大切なプロセスだとされている。まさに、「沈黙は金、雄弁は銀」を象徴する例だろう。

日常生活や恋愛においても、相手の話を聞かずに自分の話をする人は「余裕がない」「身勝手」とマイナスの印象を与えてしまう可能性がある。良好な人間関係を築く上でも、「沈黙は金、雄弁は銀」はとても有用な格言ではないだろうか。

文/oki

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