プロテインの過剰摂取により腸内環境が乱れるメカニズムと対策
春らしく暖かい気候になる中、外で身体を動かしたいが我慢しているという人も多いだろう。
コロナ禍で外出を自粛する中、コロナ太り解消や運動不足解消を目的として、自宅でトレーニングをする人が増加している※1。
また昨今、低糖質高たんぱく食などが注目され、2020 年のたんぱく補給食品市場は前年比 111.8%、その中でもプロテインパウダー市場は前年比 117.0%と、大きく伸長している※2。
プロテインは、身体を形成したりエネルギー補充をするために欠かせないたんぱく質を手軽に摂取できるため、筋トレやダイエット、美容を目的としてプロテイン需要が高まったと推察される。
しかし、プロテインを摂取するとおなかの調子が悪くなったり、おならが臭くなることがある。
これは腸内環境の乱れが原因の一つと考えられている。
そこで 100 年以上前から腸内細菌の研究を続けているビオフェルミン製薬が運営する「人生 100 年腸活プロジェクト」が、プロテインの過剰摂取により腸内環境が乱れるメカニズムと対策を紹介しよう。
※1 出典:スポーツ庁「令和 2 年度「スポーツの実施状況等に関する世論調査」の概要」
※2 出典:株式会社 富士経済「たんぱく補給食品市場 2020 プロテインブームにより拡大続く市場とチャネ
ルの課題」
プロテインの過剰摂取で腸内環境が乱れるメカニズム
~悪玉菌優位になり、臭いガスが排出される!
私たちの腸内には多種多様な“腸内細菌”が生息しており、その種類は、身体に良い働きをする「善玉菌」、悪い働きをする「悪玉菌」、どちらにも属さない「日和見菌」の大きく 3 つに分けられ、善玉菌が優位な状態が理想とされる。
過剰に摂取して、消化器で吸収できなかったプロテイン(たんぱく質)の一部は、腸内で悪玉菌により分解(これを腐敗と呼ぶ)。
この腐敗によって、硫黄のようなにおいの硫化水素などが産生される。これが臭いおならの元だ。また、腸内細菌のバランスの乱れは便秘の原因にもなる。便秘で腸内に便が溜まると、よりガスが溜まりやすくなり、さらに臭い“おなら”につながってしまうのだ。
プロテイン(たんぱく質)摂取の際のおなら対策
~過剰摂取を控え、善玉菌や善玉菌のエサになるものも一緒に取り入れる
対策として、まずは過剰にたんぱく質を摂らないことが大切だ。その上で、腸内環境を善玉菌優位にすることが、臭いおならや便秘の対策になる。プロテインなどを飲む際には、乳酸菌などの善玉菌(プロバイオティクス)と、食物繊維やオリゴ糖など善玉菌のエサになるもの(プレバイオティクス)も一緒に取り入れるシンバイオティクスがオススメ。
プロテインを摂りすぎると、おならが臭くなる?
ビオフェルミン製薬が “おなら” と “おなか” の関係を解説
~健康な身体づくりのための知識と腸内細菌のバランスを身につけよう~
プロテインの主流であるホエイプロテインやカゼイプロテインは原料が牛乳。そのため牛乳でおなかの調子が悪くなる人は、プロテインでもおなかの調子が悪くなると考えられる。
対策として、ソイプロテインなど原料が牛乳でないものにすることも検討してみては。プロテインを摂る際には「腸活」で腸内環境を整えることも意識し、おなら・おなかの調子に悩まない生活を送りたいものだ。
構成/ino.