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アルコール度数0.5%なのに飲みごたえあり!アサヒビールが発売する微アルコール飲料「ビアリー」の完成度

2021.03.28

■連載/阿部純子のトレンド探検隊

「スマートドリンキング」から生まれた“微アルコール”第1号商品

数年前から欧米では、若者を中心とした健康志向の高まりから「ノンアルコール」「低アルコール」の流れが急速に進んでいるが、新型コロナウィルス感染拡大に伴い、各国が実施した外出禁止令や自粛令によって、これまで以上にノンアル、低アルの傾向が強まってきている。

欧米ではNon-Alcoholic(ノンアルコール)とLow-Alcoholic(低アルコール)の頭文字を取った「NOLO」という言葉がトレンドになっており、あえてお酒を飲まない「ソバーキュリアス」、イギリスで実施されている1月の禁酒月間「ドライ・ジャニュアリー」も注目されている。

日本でも昨年7月に完全ノンアルコールバー「0%」が六本木にオープンし話題を呼んだ。あえて飲まない選択やゆるやかな飲酒によって、お酒による健康被害の防止や、睡眠の質や集中力を高めて精神的な豊かさにも繋げるといった、ノンアルコール飲料や低アルコール飲料を選ぶトレンドが世界規模で広がっている。

日本のアルコール飲料メーカー各社からも、今年は微アルコール飲料・ノンアルコール飲料商品の新発売が相次いで予定されている。そのひとつがアサヒビールの微アルコール飲料「アサヒ ビアリー」(350ml・195円/6月29日全国発売予定、3月30日より一部エリア先行発売)。

「ビアリー」はお酒の飲み方の多様性を提案する「スマートドリンキング」の考えのもと立ち上げられた新カテゴリー“微アルコール”商品第1弾として開発された。アサヒビールの「スマートドリンキング」宣言について、アサヒビール マーケティング本部 新価値創造推進部部長 梶浦瑞穂さんはこう話す。

「コロナ禍で多くの飲み会がなくなり、この1年で”家飲み“時間が増えた方も多い。運動不足やアルコールの摂りすぎなど体調を気にする方も増え、ノンアルコール・低アルコール商品が求められるようになってきているが、日本ではそのような商品の選択肢が少なく、自宅で軽く飲みたい、少しだけ酔いたいというシーンへの対応が必要だと感じている。

さらに、長らく培われてきた日本の飲み会文化に対して疑問を持つ声も生まれた。飲み会は『気を遣う』『お酒の種類やペースを自分の好きなようにできない』といった不満や不自由さを表すデータもあり、自分の好きなものを好きなタイミングで選べる状況と選択肢があることが、飲み会やアルコールの楽しみ方においてとても重要だと考えている。

これからは、お酒を飲む人・飲まない人、飲める人・飲めない人、飲みたい時・飲めない時、あえて飲まない時など様々な人々の状況や場面における“飲み方”の選択肢を拡大し、多様性を受容できる社会を実現するために、商品やサービスの開発・環境づくりを推進していきたいと考え、『スマートドリンキング』宣言を行った。

具体的な取り組みのひとつが、純アルコールグラム量を表示すること。現在は基本的にアルコールのパーセンテージ表示が多く、実際どれくらいのアルコール量を摂取したのかが分かりにくい。グラム量を表示することで、自身で体質やその日の体調によって量を判断し、アルコールと上手に付き合える状況にしていけるようになればと考えている。

ふたつめの取り組みが、2025年までにアルコール度数3.5%以下のアルコールおよびノンアルコール商品の販売容量構成比20%を目指すこと。カテゴリーや種類を増やすことで、シーンによって様々なお酒を選べるようになるのが理想の社会だと考えている」

「脱アルコール製法」でビールと変わらない味づくりを目指す

「ビアリー」の開発に携わった、アサヒビール イノベーション本部 酒類開発研究所開発第二部 主任 中山航さんに開発の経緯や、苦労した点などをお聞きした。

――「ビアリー」が採用した「脱アルコール製法」とは?

ビールテイストのノンアルコール、低アルコールは大きく分けて、「調合法」、「酵母法」、「脱アルコール法」の3つの製造法があり、それぞれにメリット、デメリットがある。

アルコール分が0.00%のノンアルコールは通常の清涼飲料を作るような調合法を用いる。いろいろな材料を混ぜ合わせることで、飲みごたえを出したり、香りを出したりして、アルコールは一切使わずにビールに近い味を作る。しかし、調合法では醸造由来の香りがないため、本来のビールらしさが足りないという声もあった。

「ビアリー」については、圧倒的においしいものを作ってほしいとオーダーがあり、3つの製法の中で一番おいしさを出すことができ、海外でも多く取り入れられている「脱アルコール法」を採用した。

脱アルコール法は、基礎となる「ベースビール」をつくり、減圧環境下で低温蒸留をしながらアルコールのみを丁寧に取り除いてアルコール度数を0.5%まで下げていく製法。発酵させる工程は増えるが、ビール原料100%で作ったものからアルコールだけを除去するので、ビール由来の香味を損なうことなく、ビールと同じようなおいしさがある。「アルコールが1%もないと思えないほどビールの味」という評価もいただいている。

――開発の中で苦労されたことは?

0.5%の微アルコールという全く新しいカテゴリーで、味のゴール基準がなかったことに苦労した。ビールには苦味、酸味、飲み口がさっぱりしている、コク、香りなど分析値がいろいろあって、この商品なら分析値をどのくらいの値にするかと設計していくが、ビアリーに関しては正解の味は誰もわからず、ゼロから作ることが難しかった。

ビールらしい味というのが大前提であったが、研究所ではビールらしい味を因数分解して、苦味、酸味、飲みごたえ、麦やホップなどの香りの分析値を分けて掛け算していくので、何通りもの味が出てきて、その中で開発者がうまいと思う味を作り込んでいくことに非常に時間がかかった。すり合わせをする中で、飲みごたえをもっと出した方が良い、コクがもっとあった方が良いなどブラッシュアップしていった。

さらに新設備を導入したため知見がまったくなく、研究所から量産のフェーズに移るとき、研究所と工場とでは設備のスケールが違うため、最初は同じ味を作ることができなかった。試行錯誤して目指す味を完成できたが、研究所で積み上げた理論が工場では通用しなかったのでそこでも非常に苦労した。約3年半の開発期間、約100回の試験製造を経て完成したが、他の商品に比べてもかなり長い年月がかかった。

――微アルコール「ビアリー」はどのような飲用シーンを想定している?

コロナ禍以降、健康に気を遣っている方が増えて、アルコールを摂りすぎると健康に良くないと考える方も増えている。ただ、アルコール飲料は気持ちを切り替えたい、リラックスしたいという時に飲むというような心理的な価値、特別感があるもの。酔わないけれど、お酒を飲んでいる時と同じ情緒感を味わえるというのが微アルコールの大きな魅力であり、オンからオフにスイッチを切り替えたいときにおすすめしたい。

例えば、今日は仕事を頑張ったのでご褒美に飲みたいけれど、明日も重要な仕事があるので明日に響きたくないというとき。お酒はあまり飲めないが、お茶やコーヒーでは物足りないという場合、気持ちの切り替えにビアリーはぴったりではないかと思う。

もちろんケースバイケースであるが、仕事中、例えばアイディアを出す会議などでの飲用も合っているのではないか。酔わないけれどリフレッシュできるということで、そのような飲用シーンの広がりが出てくると、非常に面白い商品になるのではないかと思っている。

【AJの読み】味、香りはビールと見分けがつかない!?大きなポテンシャルを秘めた新カテゴリーの“微アルコール”飲料

メーカーを問わずビールテイストのノンアルコールは、個人的に好みの味が今まではなかったため、今回の“微アルコール”も過大な期待を持ってはいけないなと思いながら試してみることにした。

プルトップを開けた瞬間からビールの香りがする。グラスに注ぐと泡立ち、立ち上る香りはビールそのもの。飲む前からノンアルビールテイスト飲料とは違うと感じた。口に含むと風味がビールに近いためか、アルコールが0.5%とは感じないほどビールと同じような味わいがある。

仕事中の飲み物はいつもコーヒーだが、今回「ビアリー」にしてみた。ビールを飲みながら仕事をしているような高揚感があって楽しい!気分も上がるが酔わないところがうれしい。ランチタイムに飲んでも気分転換に良いかもしれない。

休日は昼間のビールが楽しみという夫にも飲ませてみた。昼ビールは好きだが、眠くなってしまい昼寝しているうちに、あっという間に休日が終わってしまうといつもぼやいている。

「コクはビールと比べると少し感じにくいが、キレの良さがあるためか味はビールそのものという印象。アルコール度数を聞かなければ普通のビールだと思って飲んでしまうかも。これなら昼間に飲んでも眠くならない」と、かなり気に入った様子。

仕事や作業の合間のリフレッシュや、読書や料理をしながらなど、通常のアルコール飲料では難しいシーンや時間帯でも飲めるので、飲用機会はかなり広がりそう。ただし、微量とはいえアルコールを含むので、20歳未満の飲酒や飲酒運転は禁止なのでご注意を。

文/阿部純子

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