■連載/大森弘恵のアウトドアへGO!
ハイエースにリアルウッドを貼り付け、まるで趣味の部屋のようにくつろげると評判のダイレクトカーズ「リトリート」シリーズに、新たにNV200をベース車両としたちょっと小さな「リトリートNVPOP」が仲間入りした。
ふたり旅に割り切った使い勝手のいいレイアウト
ハイエースよりも小回りの効くNV200がベースなので、狭い山道や込み入った市街地での運転が楽。名前から分かる通り、ポップアップルーフは標準装備となっている。
ポップアップルーフのベッドサイズは103×184cmで家庭のシングルベッドとほぼ同じ。大人がのびのび手足を伸ばして眠れる広さだ。また、メッシュパネルを装備しているので風通し良好。テントにこれだけ大きなメッシュがあると視線が気になるが、ポップアップルーフなら近くを通る人がいても寝転べば中が見えづらい。メッシュにして風を感じながらストレスなくゴロゴロ過ごせそう。
下のベッドは87×181cmで、3枚のベッドマットからなる。複雑な構造はなく、ただマットを載せているだけ。マットの下に荷物を入れておけるほか、自転車など大きな荷物を運ぶときはマットを外せば載せられる。
写真を見ればわかるが後部シートはなく「2名乗車/2名就寝」。正真正銘のふたり旅仕様となっている。いちいちベッドメイクをする必要がなく、この潔さが使いやすさにつながっている。
「月に何度か友人を乗せてキャンプに行く」といった理由がない限り、これくらい割り切った装備のほうが面倒がない。
バックドアを跳ね上げてのんびりくつろげる
標準装備のDC冷蔵庫は容量18L。ふたり旅なので飲み物といたみやすい食品のみをいれ、ほかの食材はソフトクーラーを使うのが現実的か。
ちなみに後部に配備しているのは、バックドアを跳ね上げて車外にテーブルとチェアを置き、のんびりくつろぐ際に冷蔵庫を使えるというダイレクトカーズらしいレイアウトのため。
後部に取り付けられたオプションのテレビも、アームが可動するので車外から見やすい。もちろんベッドでゴロゴロしながらの視聴もOK。
オプションとなるがソーラーパネル165W、外部電源も装備可能。長期のキャンプ旅を想定するほか、防災アイテムとしても使うならソーラーパネルがほしいところ。
また、車内でパソコンやスマホの充電をするなら別売のインバーター300Wもあると重宝する。
ペットとの旅もまた楽しい
リトリートNVPOPはペットとの旅をサポートしていることも特筆すべき点だ。
運転席の後ろにあるボックスには6か所にフックが取り付けられており、いろいろなサイズのケージを固定できる。運転席・助手席に近いのでペットの様子を確認しやすい位置でもある。
また、スライドドアの脇にもフックがあり、キャンプサイトでここにリードを引っ掛けておける。
オリジナルDCクーラーも標準装備
冷蔵庫の上に装備しているのはオリジナルDCクーラーで、これも標準装備。リトリートNVPOPは、C-TEK走行充電器、ダブルリチウムバッテリーも標準で搭載されているので冷蔵庫とクーラーを同時に仕様できるという。
夏のキャンプであれば高原地帯に足を伸ばせばよく、また、海辺のキャンプ場は風が心地良い。わざわざクーラーをつけて過ごすことはまれだ。
しかし、リトリートNVPOPはペットとの旅を考慮したクルマ。ひとりが買い物で店内へ、ひとりはペットと車内で留守番というような場合、エンジンを切っていてもクーラーが使えるのは心強い。また、災害時に一時避難場所としてキャンピングカーを利用する場合にも頼りになる。
反対に冬のキャンプ旅ならオプションのFFヒーターがほしいところ。
面倒なベッドメイクを省く半面、C-TEK走行充電器、ダブルリチウムバッテリーを搭載してクーラーと冷蔵庫を同時に利用できるようにしたリトリートNVPOPは、ふたり+ペットとの旅にゆとりをもたらすクルマだった。
【問】ダイレクトカーズ https://www.cars-drt.com
取材・文/大森弘恵