進学か就職かと思いめぐらす高校時代は、人生の分岐路。学生によって志向する進路は多種多様だが、何かしら就きたい職業を、このモラトリアム期に固めるJK・DKも多いことだろう。
そんな「なりたい職業」に関する意識調査がこのほど、スマートフォン専用のリサーチプラットフォーム「LINEリサーチ」により、日本全国の高校1年生~3年生の男女1041人を対象にして実施された。
なりたい職業、女子高生1位は「看護師」、男子高生1位は「国家公務員・地方公務員」
将来いちばんなりたい職業については、全体的に見ると、看護師や教師、公務員、保育士、医師など“国家資格”が必要な職業が多くランクインする結果となった。
女子高生・男子高生のランキング内容と選んだ理由に関してみてみると、女子高生1位は「看護師」となり、「人と関わること、人を助ける仕事をしたい」といった、「人助けをしたい」、「人の役に立ちたい」という声が多く寄せられた。「母親や叔母が看護師だったから」、「看護師さんに優しくしてもらったから」などの理由をあげた女子高生もいた。
続いて女子高生の2位は「教師・教員・大学教授」。「お世話になった先生がいて、その人みたいになりたい」といった、実際に自分が教わった先生に影響を受けた女子高生が多かったようだ。ほかにも、「教えることが好き」という理由や「子どもが好き」という理由が目立った。
3位の「国家公務員・地方公務員」は、図書館の司書や社会福祉士などの福祉職も含まれている。「地域に貢献したいから」、「図書館司書を目指しているから」といった声が寄せられたほか、最も多かったのはやはり「安定しているから」という理由だった。
4位には「保育士・幼稚園教諭」がランクイン。「子どものお世話をするのが好きだから」、「子どもと接するのが楽しい、好き」というように、子ども好きな点を理由としてあげている女子高生が多数いた。
5位の「芸能人(タレント、声優、俳優など)」は、男子高生と比べ女子高生で人気が高い職業といえる。「自分が小学生や中学生の時にアニメや歌に救われたから、私も誰かを救いたいから」といった声があがった。6位の「栄養士・管理栄養士」では「栄養に興味があり、人々に健康な体づくりのアドバイスをしたいため」といった理由が挙げられた。以降、7位「薬剤師」、8位「事務職・営業職」、9位「心理カウンセラー・臨床心理士」と続き、10位は「医師」と続いた。
一方、男子高生のなりたい職業1位は「国家公務員・地方公務員」。「日本をより良い国にする法整備に携わりたい」と志の高い理由や、「安定した給料が手に入るから」といった声が寄せられた。
2位は「システムエンジニア・プログラマー」。「小さい頃からゲームが好きで、自分で面白いゲームを作りたいと思ったから」といった理由から、「AIの時代が来るので」と未来を見据えた理由をあげる男子高生もいた。
同率2位の「教師・教員・大学教授」は、「バスケットボールをずっとやっていて、中学生に指導したい」という声や、「新しい考えを持つ可能性を秘めた未来を生きる人を育て上げ、この国を変えたい」という大きな理想を持つ男子高校生もいた。
4位は「機械エンジニア・整備士」がランクイン。「機械が好きだから」、「ものづくりが好きだから」といったことが理由のようだ。
5位は「設計者・開発者・工業デザイナー」で、「ロボットなどの機械関連のことに小さい頃から興味があり、人の役に立つようなロボットを作りたい」という理由があった。6位の「医師」では、「人の命を救いたい」、「親が医者だから」といった理由が見受けられた。
以降、7位「ゲーム業界の仕事(デザイナー、クリエイターなど)」、8位「理学療法士・作業療法士」、9位「事務職・営業職」と続く。10位には「警察官・消防官・自衛官」がランクイン。女子高生と比べると、ものづくりに携わる職業や、ゲーム業界、警察官などが男子高生には人気のようだ。
女子高生・男子高生に共通して、「人の役に立ちたい」という声が多かったのが印象的。仕事を通じて社会貢献をしたい、という気持ちを持っている人が多いことがわかった。
【学年男女別】人気の職業ランキングTOP5
学年男女別で見てみると、全体的に、高2、高3と学年が上がっていくにつれ「決まっていない/わからない」という回答が減少する傾向。女子高生と比べて男子高生の方が、「決まっていない/わからない」と回答する人の割合が多いことも特徴的だった。
学年別に見てみると、女子高生の高校1年生では女子高生総合3位の「国家公務員・地方公務員」が1位、また同率1位で「教師・教員・大学教授」もランクイン。女子高生総合1位の「看護師」は4位にとどまる結果になった。
高校2年生では、総合2位の「教師・教員・大学教授」が1位にランクイン。2位は僅差で「国家公務員・地方公務員」だった。こちらも「看護師」は4位という結果となった。
高校3年生ではランキングの内容が変化し、1位は女子高生総合1位と同じ「看護師」がランクイン。2位以下と大きく差が開いている。また、女子高生総合5位の「芸能人」が3年生では3位にランクインしていた。
全学年でランクインしているのは、「国家公務員・地方公務員」、「教師・教員・大学教授」、「看護師」の3つで、女子高生総合のTOP3の職業となった。
一方、男子高生の高校1年生では男子高生総合5位の「設計者・開発者・工業デザイナー」が1位にランクイン。2位が男子高生総合7位の「ゲーム業界の仕事(デザイナー、クリエイターなど)」という結果に。5位以内はものづくり系の専門職が目立つ。
高校2年生では、男子高生総合2位の「教師・教員・大学教授」が1位にランクイン。男子高生総合1位の「国家公務員・地方公務員」が4位にランクインしている。この学年になると教師や公務員などの職業がランクインしているのが特徴で、1年生で2位だった「ゲーム業界の仕事」は5位ランク外という結果になった。
さらに高校3年生になると、受験や就職などが間近になってくる影響か、女子高生と同様、順位や職業の顔触れが少し変わり、「国家公務員・地方公務員」が1位という結果に。「教師・教員・大学教授」も4位にランクインしているほか、他の学年ではランク外だった銀行、証券会社などの「金融業界の仕事」が同率4位となった。
学年を問わず男子高生に人気があったのは「システムエンジニア・プログラマー」と「機械エンジニア・整備士」という専門職だった。
<調査概要>
LINEユーザーを対象にしたスマートフォンWeb調査
調査対象:日本全国の高校1年生~3年生の男女
実施時期:2020年8月17日~19日
有効回収数:1041サンプル
出典元:LINE株式会社(LINEリサーチ)
https://www.linebiz.com/jp/service/line-research/
構成/こじへい