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『老害』と呼ばれる人はどのような環境でも嫌われやすく、接する側も苦手意識を持ってしまいがちです。しかし、特徴を知って相手を理解することができれば、上手に付き合える可能性があります。老害の意味や特徴、ストレスなく接する方法を紹介しましょう。
老害とはどういう意味?
周囲に何らかの迷惑を与えやすい老人のことを『老害(ろうがい)』と呼ぶことがあります。年配者に限らず、若い人でも老害になり得ることもポイントです。
周囲への迷惑行為が多い老人
老害とは、周囲に迷惑を及ぼしたり、周囲を不愉快な気持ちにさせたりする老人のことです。何かと周囲に害を与えることから、老害と呼ばれています。
組織や一般社会の中で年齢や経験を盾に幅を利かせる年配者を指し、特に若い人の間で使われる言葉です。会社では、敬遠されている年配者を揶揄する意味でよく用いられます。
すぐに感情的になったり意地を張ったりすることが、老害の大きな特徴です。間違いを認めないなどプライドが高い人や昔話が多く話がくどい人も、老害とみなされやすくなります。
多くの老人に見られる迷惑な傾向を、老害という場合もあります。高齢ドライバーの事故多発により世の中が迷惑を被っていることなどが、その代表例です。
年齢は関係ない?
老害に年齢の定義はありません。老害と言われる人の多くがシニア世代以上の年齢ではあるものの、老害の特徴を満たしていれば、年齢に関係なく老害の扱いを受ける可能性があります。
40~50代の人でも、すぐに感情的になったり過去の自慢話を長々と話したりすれば、若い世代から老害と言われかねません。30代でも自分より若い人に迷惑がられている場合は、老害になり得るでしょう。
老害は本人に対して、直接使う言葉ではありません。周囲が老害だと感じていれば、自分の意に反して老害と呼ばれている可能性があります。老害と言われたくないなら、若い世代に対する自分の言動に注意が必要です。
老害と言われてしまう人の特徴
老害と言われる人には、周囲に嫌われやすい特徴があります。その特徴を知ることは、自分が老害にならないためにも重要です。
すぐに感情的になる
『短気で怒りっぽい』ことが、老害の大きな特徴です。気に食わないことや納得できないことがあると、すぐに感情的になります。
怒りの感情を激しく表に出しやすいこともポイントです。周りに人の目がある公共の場でも、怒りの対象に向かって怒鳴り散らします。
大声で怒鳴ると、怒られている本人だけでなく、周囲も嫌な気分になるものです。怒ったり怒鳴ったりすることを繰り返し、次第に迷惑な人とみなされていきます。
怒る理由が些細なことであったり、理不尽に激高したりすることも特徴です。怒っている理由が分からないことも多いため、周囲が困惑することもあります。
常に自分が正しいと思っている
老害と呼ばれる人は、自分の意見を曲げようとしません。常に自分の考えこそが正しいと思っており、自分の主張と異なる意見は全て一蹴します。
自分の価値観を押し付けようとすることも特徴です。時代の変化に関心を示さず、昔から大切にしている古い価値観を大事にするため、新しい考え方が受け入れられません。
年配者の考え方や価値観には、若い世代が聞いて価値のあるものも含まれています。長年の経験から生まれる意見には、貴重なものが多いことも事実です。
しかし、老害の主張には根拠がはっきりしないものもあり、それらを強引に押し付けようとするため迷惑がられてしまうのです。
昔話が多い・話が長い
過去の自慢話が大好きで、自分の気分が良くなる成功譚や武勇伝を、相手の状況も考えずに延々と話す傾向があります。
話の中で、若者を批判しがちなことも特徴です。『昔はいい時代だった』『今の若い人はダメだ』などと、自分が生き抜いた過去を美化しようとします。
また、何度でも同じ話をします。話の大半は自分の昔話や自慢話で、前に聞いたことがあると指摘を受けても気にしません。
話す相手の時間や立場を気にせず話し続けるため、相手に嫌がられてしまいます。話の内容にも興味や関心を持たれないことがほとんどです。
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プライドが高い
プライドが高いことも、老害の特徴です。ミスをしても謝ろうとしません。自分以外の人や出来事に責任を転嫁し、屁理屈を述べて謝罪を回避します。
老害と言われている人の多くは、企業の元重役など立場が高かった人です。周囲が自分に頭を下げたり、周囲から尊敬されたりするのが当然のことだと考えています。
過去の立場や年齢を笠に着て、自分より年下の人に命令したり見下したりすることも特徴です。他人からの指示や指摘を受け入れることは、プライドが許さないのです。
上手に付き合うには?
身近に老害がいる場合は、付き合う方法を知っておきましょう。話を上手に聞き流したり、できるだけ関わらないようにしたりして、ストレスを受けないようにしたいものです。
スルースキルを身に付ける
老害は自分の意見が否定されることを嫌います。うまく付き合うためには、老害の考え方や価値観を否定しないことが重要です。
強く肯定したり話を聞き込んだりと、過度の気遣いは必要ありません。意見を否定して怒鳴られたり時間を拘束されたりしないよう、上手にスルーすることがポイントです。
老害の意見を否定しても、考え方を改めることはまれなため、話を聞いてあげるだけの存在になりきる必要があります。
老害の話をまともに受け止めてしまうと、価値のない話を延々と聞かされることになりかねません。時間がない場合は、イライラが募りやすくなります。
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できるだけ関わらない
老害と深く関わらなければならない場合以外は、できるだけ距離を置くのが無難です。職場に老害がいるなら、仕事上必要な連絡のみするようにしましょう。
今まで老害の長話に付き合っていたケースでも、理由を作って早めに切り上げる方法を考える必要があります。徐々に距離を置いていき、自分の時間を取り戻すことが大事です。
プライベートの誘いがあっても、安易に受けてはいけません。昔話や自慢話を長々と聞かされるだけで終わってしまいます。老害と関わることで時間と労力を無駄にするのが一番の損害なので、自分にとってメリットがないなら極力関わらないことです。
老害と言われないために重要なこと
年下の部下や後輩がいる状況なら、誰でも老害になる可能性があります。考え方や言動に注意し、老害と言われないように自己チェックを怠らないことが重要です。
考え方を柔軟にする
老害の特徴の一つに、自分の考え方に固執しやすいことが挙げられます。老害と言われないためには、物事に対する考え方を柔軟にしなければなりません。
年齢を重ねると、今の若い世代と自分の若かった頃を比べがちです。時代が変わっていることを受け入れ、若い世代の考え方を理解するように努めることが大事です。
昔と今では常識に対する感覚が異なることも、意識する必要があります。昔は当たり前だった常識が、いつまでも通用し続けるとは限りません。
ビジネスシーンに関する常識でも、勤務形態や服装など昔では考えられなかったスタイルが登場しています。
上から目線の発言に気を付ける
年下の部下や後輩には、どうしても上から目線の発言になりがちです。自分の実績や成功体験を過度にひけらかし、頭ごなしに下の世代を否定すると、周囲から煙たがられてしまいます。
『言っていることの意味分かる?』という発言も要注意です。単に確認する意味で聞いたつもりでも、相手の理解力自体を問う発言にも捉えられかねません。
『若いうちはこうした方が良い』とアドバイスしたつもりでも、上から目線と捉えられる可能性があります。考え方を押し付ける発言は、できるだけ控えた方が無難でしょう。
構成/編集部