2021年はホンダがF1の2チーム、スクーデリア・アルファタウリ・ホンダとレッドブル・レーシング・ホンダへパワーユニット(PU)を提供するラストイヤーだ。
スクーデリア・アルファタウリ・ホンダ「AT02」
レッドブル・レーシング・ホンダ「RB16B」
ホンダの四輪ドライバー育成プログラム出身の角田裕毅選手がアルファタウリからF1デビューを果たすなど、何かと話題の多い2021年のホンダではあるが、今から約25年前に速さではなく「楽しさ性能」を追求したクルマがデビューしていたのをご存じだろうか。
それは、ホンダ「S-MX」だ。
ホンダ「S-MX」は4mを切るボディを採用
S-MXはメカニズム・スペースをミニマム化しつつ、室内スペースを拡大するという難題に挑んだクルマ。全長は4mを切る3950mmとし、運転席側は1ドア、助手席側は2ドアの〝ワンツードア〟という変則的なドア配置となる。
全長3950×全幅1695×全高1750mm、ホイールベースは2500mmとなっている。
テールゲートはリアバンパー部からほぼ垂直に切り立ち、発光エリアが広いリアコンビネーションランプと相まって、強いスクエア感が印象的だ。
ホンダ「S-MX」は2.0L DOHCエンジンを搭載
コンパクトなボディには、1972cc DOHC 16バルブ+電子制御燃料噴射式(ホンダPGM-FI)エンジンを搭載。最高出力は130PS/5500rpm、最大トルクは18.7kgm/4200rpmを発揮する。
車両重量は最軽量のS-MX 2WDグレードで1330kg。B20Bエンジンのパワーは必要にして十分。ロックアップ機構付4速オートマチックと組み合わせ、心地よい走りを堪能できた。
ホンダ「S-MX」の燃費はどれくらい?
10・15モード走行燃料消費率(運輸省審査値)で、2WD車は11.2km/L、4WD車は10.8km/Lとなっている。
ホンダ「S-MX」の個性が光る内装
ショートボディにワンツードアと、外装が個性的なホンダ「S-MX」だが、このクルマが25年を経てなお個性を失わないのは、ユニークな内装にあるといっても過言ではないだろう。
2020年の流行語となった〝ソロキャンプ〟も、S-MXならラクラク。車中泊を無理なくできる、今どきのクルマだといえるかもしれない。
ホンダ「S-MX」のツインベンチシート
フロントにはふたりがゆったり座れる大型サイズのベンチシートを採用。厚みのあるクッションがソファのような快適さを生んでいる。
また、運転席、助手席が独立してリクライニング、スライドできるほか、シートベルトバックルが座面に収納できる設計となっている。
コラムシフトを採用しパラレル・ウォークスルーを実現
四角く切り立ったインスツルメントパネルにコラムシフトATレバーを採用。
運転席右側に配置した駐車ブレーキレバーの採用や独自の低床フラットフロアと合わさり、左右の移動がしやすいパラレル・ウォークスルーを実現した。
スライド機構付リア・ベンチシート
300mmのロングスライド&ポップアップ機構付リア・ベンチシートを採用。
ツインベンチシート
フロントシートのヘッドレストを外してシートバックを倒し、リアシートのシートバックも倒せば、2146×1180mmの超ロングなセミダブルベッドなみのスペースが出現。シート内収納式のシートベルトバックルの採用によって、凹凸感のない完全フルフラット化を実現する。
ホンダ「S-MX」の魅力をさらに引き出した〝ローダウン〟
車高を15mm下げ、フロント/リア・アンダースポイラーにサイド・スカートを採用。引き締まった外観を得たのが、LOWDOWN(ローダウン)仕様だ。
前後サスペンション、リアスタビライザーのバネレートを高め、195/65R15 91H専用タイヤとダイヤカット・アルミホイールを組み合わせ、一層レスポンスのよいダイレクトな走りを実現。
インテリアにはオレンジアクセント・インテリアカラーを随所に設定。
もちろん完全フルフラット化が可能な前後シートには専用オレンジシート地が採用された。