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そういえばなぜ?十二支に猫がいない理由

2021.03.20

猫が十二支のメンバーに選ばれなかった理由

今や日本でもっとも多くの世帯で飼育されるようになった猫!その気ままで愛くるしい姿に、癒されない日はありませんよね。

猫という動物はまさしく、犬と並んで世界中で愛玩されるペットの二大巨塔と言ってもいいでしょう。

ただし、いろいろな伝承や怪談なんかを見ますと、猫って結構損な役回りを受け持っているんですよね。たとえば西洋では悪魔の使いなんて呼ばれていたり、日本では長生きすると猫又になって飼い主を裏切るなんて言われたり。

何より有名なのが、十二支に猫がいない、という不遇でしょう。

この十二支に猫不在という状況には、その理由としていくつかの由来があるんです。

今回はそれぞれの理由について、簡単にご説明していきたいと思います。

ねずみに騙されて十二支入りを果たせず…

まずは一番有名なお話から紹介していきましょうか。

十二支に猫がいない理由。それはズバリ、ねずみに騙されたという、あのお馴染みの話ですね。

あるとき神様が様々な動物を集めて言いました。

「今年の1月1日午前0時に集まった動物の、最初から12匹目までを干支に入れようと思う」

これを聞いた動物たちは、干支入りを目指して意気揚々。しかしその場に、猫はいませんでした。

後日、猫はねずみに「そういえばこないだ神様が主催した集まりって何だったんだにゃ?」と問います。

が、このねずみがずる賢い奴で「ああ、1月2日の午前0時に集まった動物の、最初から12匹目までを干支にするんだチュ」と嘘を吹き込んでしまったのです。

すっかりその話を信じ込んだ猫は、哀れ、とっくに十二支が決定した翌日午前0時、ウキウキ顔で神様の元に。当然そこには動物たちの姿はなく、神様も「遅いよ(笑)」と言ったとか言わなかったとか。

猫はこのとき初めて、ねずみに騙されていたことを知るのでした……。

これは昔話でも割と著名なものなので、ご存知の方もかなり多いのではないかと思います。猫とねずみは因縁も深いので、この組み合わせは面白いですよね。

十二支発祥の地で猫がマイナー過ぎた…

また、これはちょっと現実的な側面から見る、干支に猫がいない理由なのですが、そもそも十二支発祥の地、中国は殷の時代には、現地に猫がいなかったからという説があります。

実際に猫は紀元前8000年頃にはキプロスで大事に飼育されていたことが分かっており、紀元前5000年頃には古代ローマ帝国でも重宝される動物でした。

この当時のローマ帝国は、世界中に侵略の手を伸ばしていたこともあり、猫はそんな強大な国に庇護されながら生活していたわけですね。

ということは、あまり国外に流出する個体も少なく、中国においてもその数は皆無であったか、あるいはかなり少なかったことが考えられます。

十二支発祥に際しても、あくまで当時の中国でメジャーな動物たちを12種類選んだだけということであり、猫などは選考の余地すら与えられなかった可能性が高いのです。

間接的にお釈迦様の死に関与したから干支入りできない説…

十二支に猫が入っていない理由として、もう一つだけ紹介しておきたいことがあります。それは猫が、お釈迦様の死に関与しているから、という説があるんですね。

あるときお釈迦様は命を落とすのですが、この報告を知った天国の母親は、袋に復活の霊薬を入れて杖に結わえて地上に落とすことにしました。

ところがその杖が木に引っかかってしまい、それを見たねずみが薬を取るために向かうことに。が、運の悪いことは続くもので、お釈迦様の復活のための薬を手にするという使命に燃えるねずみの前に、猫がやってきて邪魔をしてしまいます。

結局そのせいでお釈迦様の復活は叶わなかったと、こういう顛末なのです。お釈迦様の大事な局面を邪魔してしまったために、猫の十二支入りなんてそもそもとんでもない話だったのでしょう。

最初に紹介したお話が作られる段階で、そもそも猫は干支から除外されていた、といったところでしょうか。

おわりに

ただ、十二支発祥の地である中国とは別の動物を用いた干支を採用している国もアジアの各地にはあります。そしてそれらの国のいくつかには、猫が干支として数えられているんですよね。

チベットやベトナムには、猫の組み込まれた十二支が存在しています。

所違えば品変わるとは言いますが、国によっては猫も立派な干支の一員なのです!

文/松本ミゾレ(PETomorrow編集部)

構成/inox.

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