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ビジネスシーンでもよく使われる「烏滸がましい」とはどういう意味?

2021.03.22

日常生活で使う機会は少ないものの、ビジネスシーンや目上の人とのやり取りにおいてよく耳にする「烏滸(おこ)がましい」。この言葉の性質上、意味や使い方を正しく理解せずに使ってしまうと、相手に不快な思いを抱かせたり失礼な物言いになったりする場合もある。

そこで本記事では、「烏滸がましい」という言葉の由来から実際に使う際の注意点など、知っておきたいポイントをまとめて解説したい。

「烏滸がましい」とはどういう意味?語源と英語表現

はじめに、「烏滸がましい」のそもそもの意味について詳しく見ていこう。また、元々どんな語源がある言葉なのか、英語ではどういった表現をするか、併せてチェックしてほしい。

身の丈に合わないという意味

烏滸がましいには、大きく分けて「身の程をわきまえない」と「まったく馬鹿馬鹿しい」の2つの意味がある。特に前者は一般的によく知られた用法であり、置かれた立場や身分に見合わない発言に対して「烏滸がましい物言いだ」のように使う。

もう一つの「まったく馬鹿馬鹿しい」は古典文学においてよく用いられる表現で、吉田兼好の『徒然草』や紫式部の『源氏物語』などにも登場する。

そもそも「烏滸」とは?語源は中国

烏滸がましいは、馬鹿げていることを表す「をこ」と接尾語である「がまし」の組み合わせから成り、平安時代以前は「をこがまし」と平仮名で表記されていた。その後、「烏滸」「尾籠」「痴」などの漢字が当てはめられるようになったと言われている。

「烏滸」とは、後漢時代の中国で使われていた言葉で、水辺を意味する「滸」と「烏(からす)」を合わせて「黄河や揚子江の港に集まる、カラスのように騒がしい人々」を表す。

ここから転じて、愚かなこと、非常識なふるまいを指す言葉として用いられるようになった。現在は単体での使用例はあまりなく、「烏滸がましい」「烏滸の沙汰」という表現で使われることがほとんど。

烏滸がましいの英語表現

海外の取引先とのやり取りで「烏滸がましい」を使う場合、「impudent(厚かましい、図々しい)」、「presumptuous(無遠慮な、生意気な)」、「impertinent(無作法な、生意気な)」の3つの単語が近いニュアンスを持っている。ビジネスシーンにおいては、これらの言葉を含んだ英語表現を使用するといいだろう。

また、ビジネスメールの場合「ぜいたくを言う、無理に頼む」という意味の「ask too much」を利用した「I know I’m asking too much,but~」や、「図々しい」を表す「pushy」を用いた「I don’t want to sound pushy,but~」を定型表現として、「烏滸がましい」と同じような意味で使用する。

烏滸がましいをビジネスで使う時の注意点

実際にビジネスの場などで「烏滸がましい」を用いる場合、いくつか使い方に気を付けなくてはならないポイントがある。ビジネスパーソンとして適切に使いこなせるよう、ぜひ参考にしてほしい。

ビジネスの場で使う際の注意点

「烏滸がましい」は、自分自身に使う場合と自分以外に使う場合とで意味が大きく異なる。自分自身に使う場合は、特に目上の人間に対して意見や要望を述べる際に、「私が言える立場ではないですが」とへりくだった意味が込められる。そのため、相手に言われた場合、「そうですね」と肯定するような相槌を打つのはNG。

自分以外に使う場合、相手に対して「身の程をわきまえない、無遠慮である」といった批判的なニュアンスが含まれるため、部下をたしなめるといった目的がある時以外、ビジネスシーンで使うには適さない。

また、「烏滸がましい」は目下の者が目上の者に対して使う言葉であり、自分の方が経験や年齢が上である場合に使うと、嫌味に聞こえたり威圧的に捉えられてしまう可能性があるので注意しよう。

実際の使用例

<自分自身に使う場合>

「私が言うのも烏滸がましいのですが、B案の方が今回のプロジェクトに適しているのではないでしょうか」
「大変烏滸がましいとは存じますが、その件は私に一任していただけませんか」
「烏滸がましいお願いをいたしまして申し訳ございません」

<相手に対して使う場合>

「お客様に対してその態度は烏滸がましいと思わないか」
「これまでしてやった恩も忘れて、烏滸がましいやつだ」

烏滸がましいの関連語、類似表現

「烏滸がましい」には、よく似た類似表現がいくつか存在する。最後に、それぞれの言葉の意味と使い分け方をいくつか紹介しよう。

分不相応(ぶんふそうおう)

分不相応とは、持ち物や行動が身分や能力にふさわしくないことを意味する言葉。「自分には不相応な相手」「彼の収入には分不相応な家だ」のように使う。その人の立場と釣り合わないという意味は似ているが、「烏滸がましい」は家や車といった持ち物にはあまり使わない。

厚かましい

行動や言動に遠慮や慎みがないことを表す「厚かましい」も、「烏滸がましい」の類似表現の一つ。「烏滸がましい」が身の程や立場をわきまえない点を強調する表現なのに対して、「厚かましい」は遠慮がないことを強調している。目上の人に対して謙遜の気持ちをより伝えたい場合は「烏滸がましい」を、要望を伝える際は「厚かましい」を使うなど、状況によって使い分けるとよい。

差し出がましい

「差し出がましい」とは、でしゃばったり余計なことをするという意味。「お節介」や「余計なお世話」と近いニュアンスで用いられる。「烏滸がましい」が自分の言動に対してのみ使われるのに対して、「差し出がましい」は自分の言動のほか「差し出がましいようですが、過度の飲酒はお体に触りますよ」のように、相手の行動や言動に対しても使うことができる。

文/oki

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