東日本大震災から10年の節目を迎え、改めて高まる“防災”への関心。身近な対策として防災グッズを揃えることも大切だが、一方で、“住まいの防災”についてもしっかりと理解を深めることが大切だ。
そこで今回、自分が今住んでいる家(街)の防災について知りたいという人はもちろん、これから家を借りる人、家を建てたい、購入したいという人に向けて、リクルート住まいカンパニーがまとめた「住まい探しをする際に防災の観点で重要なこと」を紹介していきたい。
1.ハザードマップをチェック!
2020年8月に建業法が改正され、不動産の契約を行う際に、宅建免許を持つ不動産会社は、その場所が、ハザードマップ上のどこにあるかを示して重要事項説明を行うことが義務化された。
これにより、どのくらいの危険度があるか必ずわかるようになったものの、契約直前にそれが分かっても、今更後戻りできないと感じることも。気に入った物件があったら、早い段階でHPなどでハザードマップを見ておこう。
また、土地を買って家を建てる場合、「その土地の地盤の固さがどのくらいか?」「補強するためにはどんな工事をしていくらかかりそうか」を照会するサービスもある。中古住宅について診断をしてくれるサービスもあるので、同様に利用しよう。
(参照:渋谷区ホームページより)
<ポイント>
・基本、各自治体が作成
・検索すればHPなどで見られるものもたくさんある
・自分が住んでいる(住みたい)街、場所にどういう危険があるかチェック(洪水、津波、土砂災害などの危険性を知る)
2.「旧耐震」「新耐震」の診断でハード面の防災を
1981年以前の基準を「旧耐震」、以後の設計法を「新耐震」と言う。マンションなら1981年、一戸建てなら2000年以降の建物か?そうでない場合は、耐震診断を受けていてクリアしているか、必用な補強がなされているかが目安だ。
<戸建ての場合>
・新築の場合一次災害への対策は強化されている
・二次災害に備えた家が続々
(太陽光パネル、蓄電池、V2H機器、貯水タンク、割れにくい窓等)
※太陽光発電は「売電」だけではなく「自家消費」できるように。
近年は電気自動車から住宅に給電出来る「V2H(Vihicle to Home)機器」も。
<マンションの場合>
・マンションなどの集合住宅だと在宅避難が基本
・管理組合の取り組みをチェック
→どんな耐震メンテナンスをしているか、定期的に防災訓練をするマンションか など
※在宅非難の場合、自分で非常時用の備蓄が重要。飲み水はもちろん、非常用トイレの準備が盲点。非常用トイレを備えている人は16%程度。電力が停まると水洗トイレも流せなくなるため、実はこの備えが一番重要。1日に5回トイレに行くとして、1週間で35回分準備が必要だ。
※停電によるエレベーター停止時、自家発電設備があるか?
※集合住宅の耐震メンテナンス事情、避難訓練の実情など
3.地域住民との助け合い“共助”などソフト面の防災も
自身での備えも必要だが、地域住民との助け合いも重要。普段から、ご近所とお互いに助け合える関係、それ以前に、何人家族で、どんな人たちが住んでいるのかお互いに把握する関係を築いておこう。
そのためには地域のお祭りや、子ども会、町内会、避難訓練などに参加しておきたい。また、地域の避難所がどこにあるのか、子どもしかいない時間帯に災害が起きても、子どもだけで避難することや、近所に助けを求めたりすることが可能か確認し、シミュレーションしておくことが大切だ。
さらに、「地区防災計画」というのを本来は地域ごとに決めて周知する必要があるが、それをできている地区はほとんどないのが実態。町内会などの活動をしている人はこの「地区防」が決められているかを確認し、策定していくことも大事だ。
<ポイント>
・避難所運営や、孤立しない、物資が行き渡るための情報交換大事
・普段から、近所で顔見知りを作る心がけを
出典元:株式会社リクルート住まいカンパニー
構成/こじへい