日本人が大地震の恐ろしさを痛感した3.11。あれから10年。今も危機意識を持って防災を実施している家庭は、どれくらいの割合で存在しているのだろうか。
そんな防災に関する意識調査がこのほど、株式会社Wondershakeにより、115名を対象にして実施された。
■7割以上の家庭が防災をしている
家庭で防災をしているか尋ねたところ、「している」が73.0%、「していない」が27.0%という結果になった。(n=115)
■防災で実施しているのは1位「食料や生活必需品の備蓄」2位「防災グッズの準備」
防災をしていると回答した方に、防災のためにどんなことをしているか尋ねたところ、「食料や生活必需品の備蓄」が91.7%で最も多く、「防災グッズの準備」が86.9%、「避難場所・経路の確認」が56.0%と続いた。(n=84)
■防災をしている家庭の9割以上が「実施している防災は十分ではない」
防災をしていると回答した方に、家庭で実施している防災が十分だと思うか尋ねたところ、「十分だと思う」が4.8%、「十分ではないと思う」が95.2%という結果になった。どんなところが足りていないと思うかについては、「備蓄品が足りていない」「家具の固定」「家族の連絡手段の確認」についての声が複数挙がった。(n=83)
<どんなところが足りていないと思うか/自由記述/一部抜粋>
・被災時の家族同士の連絡手段
・備蓄等はしているが必要数が足りてない
・家具の固定がまだ出来ていない
・地元ではないので土地勘がない、ハザードマップを持っていない
・コロナ禍での対策。 マスク、消毒以外なにが必要かわからない
■防災の情報を得ているのは1位「テレビ」2位「SNS」3位「webサイト」
防災についての情報をどこで得ているか尋ねたところ、「テレビ」が81.7%で最も多く、「SNS」が61.7%、「webサイト」が57.4%と続いた。(n=115)
■9割以上が自身の防災に関する知識は足りていない
自身の防災についての知識は十分だと思うか尋ねたところ、「十分だと思う」が5.2%、「十分ではないと思う」が94.8%という結果になった。どんな知識が足りていないかについては、「避難場所」など地域の防災情報のほか、「被災したことがなく具体的にイメージがわかない」「何が足りていないかがわからない」という声も多くあった。(n=115)
<どんな知識が足りていないと思うか/自由記述/一部抜粋>
・漠然と色々足りてない気がする
・自宅付近や勤務先付近で災害にあった場合を想定しているため、旅行中や普段乗らない交通機関で移動中の場合、どのように行動したらいいのか分からない
・パニックになって優先順位を間違えそう。怪我をしたときの対処法
・ペットとの避難はどうすればいいかわからない
■7割近くが自分の子どもに普段から家庭で防災について話している
子どもがいる方に、自分の子どもに防災について教えたことはあるか尋ねたところ、「普段から家庭で話している」が66.7%、「保育園や学校に任せている」が27.5%、「気にしたことがない」が5.9%という結果になった。(n=51)
子どもがいる方に、自分の子どもは防災について十分に理解していると思うか尋ねたところ、「とても理解している」が9.8%、「やや理解している」が52.9%という結果になった。(n=51)
<子どもの防災に関するエピソード/自由記述/一部抜粋>
・幼稚園でも避難訓練を定期的に行ってくれているので、少しの地震でも家具の下に避難する習慣が出来ている
・学校が海のそばなので、避難訓練はしっかり学校が行っているので、子供に避難場所を聞いてもすぐに答えが返ってくる
・防災について話したり防災グッズの使用方法などを確認しがてら年1くらいでキャンプでもしようかと夫婦で話している
■震災から10年で思うのは「風化させてはいけない」
<防災をしていてよかったエピソード/自由記述/一部抜粋>
・コロナの当初、マスクやトイレットペーパーなど少し備蓄していたため品薄になった時持ち堪えられた
・コロナで外出を制限されている時期に1週間で食料などの蓄えがどの程度必要か、少しだが見当がついた
・大型台風が来る時、スーパーなどで養生テープや水が売り切れになり何軒も店をまわっている人たちが多かったが、備えていたので焦ることはなかった
<防災について不安なこと/自由記述/一部抜粋>
・出先で災害にあった場合どうしたらいいのか不安
・子連れでの避難生活
・SNS上のデマ
・近所に助け合える知り合いがいない
・子供が食物アレルギーがあるので、家庭での非常食の用意や市町村に災害備蓄があるのか不安
・準備してもしたりない。WEBサイトによって違うことが書いてあったりして、どこまでやれば安心か分からない
<東日本大震災から今年で10年が経つことについて思うこと/自由記述/一部抜粋>
・つい最近も東日本大震災の余震があったばかりですが、防災の観点からも絶対に風化させてはいけないと改めて感じました
・東北の被災地では復興できている面もあるが、不十分な面もある。特に原発事故で家に戻れない方、不安を抱えながら生活している方がいることを忘れないでいきたい
・被災者の訴え、経験談が未経験の国民に多く届いて、防災準備が当たり前の日本になればいいと思います
・10年もたったのにまだ大きな余震があることが怖い
・コロナ禍での今、震災等大きな災害時の事が不安だと思いつつ、防災グッズが高額なのもみんなが防災対策できない理由なのではと感じます。備える事が普通になれば、防災グッズも安く手に入るようになるのでは?と思っており、一人ひとりが少しでも良いから出来ることから始めてほしい
<調査概要>
調査対象:日本全国の男女
調査方法:Web
実施期間:2月23日〜3月1日
サンプル数:115
出典元:株式会社Wondershake
構成/こじへい