激太りを解消した独自のダイエット食
今は身長178cm、体重65kgの好漢である、これぞうさんには、食べ過ぎがたたって体重105kgになった黒歴史がある。
これぞうさんは、小学校時代から太り始めて、中学3年生で80kgに。その頃、食べる量を減らすだけのダイエットにチャレンジしたところ、58kgまで落としたが、リバウンドして前より太ってしまう。
社会人になると100kgの大台に突入し、見かけだけでなく体調面の不安にもつきまとわれた。
そんな折、海外に住む姪から「オートミールって体にいいんだよ」と聞く。日本ではさほど人気はないが、海外ではハリウッド俳優など健康意識の高い人たちに、もてはやされる食材だ。
さっそく試してみて、水をやや少なめに加えてレンジで加熱すると、炊いたご飯と食感が似ていることに気づく。
これぞうさんは、それを「オートミール米化」と呼んで、リゾット、オムライス、チャーハンなどさまざまなご飯もので、お米の代わりに使おうと試行錯誤に没頭。味も栄養も申し分ない自作レシピを食べるようにしたところ、2年で40kgの減量に成功。4年経った現在もリバウンドしていない。
SNSや著書でとっておきレシピを公開
これぞうさんのレシピは、自身のTwitterやYouTubeチャンネルで見ることができるが、新作も加えた総集編と呼ぶべき著書も出し、版を重ねている。書名は『オートミール米化ダイエットレシピ』(石原新菜監修/学研プラス)。おにぎりからクッパまで、和洋中韓のレシピが満載で、米化オートミールの懐の深さを感じさせる。
さて、そのオートミール米化だが、各レシピに共通する下ごしらえがある。準備するのは、市販の味付けされていないプレーンのオートミール。これを1食分の30g計って、水50mlをまんべんなく注ぎ入れて、軽く湿らせる。容器は、スープカップのような底の平たいものがベター。水が底にたまって、オートミールが団子状になるのを防ぐためだ。
あとは、ラップせずレンジ(500w)で1分間加熱して、ほぐすだけ。
以下、この基本のオートミール米化をアレンジして作るレシピを、本書から3つ紹介しよう。
「ひじき混ぜごはん」
【材料(1人分)】
・オートミール:30g
・水:50ml
・A-調味酢:小さじ2、低糖質のめんつゆ:小さじ1、低糖質の甘味料:小さじ1、すりごま:小さじ1
・ひじきの煮物(市販品):30~40g
※調味酢は酸味のマイルドなお酢やすし酢などに、低糖質のめんつゆは通常のめんつゆに、低糖質の甘味料は砂糖でも可。
【作り方】
1 オートミールを耐熱容器に入れ、水を加えて電子レンジで1分間加熱して米化する。
2 1にAを加え、よく混ぜる。
3 ひじきの煮物を混ぜる。
「旨すぎる! 糖質ゼロ麺そばめし」
【材料(1人分)】
・紀文の「糖質0g麺」(丸麺):1袋
・豚肉(こま切れ):50g
・もやし:20g
・卵:1個
・オートミール:30g
・水:50ml
・サラダ油:大さじ1
・和風だし(顆粒):小さじ1
・塩・こしょう:各少々
・低糖質のお好みソース(またはお好みソース):大さじ1と1/2
・青海苔:適宜
【作り方】
1 「糖質0g麺」をあらかじめ冷凍して自然解凍し、細かく刻んでおく。豚肉はひと口大に切り、もやしは半分~1/3の長さになる程度にざっくりと刻む。卵を目玉焼きにしておく。
2 オートミールを耐熱容器に入れ、水を加えて電子レンジで1分間加熱して米化する。加熱後、ほぐしておく。
3 フライパンにサラダ油を入れて熱し、1の「糖質0g麺」、豚肉、2の順に入れてほぐしながら炒め、和風だし、塩・こしょうを入れてさらに炒める。
4 パラっとしてきたら1のもやしと低糖質のお好みソースを入れてさらに炒め、皿に盛って1の目玉焼きをのせる。お好みで青海苔を振る。
※「糖質0g麺」を冷凍・解凍するのはメーカー推奨の方法ではないが、水分が抜け、コシがアップする。
「グリル野菜トマトチーズリゾット」
【材料(1人分)】
・オートミール:30g
・A―トマトジュース(塩・砂糖添加なし):100ml、豆乳:40ml、バター:小さじ1、鶏がらスープ(顆粒):小さじ1/3、コンソメ(顆粒):小さじ2/3
・冷凍グリル野菜(市販品/なければお好みの野菜を焼く):適量
・ミックスチーズ:適量
・粗挽きこしょう:適量
【作り方】
1 オートミールを耐熱容器に入れ、Aを加えて電子レンジで1分間加熱する。
2 1に冷凍グリル野菜を入れ、ミックスチーズをのせる。
3 再度電子レンジで4分間加熱し、粗挽き黒こしょうを振って完成。
オートミールが身体によいワケ
オートミール米化ダイエットを始める前のこれぞうさんは、「お米を炊いたら1食で4合ペロっと平らげる」ほどのご飯好きだった。つまりこれは、米をオートミールに代える「置き換えダイエット」の1種なのだが、オートミールは白米と比較して、カルシウムが約9倍、たんぱく質が約2倍、鉄分が約5倍など栄養分が豊富(逆に糖質は白米より少ない)。食物繊維に至っては約19倍も含まれており、特に水溶性食物繊維のβ‐グルカンが「やせる最大の理由」だという。
「β‐グルカンには、体内の不要なものを包み込んで排出するはたらきがあるといわれています。また、糖質や脂質の消化を遅らせ、血糖値の上昇を抑えたり、脂肪の吸収を抑えたりと、ダイエットのみならず、健康にもうれしい効果も期待できます」
世の中には我慢と忍耐を必要とするダイエット法も多いが、オートミール米化ダイエットはムリなく実行できるのがいい。長期間のリモートワークで贅肉が目立ち始めた方は、トライしてみては?
文/鈴木拓也(フリーライター兼ボードゲーム制作者)