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チャンネル登録者65万人の大人気教育系YouTuberヨビノリたくみが明かす人生最大の計算ミス

2021.03.16

 YouTuberの中でもほんの一握りの者にしか到達できない「1000万回再生」の壁――。今年2月、「中学数学からはじめる相対性理論」という一本の動画がその壁を超えた。投稿した「予備校のノリで学ぶ『大学の数学・物理』」のたくみ氏には、動画内では語らない熱い使命感と並々ならぬ強いこだわりがあった。@DIMEにだけ打ち明けてくれた、彼の「動画にかける想い」を独占公開!!

「大学の数学・物理」の動画で1000万回再生は奇跡

底辺YouTuberになると思っていたら……

 東京大学大学院の博士課程で理論物理学を研究していた僕がYouTubeを始めたきっかけは、一言で言ってしまえば「研究者になれなかったときのためのリスクヘッジ」です。博士の学位をとったからと言って、必ずしも研究者として食べて行けるわけではありません。別の道に進もうと思っても、そのときにはすでに30歳近くになってしまっています。

 博士課程に進学したとき、学術振興会特別研究員というものに運良く採用され、国からお金をいただく代わりに副業が禁止となり、大学入学以来ずっと続けていた予備校講師を辞めることになりました。それでも、学位の取得後に予備校講師としての道を残しておくために「YouTube」という場所で名を売っておこうと考えたわけです。

 YouTubeを始めたきっかけは、それだけではありません。気になっていたのは「理系大学生の理系離れ」です。高校生の頃まで大好きだった数学や科学も、大学に入って授業が全く理解できずに嫌いになってしまう大学生が多く存在します。彼らにわかりやすく、そして面白く「大学の数学・物理」を伝えたいと思い、そのアウトリーチ活動の一環として、YouTubeチャンネル『予備校のノリで学ぶ「大学の数学・物理」』が生まれました。

 YouTuberになる前に、「上手く行ったとしたら登録者は何人ぐらいになるだろう」というフェルミ推定をしました。日本の理系大学生の数は約80万人と言われており、そのうち数学や物理がしっかりと必要になる学生は20%ぐらいです。その中でYouTubeで勉強するほどやる気のある学生は多く見積もっても10%ほどでしょうから、彼らが全員チャンネル登録したとしても、その数は1.6万人ほどです。テレビ番組では底辺YouTuberと言われてしまう部類です()

 しかし蓋を開けてみると、先取り学習に使う中学生や高校生、そして何よりも大きかったのが「学び直し」で見てくださる大人の視聴者の方でした。その結果、今では登録者は60万人を超え、僕の見積もったフェルミ推定()は人生で最大の計算ミスとなったわけです。

 ※フェルミ推定/実際には調べることが難しい数量を、別の数量をもとに論理的に見積もること。

物理や数学よりも先に「自分」を好きになってもらう

 2月には嬉しいことに、ずっと大好きだった芸人のジャルジャルさんとコラボさせていただきました。どちらのチャンネルでやった内容も「即興コント」で、素人にはとても大変なものだったのですが、非常に楽しく撮影させていただくことができました。


「講師を好きになると授業も好きになる」――予備校スタイルの不思議な魅力(たくみさんのチャンネルより『【即興コント】ジャルジャルに授業する奴』)

 たまにこういったコラボ企画をするとチャンネルが盛り上がります。これがすごく大事なことなんです。授業動画だけだとマニアックすぎて多くの視聴者に見てもらえない。でも、僕が魅力的な人間であれば授業動画も見てもらえます。これこそが僕が目指した「予備校のノリ」なんです。予備校って講師の先生一人一人が魅力があって人間性が面白い。先生が面白いから授業も集中するし、集中するからその科目もどんどん好きになっていくという好循環が生まれている。それが予備校という空間なんです。だから僕も授業動画を見てもらうためには僕という人間を好きになってほしいし、好きになってもらえるような動画をこれからも上げていきたいと思っています。

エンディングテーマ曲に隠された秘密

 YouTuberさんの中には、動画の一番最後にエンディングテーマを流す方がいます。僕のチャンネルのエンディングテーマにはこだわりがあって……主題歌としてオリジナルソングを作っていただきました。その結果生まれたのが『Telescope(動画はこちら) です。

 歌詞にはほんのりと理系要素をいれたかったので、作曲してくださった音楽ユニットnotoさんと一緒に何度も相談を重ねました。特に「光の速度で過ぎ去った日々の 時計は止まったままで」という部分は、相対性理論と関係していてとても気に入っています。

「このチャンネルにはこの曲!」というのがあれば、僕が何かしらのイベントに出るときも『Telescope』さえ流れてくれれば「ヨビノリたくみが出てくる!」と盛り上がることができる。僕が普通に登場するだけだと、他の人気YouTuberたちの声援に負けるからです(笑)。

「学び」にゴールはない

 YouTubeをはじめてから、学生のとき以上に勉強する時間が増えました。また、最近では空いた時間で研究に近いこともやりはじめてみました。

 これからは僕が楽しいと思うことは何にでも挑戦していきたいと思っています。学生のころは謎解きにハマり、友人とMENSAの試験を受けにいったりしました。最近では将棋に熱中しており、AIを利用して黙々と勉強をしている最中です。

 今回、僕のチャンネルを紹介してくださった『DIME』での特集は「学び直し」というテーマでしたが、本当に学問をやろうと思ったら、僕の動画は当然ゴールではありません。僕のチャンネルは知識の導入や補足として使ってください。「本を読む」というのはいつの時代でも大切なことです。動画だと本の情報量には全然かないません。僕の動画でも、概要欄にはさらに知識を深めたい人向けに教科書などを必ず紹介しています。僕のチャンネルが学びのきっかけになることを願っています。

Profile】ヨビノリたくみ 予備校時代に培った「小ボケを挟むトークスタイル」によって、難解なテーマでも楽しくわかりやすく学べると人気の教育系YouTuber。たくみさんのYouTubeチャンネル『予備校のノリで学ぶ「大学の数学・物理」』はこちら

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「DIME」6月号の特別付録は、動画の視聴、撮影、配信までいろいろ使える「スマホLIVEスタンド」。

6.5インチまでのスマートフォンをがっちりホールドできるスマホスタンドで、ホールド部分が360度の首振りに対応しており、しかも、高さが無段階で22cm〜32cmまで調節できるスグレモノ。

テレワークをしながら、ソファに座りながら、お風呂に入りながら、ヨガをしながら、キッチンで料理をしながら、といった形で、好きな角度、好きな高さで動画を視聴できるのがうれしい。特に、テレワーク時にオンライン会議用に使ったり、サブモニターとして使えるのもポイントだ。

もちろん、視聴するだけでなく、動画を撮影する時も好きな場所に、好きなアングルで固定設置できるのが便利。ゴルフスイングの練習用に、あるいは、料理のレシピ動画のふかん撮影用にも使えるほか、TikTokやInstagramなどに投稿する動画を撮影したり、そのままライブ配信したりする時にも便利。

また、食事を作る時にキッチンに置いてスマホをセットすれば、ちょうどいい高さでレシピ動画を見ながらが料理ができる。また、360度の首振りにも対応しているので、自身が作った料理のレシピ動画も簡単に撮影できる!

さらには、お気に入りの模型やフィギュアをこのスタンドに固定して撮影したり、あるいは、スマホを固定して簡易的なドライブレコーダーとして使うことも可能だ。

主要なオンライン書店は完売しております。お近くの書店、コンビニでお買い求めください。

取材・文/峯 亮佑

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