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新型コロナの影響で60歳以上シニアの1割強が「海外旅行にはもう行かない」

2021.03.12

長期化するコロナ禍。緊急事態宣言再発出に、Go Toトラベルキャンペーンの停止など、旅行を取り巻く状況が目まぐるしく変わっていく中、人々の旅に対する意識はどのように変わってきたのだろうか?

JTB総合研究所ではこのほど、「新型コロナウイルス感染拡大による、暮らしや心の変化および旅行に関する意識調査(2021年実施)」の調査結果をまとめた。詳細は以下の通り。

4~12月の旅行実施率は全体で36.0%、女性20代49.3%、男性20代41.8%。若者の意欲が引き続き高い

新型コロナ感染拡大により最初の緊急事態宣が発出された昨年4月から12月の旅行経験について聞いたところ、前回の9月調査から変化がみられた。

当該期間の旅行実施率は全体では36.0%で、性年代別では男性20代41.8%、男性30代36.7%、女性20代49.3%、女性30代38.9%と、引き続き若い年代が他と比べ高い結果に。さらに今回は女性20代、30代の実施率が男性より高い結果となった。

また、男女60歳以上のシニアの実施率は、男性60代は38.3%と男性20代に続いて高く、女性60代は32.4%と女性20代、30代に次いで高い結果となっている(図1)。10~12月の期間に特に女性のシニアが復調に転じたことが4~12月の旅行を押し上げたといえそうだ。

旅行実施時期を3か月ごとに区切り、性年代別で見ると、10~12月の実施率が高かったのは、女性20代の36.4%で、男性20代(30.0%)、女性30代(26.4%)、男性60歳以上(25.7%)と続いた。女性60歳以上は、この期間の旅行実施率は24.1%と、7~9月の16.9%から7.2ポイント上昇し、全年代の中で最も伸率が高い結果に。

背景には、60歳以上の多くが既に定年退職を迎え、新型コロナによる所得減の影響をあまり受けていないこと、10月からGoToトラベルキャンペーンに東京都が加わり対象が全国になり、金銭的なお得感と旅行ができる”お墨付き”が得られたこと、そして例年この時期は夏休みなどの長期休暇がなく、秋の旅行シーズンと重なりシニアグループが動きやすい状況にあったことが考えられる(図2)。

一方、女性40代の4~12月の旅行実施率は26.5%と性年代別で最も低い結果となった。10~12月の旅行実施率が16.9%と他より大幅に低く、7~9月の16.1%からほとんど伸びなかった。

男性40代も10~12月の旅行実施率が前期から減少していることから、夏休みなど長期休暇がなく、男女共に子育てや仕事で時間がとられる年代であること、教育費などで出費がかさむ時期でもあることが実施率を下げていると考えられる。また、女性40代は非正規雇用の割合が高く、コロナ禍による雇用環境悪化の影響が大きいことも理由といえるだろう。

2021年の国内旅行の意向は、若者に加えシニアの意欲が向上

次に今後の旅行の予定について聞いた。2021年に国内旅行を予定、検討している人の割合は、全体では27.6%だったが、傾向としては男性が女性より高く、男女共に年代別では20代、30代、60歳以上の順で高い結果となった。

今回は2度目の緊急事態宣言下の調査にも関わらず、前回の調査では旅行意欲も実施率も低かったシニアが、男女40代、50代より意欲が高い結果に。コロナ禍で旅行を経験したシニアの旅行意欲も回復しつつあるようだ(図3)。

海外旅行については、2021年に予定、検討している人は全体で7.5%、2022年は11.5%と多くの人の意識が来年にシフトしていることが分かった。

しかしながら、若い年代は年内の意向が高く、男性20代18.7%、男性30代12.5%、女性20代16.3%という結果だった。他方、「海外旅行は今後はしない」と考える人は、男性60歳以上12.9%、女性12.2%とシニア層が高く、海外旅行からの卒業意向がうかがえる。このまま渡航制限が長引くと、海外旅行の世代交代が加速するかもしれない(図4)。

現在(調査時点で11都道府県に対し緊急事態宣言発出中)の旅行に対する意識は、全体で自粛意識が強い

調査時点での旅行に対する考え方について、あてはまる項目を選んでもらったところ、全体として今は自粛意識が強い傾向が見られたが、前年のコロナ禍の旅行(2020年4~12月)経験の有無、あるいは性年代により差異が明らかとなった。

緊急事態宣言下の行動として「今は、国や自治体の意向に沿って移動を自粛するべきだ(全体26.8%)」は最もあてはまると考えた人が多かった項目で、前年の旅行経験の有無には違いがほとんどなかったが、性年代別では男女共年代が上がると自粛すべきと考える割合が高い結果だった。

GoToトラベルについては、「GoToトラベルが再開されたら、是非利用したい(全体15.7%)」は前年の旅行経験が有る場合は32.8%で、旅行経験無しの6.1%と大差がついた一方、性年代別では大きな差は見られなかった。

コロナ禍におけるデジタルツールの急速な普及に起因する、リアルな旅行の代替の可能性に関しては、「自由な旅行やお出かけが出来なくなり、実際に現地に行くことの大切さを実感した・している(全体14.4%)」を選んだ割合は、前年の旅行経験有りが20.4%と大幅に高い結果に。

また「オンラインで旅行気分を味わったり、土産物はネットショッピングができたりするので、実際に旅行をしなくてもよいと思うようになった(全体3.9%)」は、前年の旅行経験有りが4.9%、無しが3.4%と僅差だった。

しかし、性年代別では男女共に若い年代は「実際に旅行をしなくてもいい」の割合が高くなった。今のところ、リアルな旅行体験がオンラインツアーに替わる動きはみられないが、リアルな旅行は実際に経験を重ねることで価値が深まると理解できそうだ(図5、図6)。

以下からは本調査で、2021年中に国内旅行をする予定・検討の人を対象に、ウィズ・コロナの旅行に求めているものを聞いた。

どんな状況なら旅行に行きたいかは、コロナの状況改善に関する項目が再び上昇

2021年に旅行を予定している人に、今後どんな状況であれば旅行に行きたいかを質問した。高い順から「良いプランや宿泊施設がとれれば(33.1%)」、「新型コロナウイルスの新規感染者数が減少傾向になれば(29.8%)」、「新型コロナウイルスの終息宣言が出たら(28.9%)」という結果となった。

昨年9月調査時は感染者が減少傾向で旅行再開が始まっていたこともあり、新型コロナに関する項目が減少し、旅行プランや旅行先の環境に関心が移っていたが、今回の緊急事態宣言下での調査では再び新型コロナへの関心が高まる結果となった。

しかし、一度は旅行が再開されていたこともあり、昨春の緊急事態宣言時の調査時に比べ、旅行プランや旅行先の環境への関心は高い状態を維持しているといえる(図7)。

国内の宿泊施設を選ぶ際に館内の感染防止対策の徹底を重視する人は6月の旅行再開時から継続増加中

一連の調査で、国内の宿泊施設の選択の際に重視することについて、県をまたいだ移動が可能になった昨年6月から聞いていた。

「施設の感染防止対策」についてはほぼすべての項目で、6月、9月調査よりも重視するという結果になった。また、「使い捨てのアメニティやスリッパなどが提供されること(17.7%)」は前回から3.8ポイント伸びている。

一方で「感染症対策において第三者機関の認定を得ていること」は前回からほとんど伸びていなかった。どちらかというと、宿泊者は実際目で見て具体的に確認できることを重視しているのかもしれない。

さらに、「個室で食事ができること(25.7%)」は前回から5.2ポイント増加、「部屋食で食事ができること(23.6%)」は3.5ポイント増加した。世間で言われている会食や食事による感染を日頃から意識している結果といえそうだ。

露天風呂付き客室や貸切風呂の利用、国内外の団体客を受け入れない施設など、前回調査より他の宿泊客との接触を避けること、また“巣ごもり”を求める傾向が明らかになった(図8)。

今現在は、周囲の進言も自分の意思も、旅行・出張を控える意識が9月調査から大幅に増加

では、現状での旅行について、周囲からはどのように言われ、どのように対処しているのだろうか。全体では9月調査に比べて、家族や友人、会社・職場・学校から旅行や出張を控えるように言われている人が増加した。

「周囲からは言われてはいないが、自分自身が不安なので旅行を控えたい(24.4%)」も前回から大幅増加したが、前回の緊急事態宣言下(昨年4~5月)の調査時の水準には至っていない。

また、性年代別で比較すると、男女共年代が上昇するほど「周囲からは言われてはいないが、自分自身が不安なので旅行を控えたい」が明確になった(図9)

新型コロナ禍による今の考え方や行動全般について感じることは?

最後に、新型コロナウイルスは私たちの日常にどのような考え方や行動をもたらしたのだろうか。「情報」「商品・サービス」「環境」「自己啓発」「コミュニケーション」の種類別にあてはまる項目を選択してもらった。

結果は最も割合が高かった項目から「日頃から健康に気を配っている(33.0%)」、「スマホを見る時間が増えた(32.8%)」、「ルールは守り、正しいことをするべきだ(32.4%)」、「無駄な出費は控えるようにしている(27.7%)」となった(図10)。

各項目の中から、コロナの特殊事情が大きくありそうな以下の3項目「ルールは守り、正しいことをするべきだ」、「スマホを見る時間が増えた」、「お店で買うよりネットショッピングを利用することが増えた」を性年代別で見てみた。

「ルールは守り、正しいことをするべきだ」は男性の方が女性より高く、また年代が上がるほど高い結果になり、男性60歳以上56.2%、男性50代43.8%、女性60歳以上43.0%だった。

「スマホを見る時間が増えた」は、女性に著しい傾向が見られ、特に女性40代は49.4%と約半分、女性30代、50代も4割以上が増えたと回答。それに呼応するかのように「お店で買うよりネットショッピングを利用することが増えた」は女性40代が最も多く、32.6%となった(図11)。

<調査概要>
【調査概要】調査手法:インターネット調査会社が保有しているパネルに対して、インターネットでの予備調査を実施、対象者を抽出後に本調査を実施

出典元:株式会社JTB総合研究所

構成/こじへい

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