長かった冬もあとわずか。間もなく春を迎えようとしている。春といえば、花の季節。桜や菜の花がこの時期に咲く花として有名だが、冬を越した葉物野菜や根菜なども種子をつけるために、花を咲かせる準備をする。
春から夏にかけて、野菜は多種多様な花を咲かせる。今回はそんな意外と知られていない「野菜の花」について紹介していきたい。
小さなお花がこんもり!「ニンジンのお花」
白くてかわいらしく、こんもりとドーム状に花を咲かせるのが「ニンジン」。鮮やかなオレンジ色や赤色などの可食部とは違い、上品な白色の花を咲かせる。
ニンジンは根菜のため、根を地中で肥大させたのち、しっかりと太い茎を地上部に伸ばし、花を咲かせる。花を咲かせると可食部は硬くなるため、ニンジンとしての商品価値はなくなる。そのため、ニンジン畑でも花を見ることはめったにない。
品目/ニンジン 分類/セリ科
かわいいボンボン。「タマネギのお花」
白い小さな花を密集させ、まんまるとした花を咲かせるのは「タマネギ」。このように花を咲かせたものを“ねぎぼうず”と呼ぶ。タマネギやネギはねぎぼうずができてしまうと、栄養が取られてしまう。生産者は収穫前にねぎぼうずができないように注意して栽培しているため、目にする機会は少ない。
品目/タマネギ 分類/ユリ科
まるでブーケ!?「ブロッコリーのお花」
黄色の花をまるでブーケのように咲かせるのが「ブロッコリー」。ブロッコリーといえば、いつも食べている部分は何かご存じだろうか。実は、この黄色い花の“つぼみ”なのだ。緑色の粒の1つひとつがつぼみ、それらが集まったものを“花蕾(からい)”と呼ぶ。つぼみを食べる野菜は、ほかにもカリフラワーやミョウガがある。
品目/ブロッコリー 分類/アブラナ科
ほかにもかわいい花を咲かせる野菜がたくさん
品目/オクラ
分類/アオイ科
薄い黄色の大きな花を咲かせる。花を食べるために改良された“花オクラ”というものもある。
品目/ナス
分類/ナス科
花の色は実と同じ紫色。ナスは花を見ると生育状態が分かるといわれる。花色が濃く大きな花が咲いていると順調だ。
品目/レタス
分類/キク科
レタスはキク科に属するため、キクに似たような黄色のかわいらしい花を咲かせる。
出典元:タキイ種苗株式会社
構成/こじへい