アパレルブランドや化粧品などの販売店、マクドナルドに代表されるファーストフードやレストランなどの飲食店で勤務したことのある人は「ミステリーショッパー」の存在を耳にしたことがあるのでは。
「覆面調査員」とも呼ばれるミステリーショッパーは近年、副業として主婦の間でも密かに人気のある仕事だ。本記事では、普段あまり知る機会のない具体的な調査内容や副業としての特徴など、ミステリーショッパーの仕事について詳しく解説する。
飲食店や販売店で行われているミステリーショッパーとは?
ミステリーショッパーは、元々アメリカで誕生したサービス改善のための手法の一つ。日本では主に販売店や飲食店が中心となって行っているが、アメリカでは銀行や行政機関を含め、対面サービスを行う場所のほとんどで導入されている。
ミステリーショッパーは企業側に依頼された覆面調査員のこと
ミステリーショッパーの主な仕事内容は、一般の客に紛れて対象店舗を訪れ、店舗側に気づかれないように接客を受けてスタッフの接客内容や店舗の様子などを調査すること。ミステリーショッパーを派遣するのは企業側で、内部からは分からない顧客目線での店舗の実態を把握することを目的としている。
調査する項目はどんなものがある?
店舗の調査は、あらかじめ企業から提供される調査シートに基づいて行われる。店舗の形態によって多少異なるが、店舗の外観やディスプレイ、清掃状況、入店や退店時の挨拶、スタッフの言葉遣いや接客の適切さ、提供している商品についての知識量、店内での私語の有無は定番の調査項目だ。また、あえて難しい注文や要求をして、どのような対応をされたかを調査する場合もある。
ミステリーショッパーの特徴、見分け方
通常、ミステリーショッパーがいつ来店するかは店舗スタッフには知らされないため、気づかないうちに接客してしまうことが多い。しかし、慣れていないミステリーショッパーは、これから挙げるような特徴的な行動をとることもある。怪しいな、と感じたら注意深く観察してみよう。
・商品だけではなく、さりげなく店内全体の様子をうかがっている
特に入店時、商品ではなく店舗の様子を観察している場合は、店内の清掃状態やスタッフの動きを見ている可能性がある。
・商品やサービスについて積極的に質問してくる
普段あまり聞かれることのない商品知識や、専門的なことを聞かれたら要注意。「AとBの違いは何ですか」「私は〜〜なんですが、どれがおすすめですか」などもミステリーショッパーの典型的な質問例。
・名札をチェックしている
調査シートには、接客したスタッフの名前を記入する場合が多い。会話の流れとは関係なく名札を確認する動きがあると少し怪しいかもしれない。
・接客の最中スマホで何かメモしている
これはバレバレの例なので実際にはあまりないが、中には評価をこまめにメモしながら調査をするミステリーショッパーもいる。あからさまではなくても、携帯やスマホに打ち込みをしている場合は注意しよう。
副業として人気のミステリーショッパー、メリットやデメリットは?
経験や特別な資格は必要なく、スキマ時間でできることから人気の副業でもあるミステリーショッパー。では、ミステリーショッパーの仕事をするためには、どういった手順が必要なのだろうか。
ミステリーショッパーの始め方、仕事内容
ミステリーショッパーの求人は、大手求人サイトで掲載されていることも多い。「覆面調査」などのキーワードで検索をかけ条件に合ったものを探すか、ミステリーショッパー専門のサイトに登録して希望のものを見つける方法がある。人気の調査には募集が集中するため、抽選になることも。
どのようなメリットがある?
ミステリーショッパーの仕事のメリットは、自分の好きな時間に合わせてできる点や、資格やスキルが不要な点。お得に商品やサービスを利用でき、報酬がもらえるのも嬉しい。外食や買い物、美容の案件が多いので、そうした分野が好きな人は特におすすめだ。
ミステリーショッパーをする上で気をつけておきたいこと
気軽に始められる反面、デメリットや気を付けておきたいこともいくつか存在する。
・収入が安定しない
ミステリーショッパーは、自分の都合に合う案件に申し込み、募集人数の枠に入らなければ仕事をすることができない。報酬も内容によってバラバラなので、一定の収入を確実に欲しい人にはあまり向いていない。
・「稼ぐ」というよりも「節約」
ミステリーショッパーの報酬には、受けたサービスが無料になる「還元型」のものが多い。つまり、飲食やサービスに使った金額がそのまま返ってくる形で報酬が支払われるため、金銭的にプラスになるわけではなく、どちらかというと普段の生活費を節約するというスタンスで参加している人がほとんど。
ただし、メインの仕事が副業禁止の場合でも、年間で20万円以下の収入であれば確定申告の必要はないため、バレないように副業をしたい人にはおすすめ。
・専門サイトには危険な詐欺目的のものも
覆面調査会社を装い、カードローンや金銭を要求される被害に遭うケースもある。ミステリーショッパーの仕事を探す時は、運営企業がしっかりと実在する会社か、口コミの評価は悪くないかといった点に注意しよう。
文/oki