ペットと暮らす子供は、アレルギーにかかりにくい?
「犬や猫と暮らしたい」と思いつつ、「でも子供がアレルギーになるのでは?」と心配する親もいるでしょう。
でも2002年~2005年のフィンランドの研究者が子供397人を対象に行った調査では、犬や猫を家に迎え入れることで、逆に子供が病気にかかる確率が減ったというデータが報告されています。
またアメリカの研究では、2歳までに犬や猫と同居している子供は、アトピーなどの病気にかかりにくいと証明されました。これは、幼少期に清潔すぎる環境で育つより、動物たちが持ち込む菌に触れたほうが、免疫がつきアレルギー症状を起こしにくくなるためと考えられています。
腸内細菌が多い人ほど免疫力が高い傾向にあることはよく知られていますが、動物と暮らしている人はそうでない人と比べて、腸内細菌数が多いというデータも出ています。
■ペットと暮らす子供は、メンタルが安定する
また最近の研究では、動物と一緒に暮らしていると、怖い経験をしてもPTSD(心理外傷後ストレス障害)に陥りにくいという報告も。またそのような経験をした後、家族や友達といるよりも、動物といっしょのほうが心理的に落ち着くという報告もあったそうです。
さらに動物と暮らしている子供のほうが認知力や社会性が高く、運動能力の発達が早いという報告も…。大人がペットと暮らすこともいい影響がたくさんありますが、子供にとっても大きなメリットがありそうですね。
■猫にとって人間の赤ちゃんは、「新参者」
逆に、すでに先住猫がいる家に赤ちゃんが加わる場合もあります。その場合は、どんなことに気を付けたらいいのでしょうか?
大人の猫と暮らす家に小さな子猫を迎えた場合、先住猫が親のような存在になってかわいがることは珍しくありません。でも人間の場合、赤ちゃんとはいえ猫よりも大きいので、猫が人間の赤ちゃんに対して親のような気持ちになることはありません。猫同士と同じように、「自分のなわばりに侵入してきた新参者」という認識です。当然、警戒してしまいますので、赤ちゃんが来る前に、以下の準備をしておきましょう。
*猫の顔のまわりをタオルで拭き、そのタオルで赤ちゃん用の家具も吹いて、同じにおいをつけておく。
*赤ちゃんの鳴き声を録音し、猫に聞かせておく。
■赤ちゃんをむやみに攻撃するような猫は(ほぼ)いない
赤ちゃんは、猫が予期しない行動をとりますので、最初はなわばりを荒らされたと感じナーバスになるかもしれません。でも猫のほうも徐々に慣れていきますし、人懐っこい猫であれば最初から赤ちゃんに近づき、なめることもあります。通常、赤ちゃんをむやみに攻撃したりするような猫はほぼいません。
ただし飼い主が赤ちゃんのほうにばかりかまいすぎると、さびしさからストレスを感じて問題行動を起こすこともあります。赤ちゃんが来ても以前と同じように、猫に愛情を注いであげましょう。
文・桑原恵美子(PETomorrow編集部)
参考資料:「家ねこ大全285」(藤井動物病院院長・藤井康一著/KADOKAWA)
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