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知らないうちにリスクを負っている!?金融商品に内包されている「デリバティブ取引」とは?

2021.03.06PR

預金を含む金融商品の中には、デリバティブ取引が内包されているものがあります。

相対的に、そのような金融商品は仕組みが複雑で、リスクも高くなるため、投資には注意が必要です。

デリバティブ取引とは?

デリバティブ取引とは、金融商品の投資対象である株式や債券、為替、預金(金利)などのリスクを低減させたり(リスクヘッジ)、または逆に証拠金を利用して資金の何倍もの取引を行い大きな利益を狙ったりする取引のことをいいます。

デリバティブ取引には、主に先物取引、オプション取引、スワップ取引があります。

■先物取引

あらかじめ決められた価格で将来売買することを約束する取引です。

もともと、先物取引は古代ギリシャではオリーブオイル、アメリカでは穀物、日本では米を対象に行われていました。時期や天候や天災などに価格が大きく左右される農作物を、あらかじめ決められた価格と日時で売買することを約束できれば、生産者は収穫前に収益を見越すことができ、実際の売却時に価格が大きく下がってしまうというリスクを回避することができます。このように生産者は大きな価格下落リスク、購入者は価格上昇リスクを抑えるために先物取引が役立ちます。

先物取引では、予約した日に現物を売買することで決済されますが、近年では現物だけではなく反対売買することで現物を保有していなくても決済することができます。

したがって、実際に保有することのない投資家が、原油や金、銀などの資源を先物取引または先物取引価格を利用した金融商品を通して取引できるようになりました。また、現物のないTOPIXや日経225などの指数の先物取引もできます。価格をあらかじめ決めておくことで下落リスクや価格上昇リスクを回避することができる一方で、証拠金があればその何倍もの投資が可能であるというレバレッジ効果を利用して効率よく大きな利益を得ることもでき、また売建てを行えば下落時にも利益を得ることができます。その代わり、予想と違う価格変動が起きたときは大きな損失をなります。

■オプション取引

オプション取引とは、買う権利と売る権利の売買取引です。あらかじめ決められた日時と価格で買うまたは売る権利を取引します。権利であることから、実際に買うまたは売らなくても良いのです。

ただ、その権利にお金を出して買っているため、権利を行使しない場合そのお金は無駄になります。

例えば、3ヶ月後に株式を2,000円で売る権利(プットオプション・ロングコールという)を100円(プレミアムという)で購入したとします。購入側は最初にプレミアム100円を支払います。

3ヶ月後に1,000円になっていたとすると、この権利を行使して1,000円(現在価格)で購入し2,000円で売却すれば、900円の利益となります(=売却価格2,000-購入価格1,000円-オプション価格100)。実際には差金決済であるためこの利益だけ受取ります。

逆に3,000円に上がったとすると、2,000円で売却すると損するため権利を行使しません。その代わりオプション価格100円が無駄になります。この売る権利の買う側は、株価が上がったときは利益が無限大であるのに対して、下がったときは権利を行使しないため損失は100円に限定されます。

一方で、オプションの売る権利を買う側(プットオプション)がいれば売る側(ショートプット)もいます。この人は売る権利を売ったときに上記の例でいうと100円のプレミアムを受取ることができますが、買った側が権利を行使したときに株式を買わなければならない義務があります。上記株式が3ヶ月後1,000円になったときには当然権利を行使されるため、900円の損失となります(2,000約束価格-1,000現在価格-オプション価格100)。オプションの売る権利を売る側(ショートプット)は、利益はプレミアムに限定されていますが、株価が下がったときはどこまででも損をするため損失は無限大となります。

プットオプションとは逆のコールオプションと呼ばれる買う権利を売買することもできます。

■スワップ取引

スワップとは、交換する取引をいいます。元本は交換することなく、金利だけや他国の金利などを交換することで、本来投資元本で将来の一定期間受け取ることができる受取利息(キャッシュ・フロー)と他の投資元本で受け取ることができるキャッシュ・フローを交換します。

例えば、変動金利と固定金利を交換したり、円の金利とドルの金利を交換したり等です。

知らずにデリバティブ取引が内包されている金融商品に投資しているかも?

先物取引は日経225先物、商品先物など、オプション取引は日経225オプションなど、スワップ取引はFXのスワップポイントなどで個人でも取引することができます。ただ、証拠金を利用して何倍もの投資が可能であるためリスクは高く、関係ないと考える方も多いでしょう。

しかし、デリバティブ取引が内包されている金融商品は多く、知らずに投資している方もいるかもしれません。

一番身近であるのが、住宅ローンです。一定期間の金利が固定で、期間終了後変動金利またはその終了時点の固定金利が適用される「固定金利選択型」は金利スワップ取引を利用しています。

その他にも以下のように、デリバティブ取引を使った金融商品があります。

■住宅ローンの固定金利選択型(金利スワップ)

【メリット】
・金利が期間限定ではあるものの全期間固定金利よりも低い金利で固定される。
・固定期間終了後に繰上返済できる人が向いている。
【リスク】
・固定期間終了後金利が上昇していると返済額が想定より増加することがリスク

■満期特約型仕組預金(オプション取引)

【メリット】
・金利がステップアップして高くなっていく
【デメリット】
・途中解約すると大きく元本が割れる。市中金利が低下すると早期償還されてしまう。

■元本通貨変動型仕組預金(通貨オプション取引)

【メリット】
・高い金利が受け取れる
【リスク】
・途中解約すると大きく元本が割れる。満期時の元本が預入時を基準として円高になると円ではない外貨で償還されることがある。実質為替リスクを負っている。

■仕組債・他社株転換債(EB債、プット・オプション)

【メリット】
・かなり高い金利が受け取れる
【デメリット】
・株価によって金利が低くなることがある。
・途中解約すると大きく元本が割れる。
・満期時に預入時を基準として対象株式の株価が一定まで下落するまたは一度でもノックイン価格まで下落すると、対象株式に転換される。
・株価変動リスクを負っている。
・株価が満期前に上がった場合には株式を保有していた方が利益を得られていたことになる。
・早期償還されることがある。

■仕組債・日経平均リンク債(プット・オプション)

【メリット】
・かなり高い金利が受け取れる
【デメリット】
・株価によって金利が低くなることがある。
・途中解約すると大きく元本が割れる。
・満期時に預入時を基準として対象株式の株価が一定まで下落するまたは一度でもノックイン価格まで下落すると、大きく元本が割れる。EB債であれば株価の戻りを待つことができるが日経リンク債は満期時に元本欠損が確定してしまう。
・株価変動リスクを負っている。
・早期償還されることがある。

■仕組債・デュアルカレンシー債(通貨オプション)

【メリット】
・高い金利が受け取れる
【リスク】
・途中解約すると大きく元本が割れる。満期時の元本が預入時を基準として円高になると円ではない外貨で償還されることがある。実質為替リスクを負っている。
・早期償還されることがある。

プットオプションを利用した仕組預金や仕組債は、プットオプション取引の売る側(プットショート)の説明で述べたように、決まったプレミアム(受取利息)を受け取れる代わりに損失は無限大というリスクを負います。

途中売却するとデリバティブを内包していることから、売却できないまたは大きな損失を被るため、対象となる株式や通貨を保有している方が途中換金が可能な分リスクと期待される収益が見合っているかもしれません。

仕組みが理解できない場合は手を出さない方が無難

デリバティブ取引を内包した金融商品について上述したようなどのようなデリバティブが内包されているかまで理解する必要はありませんが、デリバティブ取引が内包されている金融商品は、どのような場合に元本が欠損するなど細かく条件が定められているため、どのような条件になると元本欠損するのか、期待される収益とそのリスクが見合っているのか理解した上で投資すると良いでしょう。

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文/大堀貴子
フリーライターとしてマネージャンルの記事を得意とする。おおほりFP事務所代表、CFP認定者、第Ⅰ種証券外務員。

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