空気が乾燥する季節。お部屋に潤いを与えてくれる加湿器ですが、“正しい場所”に置けている人は少ないかもしれません。
そこで今回は加湿器を効果的に使うための方法をご紹介します。
正しい加湿器の使い方は? 効果的な置き場所はここ!
加湿器を効果的に使うためには、窓から離れた場所が理想的といわれています。これは温度変化の影響を受けにくいためです。
一般的に加湿器に加湿された空気は天井に向かって噴出します。加湿器を使う季節はエアコンで暖房を使う機会が多いですから、そのエアコンの風に加湿した空気を乗せると、より効果的に使うことができるのです。
もし、エアコンを使っていない場合は部屋の真ん中に加湿器を置くのもOKです。
また、加湿器が「気化式」の場合、過加湿や結露になりにくいため、壁にピッタリ設置しても良いでしょう。
そこじゃ効果ない? 加湿器を置かない方がよい場所
加湿器を置かない方が良い場所もあります。
例えば、上でも紹介したとおり、「窓の近く」には加湿器は置かない方がよいといわれています。過度センサーが搭載されている加湿器の場合、正しく稼働しない可能性があるためです。同じ理由で「エアコンの風が直接あたる場所」に設置するのもおすすめできません。湿度センサーが正しく働かない可能性があるためです。
また、「直射日光が当たる場所」や石油ヒーターなど「暖房器具の熱が当たる場所」も推奨できません。加湿器の変形や変質、変色の原因となるためです。
テレビやラジオの近くなど、「精密電子機器の近く」に置くと、映像が乱れたり雑音の原因となる可能性があります。
カーテンや布団で吸気口や吹出口がふさがれる場所にも置かない方がよいでしょう。誤動作や故障の原因になります。
壁にぴったりつけても、吹出口が壁や家具の方を向いていると、シミの原因にもなり得るため、注意しましょう。
加湿器の効果は? 製品選びで覚えておきたいポイント
加湿器をより効果的に使うための置き場所がわかったところで、続いては加湿器選びのポイントをチェックしてみませんか?
加湿器選びのポイント:方式
加湿器は主に4つの種類に分けられます。それぞれにメリット・デメリットがあるため、自分にあった製品を選びましょう。
1:超音波式
超音波式加湿器は、細かい水滴(霧)を吹き出すタイプの加湿器です。
その仕組みは超音波の振動によって水をミスト状にし、空気中に吹き出してお部屋を加湿するタイプの加湿器です。メリットは加湿の際にヒーターを使わないため、消費電力が少ない点です。
ただし、水に雑菌が入っていたり、加湿器の中が汚れているとそのまま放出する可能性があります。また、加湿器の周囲にある家具や壁を濡らしてしまう可能性もあります。
超音波式を選ぶ際は、除菌機能がある加湿器がおすすめです。
2:スチーム式
スチーム式加湿器とは、やかんのような仕組みで、お湯を沸かして蒸気を空気中に出すタイプの加湿器です。
内部のヒーターで水を温めて蒸発させ、その湯気を空気中に吹き出す仕組みです。水を加熱するため、雑菌を空気中に放出しにくく、また素早くお部屋を潤せるといったメリットがあります。
一方でヒーターを使うため、電気代がほかの加湿器と比較してかさむ傾向にあります。また、湯気が結露したり、加熱部分に白い粉などが付着するデメリットがあることも承知しておきましょう。
加えて、スチーム式加湿器の場合、吹き出される蒸気が熱を持っているため、小さなお子様やペットを飼っているご家庭で使う場合は、使用の際に十分注意しましょう。
3:加熱気化式(ハイブリット式)
加熱気化式は濡れた布をドライヤーなどの温風で乾かすイメージの加湿器です。
【参照】シャープ HV-L75
水が浸透したフィルターに温風を当て、その水分を気化しながらお部屋を加湿します。
スチーム式と同じく加熱するため、空気中に雑菌を放出しにくく、より早くお部屋を潤すことができるメリットがあります。ただし、温風を作り出すのにヒーターとファンを利用するため、消費電力が多くなる傾向にあります。
4:気化式
気化式は加熱気化式の加湿器と似ています。
【参照】パナソニック ヒーターレス気化式加湿機 FE-KXT07 / 05
その仕組みは濡れたフィルターに速い風を当て、気化させながらお部屋を加湿させます。ヒーターを使わないので消費電力を抑制できます。また、雑菌を放出しないなどのメリットがあります。
ただし、フィルターに大量の風を当てて加湿するため、必然的に稼働音や本体のサイズが大きくなってしまう傾向にあります。
加湿器選びのポイント:電気代
上でも紹介したとおり、内部にヒーターがついているタイプの加湿器は、電気代がかさむ傾向にあります。月々のランニングコストを抑えたい方は、内部にヒーターを搭載していない、気化式や超音波式の加湿器がおすすめです。
加湿器選びのポイント:手入れ
加湿器はお手入れをしていないと、汚れやカビが発生し、そのままお部屋に吹き出されてしまう可能性があります。購入の際は水タンクや水の貯まる部分が洗浄しやすいか、加湿フィルターの交換が複雑でないか、などお手入れが簡単にできるかどうかもチェックのポイントでしょう。
加湿器選びのポイント:加湿能力
一般社団法人日本電機工業会の規格によると、加湿器には「定格加湿能力」という項目があります。これは「室温20℃」「湿度30%」の時に放出できる「1時間あたりの水分量」=「ml/h」で決まります。
この「定格加湿能力」が大きいほど、加湿能力が高く、広いお部屋の空気を潤すことができるのです。
加湿器の購入時に対応畳数がわからない場合は、この「定格加湿能力」に注目しましょう。購入を考えている加湿器が小さすぎないか、またはオーバースペックになっていないか、などを確認できます。
※データは2021年2月上旬時点での編集部調べ。
※情報は万全を期していますが、その内容の完全・正確性を保証するものではありません。
※製品のご利用、操作はあくまで自己責任にてお願いします。
文/髙見沢 洸