小学館IDをお持ちの方はこちらから
ログイン
初めてご利用の方
小学館IDにご登録いただくと限定イベントへの参加や読者プレゼントにお申し込み頂くことができます。また、定期にメールマガジンでお気に入りジャンルの最新情報をお届け致します。
新規登録
人気のタグ
おすすめのサイト
企業ニュース

人気講師がアドバイス!たったA4一枚で英会話力をアップさせる方法【前編】

2021.03.02

義務教育の頃はもちろん、社会人になった今も英会話を勉強しているのに、「ネイティブと話せる自信がない」―こう悩んでいる人は多いはず。

なかなか話せるようにならないのは、「勉強時間の不足」だろうか?「英会話教室の先生との相性」だろうか? それとも…? テキストを広げたまま、こうして悩んでいるうちに日が暮れる。英会話学習のあるあるかもしれない。

日本語のテンプレートが上達を阻む

英会話挫折の真の原因は、「日本語のテンプレートに沿ってしゃべろうとするから」。そう指摘するのは、ニック・ウィリアムソンさん。

英会話教室「ニック式英会話」を主宰するニックさんは、英語指導20年の大ベテラン。2年前にはYouTubeチャンネルを開設し、チャンネル登録者数 30万人を超える人気講師だ。


ニックさんのYouTubeチャンネル「ニック式英会話」

そんなニックさんが言う「日本語のテンプレート」云々とは、日本語の文法構造に、英単語をなんとなく当てはめてしまうという、多くの学習者が陥っているクセのこと。これに、文法・解釈偏重の受験英語の記憶が追い打ちをかける。

例として、「買い物はいつも銀座です」を、いますぐ英語で言ってみよう。

もしも、

My shopping is always Ginza.

みたいな英文になったら要注意。日本語のテンプレートに引きずられた、「すごく変な英語」だからだ。

正解は、I go shopping in Ginza.

正解を見て、「“いつも”に相当する単語がないじゃないか」と思ってしまうのも、日本語のテンプレートにこだわってしまっているせい。

日本語のテンプレートが英会話上達の足をひっぱる

たった1枚のシートが英会話力を爆上げ

では、どっぷりとハマった日本語テンプレ沼から脱出するには、どうしたらいいのか。ニックさんは、こう語る。

「英語でのコミュニケーションを楽しく自然にできるようにするためには、英語のテンプレートに沿ってしゃべることが大事なんです」

そして、それを実現するためニックさんが編み出したのが、「魔法のA4一枚シート」。1月に刊行された著書『見るだけで英語ペラペラになる A4一枚英語勉強法』(SBクリエイティブ)に綴じ込まれているのがそれだ。

ニックさんの著書『A4一枚英語勉強法』に付いている「魔法のA4一枚シート」

「魔法のA4一枚シート」は、パーツAからパーツDの4つのパーツに分かれている。パーツAは、「基本的なパターン」。I’m busy.、I was busy.、I’m going to be busy.など、ごく短い英文が時制ごとに載っている。その下にあるパーツBは、「それに当てはめるだけで応用ができるフレーズ」として、hungry、kind、go homeなど形容詞、あるいはグループ化した動詞が並んでいる。その両側にあるパーツCとパーツDは、「さらに前後に付け加えるフレーズ」。I’m gladやIt’s too badなど文頭に置く言い回しと、後に付け足す形容詞や”with 名詞”などがある。

「魔法のA4一枚シート」の使い方の概略

パーツ内の語句を組み合わせ、何度も声に出して練習するというのが、「A4一枚英語勉強法」の基本。「このシートで繰り返し練習することで、英会話スキルが劇的に上達するのを実感できるはずです」と、ニックさん。

では具体的に、本書にもあるシンプルな文例を挙げよう。

「私は昇格できなさそう」。

これを英語にするとどうなるか。

まず考えるのが「時制」。パーツAには4種類の時制があり、そこから選ぶ。次に、肯定、否定、疑問のどれかを判断する。

上の日本語の文は、時制は未来、そして否定だということはすぐわかる。もう一度パーツAを見て、該当するI’m not going toが導き出される。あとは、パーツBのグループ化した動詞からget promotedを選んで、以下の英文ができあがる。

I’m not going to get promoted.

さて、もしこのシートを知らないで、これまでの英作文の感覚でやってみるとどうなるか。

「できなさそう」=「できない」+「しそう」なので、

I seem to not be able to get promoted.

と答える日本人が多いと思う。「でも、それはとっても不自然です」と、ニックさんは指摘する。

「“未来形”で“否定文”とだけ考えるのが英語の感覚です。日本語表現の“しそう”や“できない”に引っ張られて、そこにこだわって英語に訳そうとしてしまうのは、まったく必要のない努力です。むしろ逆に、英語で最も大事な“時制”を無視してしまうことになります。上の例文ですと、「昇格できなさそう」は未来のことなのに”I seem to not be able to…”は未来形になってないのです」

日本語習得の苦労から閃いた学習法

かくいうニックさんは、日本語を学び始めた頃に、同じような落とし穴にはまった経験がある。当時は文法中心の学習で、「4年間勉強しても、1つの簡単な文をつくるのが一苦労」だったという。例えば、「行きたくなければ行かなくてもいいよ」という一文をひねり出すのに、単語1つずつを語形変化させるやり方で苦心惨憺。

「“行く”の“く”を“き”に変えて“たい”を付けて“行きたい”。
“行きたい”の“い”をとって“くない”を付けて“行きたくない”。
“行きたくない”の“い”をまたとって“ければ”を付けて“行きたくなければ”。
次は“行く”の“く”を今度は“か”に変えて“ない”を付けて“行かない”。
“行かない”の“い”をとって“くて”を付けて“行かなくて”。
“行かなくて”に“もいい”を付けて“行かなくてもいい”がようやく作られます。これには参りました」

しかし、ある日「日本語の文を分解して、言葉のかたまりやテンプレートで考えた方が簡単じゃない?」と気づく。上の文なら、「~たくなければ + ~なくてもいい」となるが、この要領で覚えていったら、あっという間に日本語を話せるように。つまり、日本人がまったく無意識にやっているように、日本語のテンプレートに沿って話すことをマスターしたわけだ。

「英語も同じです。『ここでは動詞の原形を使う』『ここでは動詞のing形を使う』などと覚えてしまって、そしてそんな意識をしなくても間違えずに言えるようになるまで、いろ~な内容を、た~くさんそのテンプレートに当てはめていくだけです」

言うまでもなく、テンプレートをデスクにただ飾っておくだけでは上達しない。テンプレートの用例を組み合わせて文章を作って話すという、地道な練習が必須となる。応用をきかせるのはその後からだが、その時には英語を話すのはずっとラクになっているはずだ。

つづく後編では、パーツCとパーツDについて触れてみよう。

テンプレートに当てはめ、どんどん英語で話すのが上達のカギ

ニック・ウィリアムソンさん プロフィール
英会話教室「ニック式英会話」主宰。同名のYouTubeチャンネルは登録者数は30万人を超え、人気を博している。シドニー出身で、シドニー大学で心理学を専攻。同大学で3年間日本文学も勉強し、日本の文化にも明るい。在学中にオーストラリアの日本大使館が主催する全豪日本語弁論大会で優勝。日本の文部科学省の奨学金を得てシドニー大学卒業後、東京学芸大学に研究生として1年半在学。在学中にアルバイトとして英会話スクールで英語を教え始め、卒業後も看板講師として勤め上げる。英語講師として20年間のキャリアの中で、英会話教室をはじめ、企業向け英語研修や大学の講義、SKYPerfecTVの番組の司会やラジオのDJ、数々の雑誌のコラムや8冊の英語本の執筆など、活動の場は幅広い。『見るだけで英語ペラペラになる A4一枚英語勉強法』は最新の著作。

文/鈴木拓也(フリーライター兼ボードゲーム制作者)

@DIMEのSNSアカウントをフォローしよう!

DIME最新号

最新号
2024年3月15日(金) 発売

DIME最新号はデザイン一新!大特集は「東京ディズニーリゾート&USJテーマパークの裏側」

人気のタグ

おすすめのサイト

ページトップへ

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 第6091713号)です。詳しくは[ABJマーク]または[電子出版制作・流通協議会]で検索してください。