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大企業が導入している経営・品質管理手法「シックスシグマ」とは?

2021.03.05

1980年代に誕生し、その有用性から世界的な大企業が次々と導入した「シックスシグマ」。近年では日本の企業でも広く取り入れられるようになり、特にPMP試験を目指している人は耳にしたことがあるのではないだろうか。

シックスシグマとは、顧客満足を目的とした経営・品質管理手法の一つで、2011年には品質管理の国際規格としてISOにも認定されている。企業のグローバル化が進む中で今後ますます重要視される可能性があるシックスシグマについて、本記事ではその具体的な内容や特徴などを詳しく解説していく。

シックスシグマとはどういう意味?言葉の由来を解説

まず、シックスシグマとはそもそもどんな経営手法で、どんなきっかけで誕生したのかを見ていこう。シックスシグマが生まれたのはアメリカだが、実はその背景には日本も大きく関わっている。

1980年代に開発された経営・品質管理手法のこと

シックスシグマは、アメリカのモトローラ社によって開発された経営・品質管理手法。シックスシグマの語源は、統計学で標準偏差を表すσ(シグマ)で、その定義を一言で表すと「事業を運営していく中で起こる失敗やエラー、欠陥品を生み出す確率を100万分の3.4に抑えることを目標にして行う管理手法」だ。元々は製造業で多く用いられていた手法だが、現在は金融や営業、医療機器業界など幅広い分野に適用されている。

シックスシグマが生まれた背景

モトローラ社の技術者ビル・スミスは、1980年当時、自社製品と日本製品の品質レベルの違いを追求する中で、日本の製造業で一般的に行われていた品質管理手法である「QCサークル活動」を参考にしてシックスシグマを開発したと言われている。

完成品の品質を重視するQCサークル活動と異なり、シックスシグマは結果だけではなくプロセスも重視するのが特徴で、その後ゼネラル・エレクトリック社(GE)が経営に取り入れ、無駄を排除して業務の効率化を図る「リーン生産方式」を組み合わせたリーンシックスシグマに発展させた。

「グリーンベルト」「ブラックベルト」はシックスシグマの手法を習得した人材を指す

シックスシグマを実際に組織に取り入れ運用させるために中心となるのは、専門機関によって認定された資格取得者。シックスシグマの資格は、その熟練度や役割によって「ホワイトベルト」「イエローベルト」「グリーンベルト」「ブラックベルト」「マスターブラックベルト」の5段階に分けられており、実際に問題解決のプロジェクトを導くためにはブラックベルト以上の資格が必須となる。

シックスシグマの試験は海外のみの開催。日本で取得するには、シックスシグマのコンサル会社が主催するセミナーや研修に一定期間通い、その会社独自の認定を受ける必要がある。

シックスシグマを導入する上で気を付けるべきことは?

シックスシグマは、特に大企業の品質・経営管理に適していると言われ、実際に導入した多くの企業が顧客満足度の向上や売上の増加といった効果を実証している。しかし、導入にあたってはいくつか注意すべき点も存在する。具体的な特徴やデメリットについて詳しく紹介しよう。

シックスシグマの特徴とデメリット

シックスシグマの中心となるのは、「DMAIC(ディーマイク)」や「DMADV(ドマドブ)」と呼ばれる活動手順だ。この名前はそれぞれの手順の頭文字を表しており、シックスシグマの基本とも言われるDMAICの場合、顧客の声を起点とし、取り組むべき課題や具体的な目標を定める「定義(Define)」、データを基に現状を把握する「測定(Measure)」、対象となるプロセスの問題点、原因を明確化する「分析(Analyze)」、問題を解説した理想のプロセスの設計と導入を行う「改善(Improve)」、新しいプロセスを継続的に実行するための対策を行う「定着(Control)」の5段階。

シックスシグマは、このように複数の手順を踏んで根本的な原因を特定し、解決していく活動であり、実行には多くの時間や手間がかかるのが難点。そのため、すでに根本原因がはっきりしている問題や、少しの改善を行うためだけに導入するのはあまり効果的ではない。

また、安定したプロセスを作成するための手順なので、継続したシステムを持たない一度きりのプロジェクトにも不向きだと言われている。

実際にシックスシグマを導入した企業の事例

日本でも、東芝やLIXILなど多くの企業がシックスシグマを導入している。中でも、シックスシグマをもとに自社独自のアレンジを行ったソニーの例を最後に紹介しよう。

ソニーのシックスシグマ

1997年にソニーがシックスシグマを導入した当初、対象となっていたのは製造業の品質改善のみだった。これは当時、製造部門以外の社員が事業の成果のみに注視する傾向があり、「なぜ売れたか」「具体的に何が良かったのか」というプロセスに関する認識が低かったことが大きな原因だった。

そこでソニーは、シックスシグマに「活動成果の整理・蓄積を行い、他部門と共有して正当な評価をする」という流れを組み込み、社員一人ひとりの判断力や指示力を高めるためのマネジメントツールとして再構築を行った。

これは「ソニーシックスシグマ」と呼ばれ、単なる品質改善のための手段ではなく、社員のマネジメント力を高めるツールとして徐々に浸透。このように、シックスシグマを効果的に導入するためには、それぞれの会社の現状や規模に合ったアレンジを行うことも時に重要となる。

文/oki

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