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手持ちで超望遠800mmが使えるオリンパスのマイクロフォーサーズ用超望遠ズームレンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 IS」

2021.02.23

■連載/ゴン川野の阿佐ヶ谷レンズ研究所

望遠に強いマイクロフォーサーズが本領発揮!

マイブームはカワセミ撮影ということで、仕事カメラとしても使っているOLYMPUS用の超望遠ズームレンズの導入を決めた。気軽に決められるのは2020年9月に発売された新型の超望遠ズーム「M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 IS」がPROレンズでないため、かなりのハイコスパだったから。実勢価格約14万円なのだ。これで200ー800mm相当のズームが手に入る。しかも防塵・防滴仕様で、レンズの切れ味抜群との評判も上々だ。ケースは別売だが、三脚座とフードは付属している。最短撮影距離はズーム全域で1.3mとこれまた驚異的だ。重量は三脚座なしで1120gと超軽量である。

合わせて1.4倍のテレコン「MC-14」とドットサイト照準器「EEー1」も入手した。これでカワセミ対策は万全。早速、キキちゃんを撮りに千葉に向かう予定を組んだ。

三脚座なし、フード付きで「OM-D E-M1MKII」に取り付けたボディ+レンズの重量は1789gだった

レンズ鏡胴にはフォーカスリミッター、AF/MF切り替え、手ブレ補正のON/OFFとズームのロックがある

ポートレートで試した「MC-14」は解像度が高くAFも快速

せっかくの超望遠レンズ、野鳥専用ではもったいないのでポートレートも撮りたい。そこで別件でお会いした亜希子さんにお願いして屋外で撮影。声を掛けられる距離まで引くと300mm〜400mmが使いやすく背景のボケも自然だった。絞り開放がシャープで1段以上、絞り込むと甘くなるという一般レンズとは逆の傾向があるため絞ってもいいのだが、シャッター速度が遅くなって動体ブレしたくないので、ブレない程度に絞って撮影した。ISO感度は800固定、1.4倍テレコンのMCー14を付けると開放絞り値は望遠端でF9になる。

これでも明るい日中の屋外なら問題なく手持ちで撮れる。さすが高級なテレコンで元のレンズの性能もいいため、1120mm相当で撮影しても解像度が落ちることなくテレコンを使ったとは思えない。2倍のテレコンは用意しなかったが、開放絞り値が望遠端でF13になるため使いこなしは難しくなるだろう。

広角端の200mm相当で撮影、背景が花壇であることが分かるくらいのボケが得られた
OLYMPUS OM-D E-M1MKII ED 100-400mm F5.0-6.3 IS 1/200sec F8+1.3 ISO800

300mm相当で撮影。瞳にキャッチライトが入りいい感じ、背景ボケもうるさくない
OLYMPUS OM-D E-M1MKII ED 100-400mm F5.0-6.3 IS 1/125sec F8.5+1.3 ISO800

1.4倍のテレコンバーター、MC-14を装着。対応レンズが限られているので要注意

テレコンを使って1120mm相当で撮影。ポートレートには使わない焦点距離だが解像度は抜群だった
OLYMPUS OM-D E-M1MKII ED 100-400mm F5.0-6.3 IS 1/200sec F9+1 ISO800

野鳥の撮影で役立つドットサイト照準器「EE-1」

次はカワセミを撮ろうと写真家、小平尚典氏と待ち合わせて千葉へと向かったのだが、なぜかカワセミのキキちゃんが飛ばない。ダイエット中なのか? 結局ダイブの瞬間は撮れなかった。前回はCanonのフルサイズミラーレスと100ー500mmのズームでカメラ込みの重さは約2kgだった。今回は200ー800mmで約1.7kgなので手持ち撮影が若干、楽になった。

超望遠ズームは望遠端の描写が甘くなるという先入観があったが、これはPROレンズかと思わせるほど解像感にムラがなく、200mmから800mmまで色収差や歪みも抑えられ、望遠端の絞り開放でやや周辺光量落ちのあるものの快適に撮影できた。また、レンズ内手ブレ補正機能も優秀で、ボディ側の手ブレ補正と連携できないが何の問題もなかった。

動きの早いカワセミに対応するためドットサイトEE-1も購入した。これはもともとハンドガンまたはアサルトライフル用で、赤い点をターゲットに向けるだけで狙いが定まる光学照準器である。サバゲーをやっている人にはお馴染みのアレだ。両目を開けたまま使え、明るい所でも見やすいのが特徴。本物を改造してカメラに取り付けている野鳥カメラマンは以前からいたのだが、OLYMPUSがカメラ用にホットシューマウント差し込める製品を発売してくれた。価格も1万円台とお手軽になった。本物のドットサイトは5万円から10万円超えもある高級品だったのだ。

ドットサイトはゼロインという調整が必要で、カメラボディに付けたら三脚で固定して使うレンズを装着、上下にドットを移動する2つの調整ダイヤルを回してセンターを合わせる必要がある。厳密にいえば距離によっても誤差が出るので、よく使う距離の被写体を使って合わせるのがベストだ。分からなければ10mで合わせておこう。また、撮影してみて、誤差を感じたら、現地で微調整すればいい。折りたたみ式で防滴構造、電源はCR2032で通常の撮影なら1年以上使えると思う。明るさ調整機能付きのON/OFFダイヤルがあり、フタを閉めると電源は自動的にOFFになる。ちなみにOLYMPUS以外カメラにも使えるので、野鳥や動きの早い被写体を撮影する人にはオススメ。

電池込みで72.2gと軽量なのでカメラに付けたままで違和感なし、移動時は折りたためる

液晶モニターは見ずにドットサイトを信じてシャッターを切るのがコツだ
OLYMPUS OM-D E-M1MKII ED 100-400mm F5.0-6.3 IS 1/400sec F11 ISO400

基本は連写モードにしてAF-Cを使う。450mm相当で撮影
OLYMPUS OM-D E-M1MKII ED 100-400mm F5.0-6.3 IS 1/400sec F11 ISO400

カワセミのキキちゃん登場。いつもの枝ではなく石の上に止まった。800mm相当で撮影
OLYMPUS OM-D E-M1MKII ED 100-400mm F5.0-6.3 IS 1/400sec F13 ISO800

800mmでテレマクロ的に撮影。背景は完全にボケるので被写体が浮かび上がる効果もある
OLYMPUS OM-D E-M1MKII ED 100-400mm F5.0-6.3 IS 1/250sec F11+1 ISO400

マイクロフォーサーズなら超望遠ズームレンズの機動力が抜群!

普段は絶対に使わない200ー800mm相当のズームレンズだが、野鳥を撮るにはすこぶる快適だ。同様に航空機や列車など近寄れない被写体に威力を発揮してくれそうだ。一眼レフの時代に800mmと言えばNikonなら重さ4.59kg、希望小売価格235万4000円(税込)で、Canonは重さ4.5kg、192万5000円(税込)という特殊レンズしかなかった。シグマのSportsシリーズに150ー600mmのズームレンズがあるが、重さ2.86kg、25万9000円(税別)である。

それが焦点距離がフルサイズの2倍換算になるマイクロフォーサーズなら、重さ1.12kg、実勢価格約14万円で200ー800mmが入手できるのだ。さらにテレコンを使えば手持ちで1000mm超の焦点距離で撮影できる。このレンズのためにカメラボディまで買ったとしてもハイコスパと言える。実際に撮影する場合も軽さが武器になる。汎用のソフトケースに入れればかさばらずデイパックやショルダーバッグに収納できる。弱点はセンサーサイズが小さいので高感度で画面が粗くなることだ。動かない被写体なら強力な手ブレ補正機能を使ってスローシャッターが切れるのだが、動きの早い被写体ではお手上げになる。それ以外のシーンで「M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 IS」は威力を発揮する機動性の高い超望遠ズームレンズと言える。画質だけで言えば単焦点PROレンズの「M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO」の方が優れているが、ほぼ同じサイズでズームが使えるのは非常に便利でメリットは大きい。

写真・文/ゴン川野

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