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脱炭素社会に向けた取り組みとしてよく使われる言葉「カーボンニュートラル」とはどんな意味?

2021.03.26

『カーボンニュートラル』とは、自然界において炭素量が一定に保たれている状態です。脱炭素社会を実現するために、世界中でさまざまな取り組みが進められています。カーボンニュートラルの基礎知識について解説し、日本や企業の取り組みを紹介します。

カーボンニュートラルとは?

カーボンニュートラルとは、炭素の化合物である二酸化炭素の吸収量と排出量を均衡させ、地球上の炭素の総量を変化させないようにする考え方です。

二酸化炭素は化石燃料の使用や生物の呼吸などにより大気中に放出される一方、植物が光合成で取り込んだり海面から吸収されたりしています。

排出量から吸収量を差し引いてゼロになれば、カーボンニュートラルが達成できている状態です。

地球温暖化を抑制するための取り組み

温室効果ガスである二酸化炭素の排出量が吸収量を上回ると、大気中の炭素濃度が上昇し、地球温暖化の原因になります。

地球環境を守るために、二酸化炭素の排出量を削減する世界的な取り組みとして進められているのが『カーボンニュートラルの実現』です。

日本では、温室効果ガスの排出量を吸収量と同レベルにまで引き下げる脱炭素社会を、2050年までに達成することを目指すと宣言しています。

出典:環境省_2050年カーボンニュートラルの実現に向けて

カーボンオフセットとの関係

企業や個人が二酸化炭素をできるだけ出さないように努力しても、温室効果ガスの排出量はなかなかゼロにはできません。

削減努力をしながらも、経済活動や日常生活を進める上で排出されてしまう部分の削減を代行してもらうために、環境保全活動などへ投資・募金することを『カーボンオフセット』といいます。

カーボンニュートラルは、カーボンオフセットの取り組みをさらに進めたものです。欧米では活発にカーボンオフセットへの取り組みが行われており、日本でも民間企業の活動が広がり始めています。

出典:環境省_カーボン・オフセット

実現に向けた日本の取り組み

地球規模でのカーボンニュートラル実現に寄与すべく、日本でもさまざまな取り組みが進められています。技術革新・二国間クレジット・グリーンプロジェクトについて理解しておきましょう。

さまざまな分野での技術的なイノベーション

カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みとして、石油やガスなどの化石燃料から、太陽光や風力などの『再生可能エネルギー』への転換が図られています。

水素電池の活用・炭素資源を再利用する『カーボンリサイクル』、植物由来の素材『セルロースナノファイバーの使用』なども近年注目されている取り組みです。

これらの技術的なイノベーションは、自動車産業や電力業界をはじめさまざまな分野で推進されており、日本政府も各種制度を設けることで、積極的なサポートを試みています。

二国間クレジット制度

温室効果ガスの削減が困難な途上国へ、低炭素技術やインフラを提供し、パートナー国での成果を自国でも分け合って評価するのが『二国間クレジット制度(JCM)』です。

地球規模での二酸化炭素排出削減に先進国として貢献でき、パートナー国での成果(クレジット)をカウントすることで、自国の削減目標達成にも活用できます。

日本が二国間クレジット制度を構築している国は、アジアやアフリカなどの途上国17カ国です。パートナー国への支援事業に対する設備補助制度も設けられており、今後のさらなる活用を促進しています。

出典:二国間クレジット制度(JCM)|外務省

グリーンプロジェクトに限定した資金調達

脱炭素社会に向けた開発や活動に必要な資金を調達するために、環境省では『グリーンファイナンス』を推進しています。

グリーンファイナンスとは、環境問題の解決を図るための開発や活動全般を指す『グリーンプロジェクト』に限定した金融システムです。

環境省が設立した『一般社団法人グリーンファイナンス推進機構』では、グリーンプロジェクトに対する事業支援やグリーンプロジェクトへの投資目的の公債・社債の発行支援が行われています。

金融機関の融資先や、投資家の投資先がグリーンプロジェクトに限定されるため、環境改善のための資金が集まりやすくなるのです。

出典:グリーンファイナンスポータル

脱炭素社会に向けて挑戦する企業

(出典) photo-ac.com

カーボンニュートラルの実現には、企業による取り組みも重要です。日本や世界で進められている企業の挑戦を紹介します。

日本企業が参加する「チャレンジ・ゼロ」

企業や団体が脱炭素社会に向けたイノベーションに挑戦できる仕組みとして、経団連は日本政府の支援を受けながら『チャレンジ・ゼロ』というプロジェクトを推進しています。

チャレンジ・ゼロでは、参加企業が異業種や研究機関などと連携しながら、積極的な技術開発や社会実装に挑戦できます。金融機関や投資家が社会問題への取り組みを重視して投資先を選ぶ、『ESG投資』を呼び込めることもメリットです。

チャレンジ・ゼロに参加している企業や団体の数は、2021年2月時点で179に及んでいます。

出典:チャレンジ・ゼロ – イノベーションを通じた脱炭素社会へのチャレンジ –

世界中の大手企業も動き出している

Google・Amazon・マイクロソフトなど世界的な大手企業も、カーボンニュートラルに取り組んでいます。

冷房システムにおけるエネルギー消費量の30%削減を達成しているGoogleは、07年からカーボンニュートラルを維持し続けている企業です。

Amazonでは、商品輸送での二酸化炭素排出量を30年までに50%削減するという目標を掲げ、40年までのカーボンニュートラル実現を目指しています。

12年に既にカーボンニュートラル達成済みのマイクロソフトは、二酸化炭素の吸収量が排出量を上回る『カーボンネガティブ』に向けて動き出しています。

出典:カーボンフリー エネルギー | Google のサステナビリティへの取り組み
出典:アマゾン「2040年までにカーボン・ニュートラルを実現」 | junglecity.com
出典:2030 年までにカーボンネガティブを実現 – News Center Japan

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