『金のなる木』は丈夫で育てやすく、初心者でも比較的簡単に育てられる観葉植物です。頻繁な水やりは必要ないので、あまり世話をしなくてもよい植物を探している人にぴったりでしょう。基本の育て方や花言葉などをチェックしていきます。
金のなる木とは?
『金のなる木』は、園芸店の観葉植物コーナーでよく見かける植物です。変わった名前に興味を持ったという人も多いのではないでしょうか。金のなる木の基本情報を紹介します。
肉厚で丸い葉が特徴の多肉植物
『金のなる木』は、南アフリカ原産の多肉植物で、ベンケイソウ科に属する多年草です。葉や茎に水分を溜めておける特徴があり、肉厚で丸みのある形の葉を持っています。
他の多肉植物同様に、世話に手間が掛からないところが魅力です。頻繁な水やりを必要としないので、忙しい人でも簡単に育てられます。
環境さえ合っていれば、ほぼ1年中緑色の葉を見せてくれるでしょう。秋になると紅葉を楽しめる品種もあります。
縁起のよい花言葉を持つ
金のなる木と聞いて、縁起のよさを感じる人は多いでしょう。花言葉も『幸運が舞い込む』『一攫千金』などのよい意味があり、贈り物として利用されることも少なくありません。
本来の名前は『フチベニベンケイ』といいます。ふっくらとした葉の形がコインのように見えることから、金のなる木と呼ばれるようになりました。
他にも、新芽が小さなうちに五円玉などの穴の空いた小銭を通して育てると本当に金がなっているように見えることなどが、名前の由来となっています。
基本的な育て方
簡単に育てられるといっても、基本の育て方を守ることは大事です。置き場所や育て方のポイントを紹介します。
日当たりのよい場所で育てる
金のなる木は、日当たりがよい場所に置いて育てることが基本です。
丈夫なので少しくらいの日陰なら耐えてくれますが、1日中日差しが届かない場所では枯れてしまいます。日当たりをあまり確保できない場合、時々日当たりのよい窓辺や屋外に移動させ、日光浴をさせましょう。
日差しが足りないと、枯れないまでもヒョロヒョロと間延びした姿に生長してしまうので注意が必要です。もし葉が落ちてきたら、置き場所や管理方法に問題があるといえるでしょう。
生育に適した温度は?
金のなる木は暑さに負けない植物ですが、湿度が高い状態にはやや弱いので、夏は高温多湿を避けます。風通しが悪いと、蒸れて弱ってしまうことがあるでしょう。
多肉植物の中には低温に弱い種類もありますが、金のなる木は寒さにも耐久性があります。ただし、もともと温かい場所に生育している植物なので、『3度以下』になる場所には置かないようにしましょう。
花を咲かせる方法
生育環境が合っていて株が充実してくると、秋の終わりごろから冬にかけて花を咲かせます。うまく育てれば、白や薄いピンク色の花が見られるでしょう。
大きな株に生長するといくつもの花が寄り集まって、見ごたえのある様子を楽しめます。小さな星型の花が固まって咲く様子はかわいらしく、植物を育てる喜びを大きく感じさせてくれるはずです。
日照時間が足りなかったり、水やりの回数が多すぎたりすると花は咲きません。なかなか花が咲かない場合は、育て方を見直してみましょう。
上手に育てるコツ
金のなる木は丈夫で手間が掛からない植物ですが、観賞価値を保つにはちょっとしたコツが必要です。上手な育て方を見ていきましょう。
寒くなったら室内へ
上手に育てるには、季節によって置き場所を変えることがポイントです。最低気温が『5度前後』になるころを目安に、室内に取り込みます。0度以下では枯れてしまうため注意しましょう。
室内に取り込んだら、日当たりのよい場所に置きます。日中は南向きの窓辺などの暖かい場所で管理し、気温が下がる夜間は窓のそばから少し離すのがおすすめです。
水のあげすぎに注意
金のなる木が枯れる原因で多いのが、水のあげすぎです。水やりの回数が多いと、最悪の場合『根腐れ』を起こし枯れてしまいます。
上手に水やりをするには、土の状態を見ることがポイントです。『土の表面が完全に乾いた状態』になってから水をあげましょう。冬場は土が乾いてからすぐではなく、数日置いてから水やりをし、冷え込みが厳しい季節には水やりは控えます。
一度に与える水の量を少なくするのではなく、水やりの頻度を控えることが大事です。与えるときは鉢底から水が流れるくらい、しっかりと与えます。受け皿に溜まった水は放置せずに捨てましょう。
金のなる木を増やしてみよう
金のなる木は、初心者でも比較的簡単に増やせる植物です。育てるのに慣れてきたら、挿し木や葉挿しに挑戦して増やしてみましょう。
挿し木・葉挿しの方法
金のなる木は『挿し木』や『葉挿し』で増やせます。おすすめの時期は4~11月ごろです。
挿し木は枝の先を15cmくらい切り、土に挿しておく方法です。切った枝は『挿し穂』と呼びます。挿し穂の根元の葉を落とし、切り口をよく乾かしてから多肉植物用の土に挿すだけなので簡単です。
葉挿しは切り取った葉の根元を乾かし、多肉植物用の土に浅く挿して増やします。根元から新しい葉が出てくれば、根付いた合図です。
どちらの方法も、根が出てくるまでは水を与えないようにしましょう。
日当たりがよすぎる場所に置くと、水分の蒸発が激しくなり、失敗してしまうことがあるので、日中の数時間だけ日差しが当たる『半日陰』で管理するのがポイントです。
構成/編集部