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「再生可能エネルギー」とは具体的にどんなエネルギーを指す?

2021.03.25

『再生可能エネルギー』は、化石燃料に代わるエコでクリーンなエネルギーです。地球温暖化対策の切り札として注目され、日本も積極的な導入を目指しています。再生可能エネルギーとはどのようなものなのか、概要や導入のメリット、課題などを紹介します。

再生可能エネルギーとは

2020年10月の臨時国会において、菅内閣総理大臣は『50年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにすること』の実現を目指すと宣言しました。

目標実現の成否を握るといわれるのが『再生可能エネルギー』です。再生可能エネルギーとはどのようなものなのか、概要を見ていきましょう。

繰り返し利用できるエネルギー

再生可能エネルギーとは、比較的短期間での再生が可能なエネルギーです。資源の枯渇を心配する必要がなく、永久的に使えるものを指します。

政令で再生可能エネルギーとして認められているのは、以下のものです。

・太陽光:太陽の光エネルギーを電気に変換
・風力:風車の回転エネルギーによって発電機を稼働させ電気を生み出す
・水力:水の落下による位置エネルギーを利用して水車を回転させ、電気を生み出す
・地熱:地下1000~3000mの場所から汲み上げた蒸気や熱水でタービンを回して電気を生み出す
・太陽熱:太陽の熱エネルギーを利用
・バイオマス:生物資源(バイオマス)を直接燃焼・ガス化することでタービンを回し発電
・大気中の熱その他の自然界に存する熱:雪や氷の冷熱エネルギー、大気熱などを利用

このうち最も広く普及しているのは『太陽光発電』ですが、エネルギー変換効率は風力発電や水力発電の方が高いといわれます。一方、地熱発電は設備利用率が高く、安定性の確保に有益です。

また、バイオマスは利用形態や利用される状況が多岐にわたり、『循環型社会』への貢献も期待されています。なお、雪や氷、大気熱なども再生可能エネルギーの利用形態の一つですが、発電には使われません。

出典:1.2.1 再生可能エネルギーをめぐる諸情勢 │ 資源エネルギー庁

注目される背景には地球温暖化

化石燃料の多用によって大気中の炭素濃度が上昇し、地球の気温も上昇しています。今や地球温暖化の問題は世界が取り組むべき課題です。

2015年、約200カ国合意の下『パリ協定』が採択されました。これは『産業革命以前と比較して世界の平均気温上昇を2度(1.5度未満)に抑えること』を目標とした条約です。

目標を実現するには、50年までの『カーボンニュートラル』が必要とされます。カーボンニュートラルとは、大気中のCO2の排出量と吸収量を同じにし、実質『ゼロ』とすることです。

現在、世界の国々は化石燃料を再生可能エネルギーに置き換えることで、CO2を排出しない『脱炭素社会』を目指しており、これはもちろん日本も例外ではありません。

出典:総論|再エネとは|なっとく!再生可能エネルギー

再生可能エネルギーで期待されること

再生可能エネルギーの利用は、自国資源の乏しい日本にはさまざまなメリットがあります。どのような効果が期待されるのか、具体的に見ていきましょう。

温室効果ガスの削減

再生可能エネルギーを活用しても、CO2は排出されません。世界的な地球温暖化対策が急務とされる今、再生可能エネルギーの活用は、温室効果ガスの削減に大きく貢献すると期待されています。

パリ協定において、日本は『2030年度の温室効果ガスの排出を、13年度の水準から26%削減する』という目標を定めました。

日本の温室効果ガスの約9割は、化石燃料などのエネルギーに由来するものです。化石燃料をうまく再生可能エネルギーに置き換えることができれば、削減目標の達成は不可能ではありません。

出典:「パリ協定」のもとで進む、世界の温室効果ガス削減の取り組み② ~日本の目標と進捗は?|スペシャルコンテンツ|資源エネルギー庁

緊急時の電力を確保

再生可能エネルギーの多くは比較的小規模で、さまざまな地域に分散しています。万一、大規模な災害が発生しても、エネルギー源としての継続的な利用が期待できるのです。

太陽光発電は、東日本大震災において有益性が確認されました。災害による停電の中でも、多くの人が住宅用に設置された太陽光発電によって電力を活用できたといわれています。

通常の電力系統から分離していた風力発電所も、他地域が停電する中、継続的に電気を供給できたそうです。

エネルギー自給率の上昇

日本はエネルギー供給の約8割を化石燃料に頼っています。資源の大部分は海外からの輸入のため、エネルギー自給率は著しく低く、2018年時点で11.8%しかありません。これはOECD(経済協力開発機構)35カ国中34位です。

自給率が低いと、エネルギー源の確保が国際情勢に左右されやすくなります。

例えば、日本は現在原油輸入の約92%を中東に依存している状態です。中東情勢が不安定になれば、エネルギーの安定的な確保は難しくなるかもしれません。

一方で、太陽光や水力などの再生可能エネルギーは、全て国産です。エネルギー自給率を高められれば、日本のエネルギーセキュリティーは大きく向上するでしょう。

出典:2020—日本が抱えているエネルギー問題(前編)|スペシャルコンテンツ|資源エネルギー庁

再生可能エネルギー普及の鍵「FIT」

FIT(フィット)とは『Feed-in-tariff(フィードインタリフ)』を略したもので、『固定価格買取制度』とも呼ばれます。

再生可能エネルギーに参入する事業者の増加と、再生可能エネルギーの普及を目指して制定され『電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法(FIT法)』の下、2012年にスタートしました。

固定価格買取制度「FIT」の仕組み

FITの導入で、再生可能エネルギーで作られた電気は電力会社が購入することとなりました。買取金額・期間は固定されており、エネルギーごとに異なります。金額は毎年調整が行われ、全国どこでも同料金です。

再生可能エネルギーによって生み出された電力は、他の電力より高値で購入されます。

国民は買取費用の一部を負担し、電力会社が買い取った再生可能エネルギーの量に応じて、毎月一定の『再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)』を電気料金に上乗せして支払う仕組みです。

買取対象となる再エネは?

FITで買取対象となる再生可能エネルギーは、『太陽光』『風力』『水力』『地熱』『バイオマス』の五つです。

買取対象となるには、『国が定める要件を満たす事業計画を策定すること』『その計画に基づいて発電を始めること』が必須です。

それぞれのエネルギーの特徴は以下になります。

・太陽光発電:定期的にメンテナンスが必要。天候に左右される
・風力発電:広い土地が必要。昼夜問わず発電できる
・水力発電:中小規模の場合は割高。安定して長期間の運転が可能
・地熱発電:開発期間が長く、高額。出力が安定している
・バイオマス発電:原料の収集や管理にコストが掛かる。天候などに左右されにくい

いずれも『全量買取』が基本ですが、家庭用太陽光発電などで得た10~50kWの電気は例外です。まずは自身で電気を消費し、余剰分が買取対象となります。

出典:制度の概要|固定価格買取制度|なっとく!再生可能エネルギー|資源エネルギー庁

再生可能エネルギーの導入には課題もある

メリットの多い再生可能エネルギーですが、主たるエネルギー源として活用するには解決しなければならない課題がいくつかあります。再生可能エネルギーの課題をコスト・安定性・設備の面から見ていきましょう。

コストが割高

日本における再生可能エネルギーの発電コストは、諸外国と比べて割高といわれます。例えば、欧州では非住宅向け太陽光発電システムの費用は日本の1/2です。

FITでは、電力買取費用の一部は国民が負担することとしています。発電コストが高いまま導入率を高めてしまうと、国民への負担増大は避けられません。

再生可能エネルギーを増やしていくとなると、発電コストを下げて国民負担を抑える必要があるでしょう。

発電量が不安定

基本的に電気は、大量に貯蔵できません。質が落ちないよう、使用量と供給量を同じにする必要があります。

しかし、再生可能エネルギーの多くは、自然現象をエネルギー源とするものです。発電量のコントロールが難しく、供給できる電気量は季節・天候・時間などでバラつきがあります。

主要エネルギーとして導入率を上げても、作りすぎた電気を貯めたり足りない電気を補ったりする仕組みが必要です。

現在主流の火力発電や原子力発電は、比較的簡単に電気の出力を調整できます。電気の使用量と発電量のバランスを崩さないよう、再生可能エネルギーとうまく組み合わせていく必要があるでしょう。

電力系統の制約

電力系統とは、発電や送電に使われる電気設備が構成するシステム全体を指します。日本の電力系統は、電力会社が作った発電所と電力需要のある場所を結んで作られました。

ところが、大規模な電力系統が確立されているエリアと再生可能エネルギーの電源となり得るエリアは、必ずしも一致しません。

既存の電力系統と再生可能エネルギーの電源エリアをつなぐには、新たに電力系統を増強していく必要があります。

そのためには、莫大なコストと時間が必要です。再生可能エネルギーの導入率を高めるには、既存の電力系統をいかに活用するかが重要なポイントでしょう。

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