転落事故で下半身不随になった女性とその家族を一羽の野鳥が救った、感動の実話に基づく映画『ペンギンが教えてくれたこと』。
Netflixで2021年1月27日より独占配信中の本作は、オーストラリアを舞台に製作された。
主演は、『マルホランド・ドライブ』、『ザ・リング』シリーズのナオミ・ワッツ、『ウォーキング・デッド』のアンドリュー・リンカーン。
原作は、主人公の夫キャメロン・ブルームと作家ブラッドリー・トレバー・グリーヴによるノンフィクション『ペンギンが教えてくれたこと ある一家を救った世界一愛情ぶかい鳥の話』。
あらすじ
オーストラリア。家族旅行先のタイを観光中に建物から転落し、下半身不随となったサム・ブルーム(ナオミ・ワッツ)。自然とスポーツと旅をこよなく愛してきた彼女にとって、自分の意志で思い通りに動けない生活は耐えがたいものだった。
夫キャメロン(アンドリュー・リンカーン)と3人の息子たちはサマンサを励ましながら懸命に支えようとするが、サムは気持ちの落ち込みから抜け出せずにもがき苦しんでいた。
ある日、息子のノアがケガをして飛べないカササギフエガラスを拾ってきた。白黒の見た目から、一家は“ペンギン”と名付けて飼育することにする。
見どころ
野鳥であるカササギフエガラスがブルーム家にもたらした奇跡は、まるでおとぎ話のようでもある。
小さなペンギンは特別何かの役に立っているわけでもなく、ただ“そこにいるだけ”。むしろブルーム家にとっては、手が焼ける存在だ。
でもペンギンがいるだけで、ペンギンに必要とされるだけで、サムの体には底知れぬエネルギーが湧き上がってくる。
以前のように夫や子どもの世話を焼くことができなくなり、「私はただの役立たずよ」と号泣していたサム。
突然ブルーム家にやってきたペンギンは、生きているだけで大切な人の心を温めることができるのだということをサムに教えてくれた。
誰かから必要とされることは、誰かの命のぬくもりを傍で感じるということは、こんなにも生きる希望を与えてくれるものなのだろう。
そしてオーストラリアの雄大で美しい風景も大きな見どころのひとつ。水彩画のように色彩鮮やかな自然に、柔らかな光が降り注いでいるシーンがとても多い。
登場人物たちが悲しみや怒りを爆発させるシーンですら、映像は明るく穏やかだ。まるでオーストラリアの豊かな自然がブルーム家を優しく包み込み、見守っているようにも見えた。
Netflix映画『ペンギンが教えてくれたこと』
独占配信中
文/吉野潤子