新型コロナウィルス感染拡大の影響により、ビジネスパーソンのメンタルヘルスにはどのような変化を及ぼしたのか。
ヘイズは1,800人以上の世界の社会人を対象に新型コロナウィルスによる影響が長期化する中、メンタルヘルスや健康状態、これに対する勤務先の支援状況について調査した。
テレワーク中の社員のメンタルヘルスに配慮する4つのポイント
1.交流の機会を継続的に設ける
部下と対面でコミュニケーションする機会を継続的に持つこと。オンライン会議システムを活用しても構わない。部下が心配事や不安があるときは、いつでも相談出来るようにしておくことが大切だ。
定期的に顔を合わせることが出来ない時期には、こうした取り組みが一段と重要になる。仕事の話題だけでなく、部下の健康状態をチェックしたり、現在の状況や、それにどのように対処しているかなどを確認しても良いだろう。
2.社員が示す「サイン」に注意する
昨今のように深刻な状況下では特に、部下のストレスを見抜けるよう訓練しておく必要がある。ストレスの兆候は、仕事に対するフラストレーションや同僚に対する心理的な距離、精神的疲弊による活力不足といった形で現れることがあるが、テレワーク勤務の環境下ではこれらに気付くことが一段と難しくなるためだ。
3.部下の相談相手になる
会社にとって大切なのは社員が心身共に健康であること、また、必要なときは相談してほしいということを部下に伝えよう。こうした配慮は部下の健康にも良い影響をもたらし、上司に相談しても問題ないと部下に認識してもらうことにも繋がる。また、勤務先ではどのような支援体制を整えているのかを確認し、必要時には部下にアドバイス出来るようにすること。
4.一人一人の社員に適した配慮を行う
部下はそれぞれ異なる経験をし、異なる考え方を抱いて職場に戻ってくる。上司はこれを理解し、部下の健康やメンタルについて画一的に対応することは避けたほうがいい。
今大切なのは、社員を気遣う姿勢を示し、社員がそれぞれ自分の課題にどのように向き合っているかを理解し、必要に応じて個別に支援することだ。現在は、こうした姿勢がかつてないほど求められる時代になったのだ。
コロナ禍が続けば、社員のメンタルや健康への悪影響が一段と懸念される。企業に求められているのは、この困難な時期に全力で社員を支援することであると言っても良い。
日本では以前から精神衛生を取り巻く環境が社会問題となっているが、今回の新型コロナウィルス感染拡大によりこの傾向はさらに深刻化している。
一方、今後はテレワークやハイブリッド勤務(テレワークと出勤を使い分ける勤務形態)を恒久的に導入する企業が多数に上ることも見込まれ、企業にはこれまで以上にテレワーク中の社員への配慮が求められている。
構成/ino.