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「推敲」と「校正」「添削」との違いとは?

2024.04.23

資料や報告書を書く時、「意味が伝わりづらいから推敲して」と言われた経験はないだろうか。「推敲」は文章をより良くするために行うものだが、そもそもどんな意味なのか、具体的にどのようなことをすれば良いのか分からない人も多いのでは。

そこで本記事では、推敲という言葉の由来や類語、実際に行う時に気を付けたいポイントなどを解説する。文章を書くのが苦手な人はぜひ参考にしてほしい。

「推敲」とはどういう意味?

はじめに、「推敲」の意味について正しく理解しておこう。由来となった故事成語や、近い意味を持つ「校正」「添削」との違いも併せて紹介する。

意味は「文章をよりよい表現へわかりやすく作り直すこと」

推敲の意味は、文章を自分で何度も練り直し、より良い表現にしていくこと。推敲自体にも”繰り返し行う”というニュアンスが含まれているが、「推敲を重ねる」という表現も誤りではなく、むしろ「念入りに時間をかけて何度も推敲した」と、さらに強調した意味合いになる。

英語で表現する場合は「polish」や「refine」「improve」を使う。共通して磨く、改善するという意味を持った単語で、どれを使っても構わない。

「推敲」の由来は中国の故事成語

推敲の「推」とは、「物体を物理的に叩いて前に前進させる」という意味を持ち、「敲」は「叩く、打つ」の意味を持つ。似た意味を持つ漢字を組み合わせた熟語で、中国の古典「唐詩紀事(とうしきじ)」に記された逸話に由来する故事成語だ。

唐の時代、中国のある詩人が、ふと思いついた詩の一文に「推」を使うか「敲」を使うかで悩み、考えに没頭するあまり役人の列に突っ込んでしまった。捕らえられた詩人が役人に顛末を話したところ、漢語の大家でもあった役人が「敲の方がいいだろう」と助言をした。

この話の内容を基にして、「文章をよりよいものにするために考えること」を「推敲」と呼ぶようになった。

推敲の類語は?似ている表現、校正、添削との違いは何?

推敲と良く似た言葉に、「校正」「添削」がある。どちらも「文章を直す」という意味では同じだが、校正は文章そのものを変えるのではなく、元となる原稿と照らし合わせて表記の間違いや誤字脱字を修正すること。添削は他人の文章を修正することを指し、自分の文章に対しては使わない表現だ。

実際に推敲する上で気をつけるポイント

チェックリストと赤ペン

文章を推敲する際に考慮するべきポイント

では、実際に文章を推敲する際、どんなことに気を付ければいいのか、そのポイントをいくつか紹介しよう。文章を書く時の基本となる部分なので、ぜひ押さえておきたい。

文章の適切な長さを考える

まず意識したいのが、文章の長さ。無駄な表現はできるだけ削り、シンプルで短い文章にすることが推敲の第一歩だ。文章は、書き出しから句点(。)までが一文。わかりにくい文章は、文章の途中で読点(、)が多く入り、一文が長い傾向にある。

例文)今回行ったキャンペーンは、多くのお客様には満足度が高かったという声を頂きましたが、当日になって人員が足りなくなってしまったことや、最初に予定していた納品数が初日になかなか届かず、後日の納品になってしまい、そのせいでお客様にご迷惑をおかけするかたちとなってしまったことが反省点です。

一文の長さをだいたい50~70文字以下の短い文章で区切るように意識すると、自然に不要な表現は省かれ、ぐっと読みやすくなる。

例文)今回のキャンペーンは、多くのお客様に高評価を頂きました。しかし、当日の人員不足や、予定納品数の欠品が原因で、お客様にご迷惑をおかけするかたちになってしまったことは反省点の一つです。

短く表現できるものを言い換えたり、なくても意味が通じるものは思い切って削除するのが文章を短くするコツだ。また、以下の点を意識して書いた文章を読み直してみよう。

【推敲する際のポイント】

・伝えたい内容は一文につき一つ。二つ以上になりそうなら一度区切って二つの文にする。
・主語と述語の数を合わせる。できればそれぞれ一つずつが望ましい。
・主語と述語、修飾語と被修飾語が離れすぎていると意味がわかりづらい。離れているようなら順番を変えてなるべく近くに配置する。
・同じ表現や漢字を短い間に何度も使っていないかを確認する。特に意図がない限り、繰り返しは冗長な印象を与えてしまう。

読み手に伝わりやすい文章になっているかチェックする方法

書類をチェックする女性

自分が書いた文章は、なかなか客観的に見ることができず、気づきにくい部分もたくさんある。最後に、自分の文章をチェックする際におすすめの方法を紹介したい。

声に出して読む

読み手は、文章を読むときに頭の中で無意識に音読していることが多く、文章のリズムが単調だったり違和感があったりすると”読みづらさ”を感じてしまう。自分で声に出して読んでみることで、文章全体のリズムがつかみやすくなる。句読点の位置も意識しながら、文章のつながりや長さをチェックしてみよう。

少し時間を置いて読む

完成した文章は、ある程度の時間を置いてから再度読み返すと冷静な目で見ることができる。書いている時にはわからなかった表現の間違いや誤字脱字に気づきやすくなるはずだ。できれば1日~2日以上間を空け、細かい表現や内容を忘れた頃に読み返すと良い。

AI、アプリを利用する

推敲する際、「文賢」や「文章チェッカー」のような校正ツールやアプリを用いるのも一つの選択肢。無料で利用できるものも多く、サービスごとにメリット、デメリットがあるので複数組み合わせて使うとより効果的だ。

文/oki

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