スマートフォンの機種変更をする際、「MVNO」や「MNP」という単語を耳にしたことはないでしょうか。特にMVNOは、キャリアの料金プランが値下げされるニュース内でも聞き覚えがあるかもしれません。
では、具体的に「MVNO」や「MNP」とは何を指す言葉なのでしょうか。後半では、代表的なMVNO会社の料金や特徴についても紹介していきます。
「MVNO」「MNP」ってなんのこと?
まずは、「MVNO」や「MNP」といった用語について解説していきます。似たような字面ですが、意味は全く違うものです。
「MVNO」=格安SIM会社!?
「MVNO」は、日本語にすると「仮想移動体通信事業者」のことで、携帯電話などの無線通信インフラを、他社から借り受けてサービスを提供する事業者のことです。
最近よく耳にする「格安SIM」を提供している会社の総称、ととらえてもらえれば問題ないでしょう。
つまりMVNO会社は、回線をキャリアから借り、それをユーザーに提供している会社で、実店舗をほぼ構えないことで人件費を削減し、低価格でサービスを提供するという特徴があります。
MVNO会社は「mineo」や「IIJmio」など多数存在します。それぞれでサービス内容や料金が異なるので、自分の携帯電話の使い方に合った会社・プランを選ぶのがポイントになります。
ちなみに、ドコモ・au・ソフトバンク・楽天モバイルの4キャリアは「MNO」と呼ばれています。
「楽天モバイル」や「LINEモバイル」はもう「MVNO」ではない?
MVNO会社の1つとして有名だった「楽天モバイル」は、2020年にドコモ・au・ソフトバンクに次ぐ“第4のキャリア”として名乗りを上げました。
そのため、MVNOとしての楽天モバイルは現在新規受付を停止しています。
また、こちらもMVNO会社の1つだった「LINEモバイル」は、ソフトバンクの完全子会となり、ソフトバンクの新プラン「Softbank on LINE(仮称)」を提供するため、2021年3月31日、11時をもって新規受付を停止します。
【参照】LINEモバイル 公式ブログ
MVNOとしての楽天モバイル、LINEモバイルを現在利用している人は、新規受付終了後も継続して利用することができるので、急いで乗り換える必要はありません。
「MNP」は「乗り換え」を意味する!
「MNP」とは「携帯電話番号ポータビリティ」のことで、“電話番号はそのままで別の通信会社に乗り換える”ことを指します。
例えば、現在ドコモで利用している電話番号を、そのまま乗り換え先のauで利用するというもの。会社ごとに電話番号を変える必要がない、便利なサービスです。
MNPの手続き方法は各通信会社によって異なるので、それぞれのHPを確認しましょう。
ドコモの「ahamo」やauの「povo」はMVNOなの?
最近大きな話題を呼んでいる、ドコモの「ahamo」やauの「povo」。2000円台で月々のデータ通信量が20GBと格安の設定に加え、オンライン専用であることから、MVNOにも見えますが、実はそうではありません。
あくまでahamoはドコモの、povoはauの1つのプランという位置づけになっています。それぞれ2021年3月からプランの提供を開始予定で、キャリア間でのプラン変更手数料はかかりません。
現在使い放題のプランを契約しているけど、月に20GBも使わないという人にはおすすめのプラン。ただし、店舗でのサポートは基本的になく、契約はオンラインで行うものなので注意して下さい。
【参照】ahamo公式HP
【参照】povo公式HP
MVNO各社の料金はどれくらい?
MVNO会社が多数あることは紹介しました。ここからは、具体的にMVNOで契約するとどれくらいの料金がかかるのかについて紹介していきます。
すべてのMVNO会社を紹介するのは難しいので、代表的な4社の料金プランを見ていきましょう。
MVNOの料金は?【mineo】
mineoは2021年2月1日からプラン料金を変更。各容量で値下げが行われており、データ通信のみのプランが月々1GB/800円、月々5GB/1150円、月々10GB/1550円、月々20GB/1750円となります。
データ通信に音声通話をプラスすると、月々1GB/1180円、月々5GB/1380円、月々10GB/1780円、月々20GB/1980円となります。
【参照】mineo公式HP
MVNOの料金は?【IIJmio】
IIJmioでは、データ通信専用・SMS機能付き・音声通話機能付きの3プランがあります。下図に赤字で記されている料金は、2月3日までのキャンペーン適用後の料金。左側が正規料金プランとなります。
データ通信専用プランは月々3GB/900円、月々6GB/1520円、月々12GB/2560円。SMS機能付きだと月々1GBからの従量制で480円から、月々3GB/900円から、月々6GBで1520円から、月々12GBで2560円からとなっています。
音声通話機能付きプランは、1GBからの従量制で月々1180円から、月々3GB/1600円、月々6GB/2220円、月々12GB/3260円となっています。また、光回線をセットで契約すると月々600円の割引が適用されます。
【参照】IIJmio公式HP
MVNOの料金は?【BIGLOBEモバイル】
BIGLOBEモバイルでも、データ通信専用・SMS機能付き・音声通話機能付きの3プランが用意されています。
データ通信のみのプランだと月々3GB/900円、月々6GB/1450円、月々12GB/2700円、月々20GB/4500円、月々30GB/6750円。SMS機能付きプランは月々3GB/1020円、月々6GB/1570円、月々12GB/2820円、月々20GB/4620円、月々30GB/6870円となっています。
音声通話機能付きだと、月々1GB/1160円、月々3GB/1600円、月々6GB/2150円、月々12GB/3400円、月々20GB/5200円、月々30GB/7450円です。
また、月々の容量を超過してしまった場合には、100MBごとに300円で購入可能。家族割のサービスも用意されています。
【参照】BIGLOBEモバイル公式HP
MVNOの料金は?【OCNモバイルONE】
OCNモバイルONEの場合もデータ通信専用・SMS機能付き・音声通話機能付きの3プランが利用可能。「OCN光モバイル割」も用意されています。
データ通信専用SIMの場合、月々3GB/880円、月々6GB/1380円、月々10GB/2280円、月々20GB/3800円、月々30GB/5380円。SMS機能付きだと月々3GB/1000円、月々6GB/1500円、月々10GB/2400円、月々20GB/3920円、月々30GB/5500円となっています。
音声機能付きプランは、月々1GB/1180円、月々3GB/1480円、月々6GB/1980円、月々10GB/2880円、月々20GB/4400円、月々30GB/5980円となっています。
OCNモバイルONEで契約した場合、利用開始月の月額基本料金が無料となります。
【参照】OCNモバイルONE公式HP
MVNOの料金はこれから下がる?
mineoの月額基本料金が値引きされた背景として、キャリアの20GBプランの登場や小容量プランの値引きがあります。
ahamoやpovoのサービス開始は2021年3月からなので、これからMVNO各社も基本料金を下げてくる可能性は十分にあるでしょう。
※データは2020年1月下旬時点での編集部調べ。
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文/佐藤文彦