小学館IDをお持ちの方はこちらから
ログイン
初めてご利用の方
小学館IDにご登録いただくと限定イベントへの参加や読者プレゼントにお申し込み頂くことができます。また、定期にメールマガジンでお気に入りジャンルの最新情報をお届け致します。
新規登録
人気のタグ
おすすめのサイト
企業ニュース

何気なく使っているゲーム用語「ロールプレイング」の語源とは?

2021.02.17

ロールプレイングと聞くと、まずゲームを思い浮かべる人も多いかもしれない。しかし実はこの言葉、演劇や心理学の分野、ビジネス(営業、接客の研修)でも使われている。

本記事では、ロールプレイングの元々の意味や、どういった効果が期待できるのかなどを詳しく解説する。なんとなくの意味しか知らなかったという人は、知識を深める参考にしてほしい。

ロールプレイング、元々の意味や語源は?

最初に、ロールプレイングが持つ元々の意味や語源について見てみよう。この言葉は、英語の「role-playing」が由来と。ちなみに、ハイフンなしで「roleplaying」と表記されることもあるが意味は同じだ。

ロールプレイングの語源は英語の「role-playing」

「role-playing」は、”役割”を意味する「role」と、”演じる・遊ぶ”などの意味を持つ「play」の進行形「playing」が一つになった単語。「役割演技」「役割実演法」と訳される。

「なりきりで心を理解する」心理学におけるロールプレイング技法とは

心理学の分野では、主にカウンセラー研修でロールプレイングが用いられる。これを「ロールプレイング技法」と呼び、精神科医のヤコブ・モレノが提唱した「サイコドラマ心理劇」という心理療法を発展させたものだ。ロールプレイング技法の実際の進め方は以下の通り。

【ロールプレイング技法の手順】

1.実際の症例を基にしたシナリオに沿って、カウンセラー役とクライアント役の参加者が演技をする。シナリオを使わない場合は、自分自身が想定した状況を演じる。
2.この時、演技者以外は観察者となり、演技を見て感じたことをまとめる。
3.演技終了後、観察者は演技者に対するコメントを発表し、分析や討議を行う。

ロールプレイング技法には、演じることでクライアントの心理を理解しやすくなったり、実際の現場の予行練習ができたり、自分の言動や行動を客観視できるメリットがある。これは、後述するビジネスの研修にも通じるロールプレイ共通の利点だ。

また、社会で他人と関わることが苦手な人(発達障害なども含む)を対象に、医療機関や福祉施設で行われるsst(社会生活技能訓練の略語)の一部としてもロールプレイングが実施されている。対象者が社会で抱えている問題を参加者同士が実際に演じたり、人形を使った劇のようにすることで、実際の場面でどのように行動したらいいかを学び、訓練するものだ。

ビジネスシーンで使われるロールプレイング

心理学だけでなく、近年ではビジネスシーンでもロールプレイングが活用されている。それぞれの分野でどのように取り入れられているか、具体的な例を見てみよう。

研修にも多く取り入れられているロールプレイング

ビジネスで多い例は、営業を行う社員に向けたロールプレイング(ロープレ)研修だ。やり方は会社によってさまざまだが、次のような場面を設定することが多い。

1.アポイント獲得

顧客に対して電話をし、商談の約束を取り付ける。声のトーンや抑揚の付け方、会話のスピードを含めたトーク力の向上が目的。

2.商談

顧客の抱える問題や要望をヒアリングし、それを解決するために有効な自社商品の紹介や提案を行う。成約してもらうために必要な情報をいかに引き出し、提案に繋げていけるかが重要なポイントとなる。

3.クロージング

成約する前に、金額や納期など課題となる点を想定し、顧客から納得を得る回答を行う。ロールプレイングの場合、顧客役は評価基準をしっかり定めた上で、適切な回答ができているかを判断する。

効果的なロールプレイングには、明確なゴールを設定し、できるだけ具体的な内容をイメージすることが大切だ。終了後にフィードバックを行い、改善点や良かった点を振り返ることも欠かせない。反対に、ただ数をこなすだけのロールプレイングや、粗探しのように欠点の指摘のみに終始するのは避けよう。

看護や介護業界のロールプレイング

より深い形で患者や利用者と関わる看護や介護の場面においても、ロールプレイングによる実践研修が重要視される。実際に起こった事例をもとにインシデント(事故)対策を行うロールプレイングや、コミュニケーション力を養うためのロールプレイングが多く行われているようだ。

特に介護では、利用者本人だけでなくその家族と接する機会も多いため、挨拶の仕方や敬語の使い方、しぐさや表情といった細かい部分も含めたコミュニケーション力を学び、ケーススタディなどのロールプレイングによって実践することで身に着けていく。

アパレル業界に代表される接客業のロールプレイング

アパレル業界や飲食業界などでは、接客力を高めるためにロールプレイング研修が導入されている。参加者を店員役と客役に分け、店員役が客役の相手に対して接客をし、座学で学んだことを実践する流れが一般的だ。

客との会話を疑似体験することで、どのようにマニュアルや知識を生かすのかを身に着けやすく、短時間での接客力向上に期待できる。

FFやドラクエに代表されるロールプレイングゲームとは

RPGとも略されるロールプレイングゲームは、元々アメリカで考案されたテーブルゲームだった。プレイヤーはゲームの世界設定に沿ったさまざまな役割を選び、ゲームの中の謎解きや戦闘に挑戦する。紙や鉛筆、サイコロなどの道具と会話を使って進めていくのが特徴で、現在はこうした形式のゲームを「テーブルトークRPG」と呼ぶ。

日本では、FFやドラクエのように、ロールプレイングゲームをコンピューター上で再現したコンピューターRPGが爆発的な人気を博したことから、ロールプレイングゲームという呼称はこちらを指すようになった。

文/oki

@DIMEのSNSアカウントをフォローしよう!

DIME最新号

最新号
2024年4月16日(火) 発売

DIME最新号は「名探偵コナン」特集!進化を続ける人気作品の魅力、制作の舞台裏まで徹底取材!

人気のタグ

おすすめのサイト

ページトップへ

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 第6091713号)です。詳しくは[ABJマーク]または[電子出版制作・流通協議会]で検索してください。