スマホなどでいつでも手続き。そのうえ手数料が紙より安い
コロナ禍における出張は、これまで以上に直前での変更・キャンセルが増える傾向にある。特に11月中旬以降に要請された新型コロナウイルス感染者拡大による飲食店への時短営業などによって、戻りつつあった少人数での会食もキャンセルになった。さらに出張禁止や対面打ち合わせがリモートへ変更になるなどで、いったん予約していた新幹線のチケットをキャンセルしなければならないケースも増えているようだ。
最近では新幹線のネット予約も定着し、特に東海道・山陽新幹線では「エクスプレス予約(EX予約サービス)」を利用し、専用ICカードもしくは交通系IC、スマートフォン(モバイルSuicaとの紐付け)などでそのまま乗車する出張者も多いが、利便性はもちろん、キャンセルする際の払い戻し手数料も割安で注目されている。EX予約サービスで予約した場合は、新幹線が発車する直前までスマートフォン・PCなどからキャンセル手続きをすることで、320円の手数料を差し引いた額が戻ってくることになる。
ちなみにEX予約サービスでの東京~新大阪間は片道1万3620円だが、キャンセルしても320円を差し引いた1万3300円が払い戻される。何よりも発車直前でもスマートフォンなどからキャンセルできるのは出張者にとってはありがたい。また、自由席の利用であれば、当日の23時30分までにキャンセルすれば同様に払い戻し手数料は320円となる。
東京~新大阪間では1640円も差が出る
JRの「みどりの窓口」や「指定席券売機」などで購入した紙のチケットの場合は、2日前までのキャンセルであれば340円の払い戻し手数料でキャンセルが可能だが、前日・当日(列車発車前)だと指定席特急券は30%、乗車券は220円のキャンセル料だ。東京~新大阪間の「のぞみ」指定席利用(通常期)だと、1万4720円から払い戻し手数料が1960円(乗車券220円、指定席特急券1740円)を差し引いた1万2760円の払い戻し額となる。つまり、この区間で前日・当日にキャンセルする場合は、窓口での予約に比べてネット予約だと手数料が1640円も安くなる。加えて、キャンセル時に駅へ出向く必要もない。
JR東日本の新幹線(東北・北海道、秋田、山形、上越、北陸)においても、2020年3月14日から「新幹線eチケットサービス」がスタートし、交通系ICカードでのチケットレス乗車が可能となった。早めの購入でお得な「えきねっとトクだ値」や「お先にトクだ値」も新幹線eチケットサービスで利用可能で、発車4分前までであれば320円でキャンセルできるのだ。また、新幹線eチケットの自由席利用は払い戻し手数料なしで全額が戻る。
コロナ禍でしばらくは出張の予定が途中で変わることもあるはず。改めてルールを覚えておこう。
東海道・山陽新幹線N700S。シートも快適なこの車両に当たったらラッキーだ。
チケット予約が「Web」か「窓口」かで払い戻し手数料が変わってくる
※1 自由席の場合は、乗車当日の23時30分までのキャンセルが対象。
※2 この金額に、乗車券の払い戻し手数料220円が加算される。
押さえておきたい3つのポイント
【Point 1】発車直前のキャンセルでも320円
【Point 2】自由席ならハードルがさらに低くなる
【Point 3】チケットレスなのでネットで完結
鳥海高太朗/航空・旅行アナリスト、帝京大学経済学部地域経済学科非常勤講師。