風邪のひき始めには、にんにく。
物心ついた頃から、母にずっと言われてきたのだが、
大人になってから人に話すと「え、そうなの?」と驚かれ、
我が家だけだったのかと、こちらも驚く。
何となく喉の調子が悪い。
気のせいかもしれないけど熱っぽい。
そんな異変を感じたら、すぐ母に申し出た。
すると、にんにくがたっぷり入った餃子を、
夕食に作ってくれるのだ。
臭いなんて気にせず、もりもり食べると、
不思議なことに、翌朝にはすっかり元気になっていた。
幼い頃からの習慣というのはすごい。
今でも、仕事が忙しくて疲れがたまったら、
にんにくを大量に使った料理を作るようにしている。
おかげで、社会人になってからの12年間、
一度も寝込むほど具合が悪くなったことはない。
にんにくが身体に良いのはおそらく間違いないと思うが、
最近、それ以上に大事なことがあることに気づいた。
まず、自分の体調の変化に敏感になること。
実際に咳が出たり、熱が出たらもう手遅れなので、
その前の段階で、対策することができる。
そして何より、にんにくを食べると元気になると信じていること。
おまじないや願掛けと同じで、
本気で思い込んでいるからこそ、効くのだと思う。
ココロもカラダも、意外と素直でかわいい。
もちろん、そうでもない時もあるだろうが、
そう考えて生きていくほうが、きっと楽しいから。
とにかく、私には今もにんにくのおまじないが効いている。
母に感謝しないといけないなぁ。
写真は、焼き肉屋で食べた、にんにくのホイル揚げ。
冬を乗り切るために、必要不可欠なのだ。
Natsumi Uga
テレビ朝日アナウンサーを経て、昨年からフリーとして活動。現在、『池上彰のニュースそうだったのか!!』(テレビ朝日)、自身初の冠番組『川柳居酒屋なつみ』(テレビ朝日)、『テンカイズ』(TBSラジオ)、MCを務める『土曜はナニする!?』(関西テレビ・フジテレビ系)などに出演中。
文/宇賀なつみ
※「宇賀なつみ 素顔のままで」は、雑誌「DIME」で好評連載中。本記事は、DIME2・3月号に掲載されたものです。