HSP
HSP(Highly Sensitive Person)とは、アメリカの心理学者エレイン・アーロン博士によって提唱された概念で「非常に繊細な人」を指す用語。タレントの田村淳さんがHSPであることを公言したことで、一般に広く知られるようになった。これをきっかけにHSPを自覚したという声も多く、HSPの人がラクに生きていく術をまとめた、HSP専門カウンセラー・武田友紀さんの著書『「繊細さん」の本』(飛鳥新社)もベストセラーになっている。
武田さんによれば、HSPは生まれ持った「気質」の可能性が高いとのこと。他人から言われた些細なことに傷つき、物事をサラッと受け流せず深く考え、気を使いすぎて人といると疲れてしまうなど、繊細ゆえに、日常生活で神経をすり減らし、仕事や人間関係でストレスを抱えやすいという。
ただ、繊細であることは決してデメリットではない。「繊細な人は、むしろ自分の繊細な感性をとことん大切にすることでラクになり、元気に生きていけるのです」と、武田さんは本書で「繊細さん」にエールを送る。
HSPのトレンドワード化は、繊細な自分に悩んでいた人を元気づけたといえるだろう。
アーロン博士によると、5人に1人がHSPに当てはまるという。繊細さをアドバンテージとして捉えることで、多くの人が自分のまま心地よい新たな生活を歩むことができる。
『「気がつきすぎて疲れる」が驚くほどなくなる「繊細さん」の本』(武田友紀著・飛鳥新社刊/1204円)は、45万部突破のベストセラー。
◆HSP診断テスト
HSPの概念をもとに、編集部が作成。3つ以上該当すれば、HSP気質をもっている可能性は高い。
◆HSPには2種類ある
HSPと真逆の気質がHSS(=High Sensation Seeking)。HSPの中には約3割、2つを併せ持つHSS型HSPも存在する。
取材・文/安藤政弘