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恋愛系の話題で使われる言葉に『ABC』があります。一昔前の流行語のため、現代の若者にはあまり聞きなじみがないかもしれません。恋愛のABCには、派生形のDEFやZ、現代版のHIJKもあります。これらの意味を知り、恋愛話の幅を広げましょう。
恋愛のABCとはなに?
『恋愛のABC』は古い言葉のため、若い世代であれば意味を知らない人も少なくないでしょう。言葉の意味を知る前に、恋愛のABCが流行した時代を知れば、より理解を深められます。
1980年代に流行った言葉
恋愛のABCは隠語の一種です。A・B・Cそれぞれに意味があり、恋愛の進み具合をアルファベットで表現しています。
恋愛のABCが流行ったのは、1980年代のことです。平成生まれの親世代にあたる40~50代の人が使っていた言葉のため、今の若者が意味を知らないのは無理もありません。
恋バナで恋人との進展を話すとき、仲のよい友達が相手でも「キス」や「エッチ」といった直接的な表現は恥ずかしいと感じる人もいるでしょう。
恋愛のABCは、そうした単語を抵抗なく口にするための言葉だったのです。
ABCの意味をチェック
恋愛のABCは、恋人との経験をA・B・Cの3段階に分けて表現します。それぞれがどんな行為を指すのか、順番に確認しましょう。
「A」はキスのこと
ABCのAは『キス』のことです。「恋人同士のステップの第1段階がキス」と当時の若者たちが考えていたことに由来します。
恋愛のABCはあくまで恋人同士である2人を前提にしています。そのため、手をつないだり抱きしめ合ったりといった、付き合う前にも経験している可能性のある行為は、恋愛のABCに含みません。
ファーストキスが特別視されるように、恋愛のABCに関係なく、キスは特別な経験として位置付けられます。ファーストステップといえども、キスは恋愛においてかなり重要なステップといえるでしょう。
「B」はペッティングのこと
ABCのBは『ペッティング』です。ペッティングという単語自体が使われなくなっているため、どんな行為を指すのかピンと来ない人は多いでしょう。
ペッティングは愛撫のことです。愛撫とはなでたりさすったりして慈しむことで、赤ちゃんに触れるときにも用います。しかし、恋愛におけるペッティングは、セックスの前段階にあたる性的な刺激を伴う行為です。
よりペッティングの定義を明確にすると、恋愛のABCにおけるペッティングは、挿入なしのセックスです。いわゆる『前戯』と考えてよいでしょう。
「C」はセックスのこと
ABCのCは『セックス』です。挿入を伴う性行為という点で、Bとは異なります。セックスしたことを示す『最後までいった』という表現からも、恋人との関係においてセックスは一つのゴールといえるでしょう。
気心知れた友達が相手でも、「セックス」と口に出せない人は多いはずです。その点、『C』なら気恥ずかしさがありません。
今は『エッチ』という呼び方はある程度一般的となっているものの、恋愛のABCが流行した1980年代は、現代に比べて恋人との性的な関係をオープンにするのはタブー視されていました。
こうした時代背景も、隠語である恋愛のABCが流行した一因といえるでしょう。
「ABC」に続く「DEFG」
あまり知られていませんが、恋愛のABCには続きがあります。アルファベット順にそのまま『DEF』と続きます。DEFが示す関係も、併せて確認しましょう。
「D」は妊娠
DEFのDは『妊娠』です。Dに関しては、今までのABCとは少し意味合いが異なります。純粋に恋人との関係の進展を示すABCに対して、Dには注意喚起の意味もありました。
セックスすれば妊娠の可能性があります。恋愛のABCが流行った1980年代は、学生の妊娠が社会現象になった時代です。また、当時は今ほど簡単に避妊具を入手できる時代ではありませんでした。
こうした時代背景も、妊娠への注意喚起につながったといえるでしょう。
そのため、Cまで進んだカップルに対して、『妊娠する可能性があるから気を付けろ』『しっかり避妊しろ』というメッセージが、Dには込められています。
「E」は結婚
DEFのEは『結婚』です。妊娠が発覚したら結婚する、という段階の踏み方を表したものです。いわゆるできちゃった婚や授かり婚も、このパターンといえるでしょう。
今でこそ、妊娠が発覚してから結婚する人たちも珍しくありません。しかし、一昔前までは結婚前にセックスするカップルは少数派でした。妊娠をきっかけに結婚する場合に、順番が違うといわれる一因ともいえます。
どちらがよい・悪いということはないものの『子どもは結婚してから』と考える人は、現代でも少なくありません。そのため、Dの妊娠とEの結婚は、必ずしも順番通りとはいえないでしょう。
「F」は家族
DEFのFは『家族』です。妊娠を機に結婚し、家族になるという、DEFの一連の流れの最終段階といえるでしょう。Fはファミリー(Family)のFでもあります。
結婚を機に増える家族は、恋人だった相手や生まれてくる子どもだけではありません。配偶者の両親や兄弟といった義理の家族や、ペットも新しい家族になるでしょう。
恋愛のABCは、自分と恋人の2人だけの関係性を指す言葉でした。それに対して、DEFは自分たちだけに留まらない関係を示します。
Dで子どもができてEで家族が増え、Fで自分と配偶者と子どもの家庭を造るといった風に、より広がりのある関係を表すのがDEFといえるでしょう。
「Z」は終わり
恋愛のABC、DEFと続く隠語には、実はZも存在します。
アルファベットの最後であるZが表す内容には諸説あるものの、どのZも『終わり』を示す点は共通しています。
失恋や離婚、家庭崩壊など、2人の関係性もバラバラです。婚姻関係の有無も異なり、家庭崩壊は子どもの存在もイメージさせます。
もっとも、恋人との破局や離婚は、ネガティブなものだけではありません。2人が前を向くために選ぶ別れもあるでしょう。
そのため、2人の関係が終わってもポジティブな気持ちになるZも存在し得るのです。Zの内容はカップルの数だけあるといえるでしょう。