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世界的に評価の高いプジョー「208」シリーズ、ガソリンエンジンとEVのパワートレインを比べてみた

2021.01.30

Part.1はこちら
https://dime.jp/genre/1072534/

昨年の「ヨーロッパ・カー・オブ・ザ・イヤー2020」の受賞に続き、「第41回 2020-2021 日本カー・オブ・ザ・イヤー」にて、インポート・カー・オブ・ザ・イヤーに輝くなど、世界的に高い評価を得ているプジョー『208/e-208』。

そのフランスらしい魅力溢れるデザインに加え、所有する者を満足させる運動性能や価格などのバランスが優れているというのが、その理由なのだが、それだけではない。

同一のボディを使用した『208』シリーズでは、ガソリンエンジンとEVというふたつのパワートレインを選ぶことができるのだから驚きだ。

これは、プラットフォームを共通とすることにより、ガソリン車とEVを同一ラインで混流生産できるため、今後EVの需要が急速に高まったとしても、すぐに対応が可能という、なんともプジョーらしい革新的なもの。

つまり、我々、消費者にとってもサイズやデザインの違いに迷うことなく、同じボディのクルマから気軽にガソリン車とEVを選ぶことができるということになる。

奇しくも日本では、昨年12月に政府や東京都より「2030年代ガソリン車販売禁止」の方針が打ち出され、話題になったばかり。

そこで、今選ぶべきは、ガソリンエンジンの『208』とEVの『e-208』のどちらがよいのか検証してみたい。しかも、かく言う私は、先代の『208』GTiを所有しており、個人的にもかなり気になるところでもあるので、実際に乗り換えるつもりで、このふたつのパワートレインを比較してみたいと思う。

ということで、前回の記事では、『208』の「アリュール」を中心に紹介してきが、今回は『e-208』の「GTライン」について検証してみたい。

革新的なスタイルの『e-208』

これまでも説明してきたとおり、『208』シリーズのデザインについては、基本的にガソリンとEVとではほぼ違いはない。ただし、下の画像のようにEV車を見分けるポイントがいくつかある。

まずは、ボディ同色(写真のモデルではブルー)のフロントグリルと見る角度により色を変化させるツートーンのライオンエンブレム。さらにリアハッチの『e-208』バッヂとCピラーデザインされた「e」のモノグラムだ。

さらに足元には、特徴的なブラックのホイールアーチを採用しているのだが、実は、ガソリン車の上位グレードの「GTライン」でも同様のため、見分けるポイントとはならない。

加えて、両モデルの「GTライン」では、ブラック塗装のルーフ(ツートーンボディカラー)が採用されていて、スポーティな印象を醸し出している。(※ただし、ボディカラーがペルラ・ネラ・ブラックの場合は、必然的にボディ同色ルーフとなる)

「GTライン」のオプション設定となるパノラミックガラスルーフ

インテリアについてもガソリン車との大きな違いはなく、今回の『e-208』は「GTライン」グレードに準ずるものとなる。ただ、その「GTライン」で採用されているフロントシートについて少しばかり不満がある。

というのも、素材にアルカンターラとテップレザーを使用しており、座り心地もよく、セミバケットタイプの程よいホールド性のある優れたシートではあるのだが、リクライニング調整がダイヤル式なのだ。

もちろん、ダイヤル式のほうが微調整しやすいことや、このクルマが5ドアでありフロントシートを大きく倒す機会が少ないのは理解しているのだが、車内での休憩時などに不便に感じるだろう。

さらに続けて不満を書いてしまうと、この『e-208』のほうはスペアタイヤ(もしくはテンパータイヤ)を装備しておらず、パンク修理キットとなってしまうことだ。

これはEV車の場合、およそフロア下にバッテリーを搭載しているのだが、この『e-208』はフラットに敷きつめるのではなく、主にフロントシートの下とリアシート下からラゲッジにかけて積んでいるため、スペアタイヤのスペースを確保できなかったと推測する。(ただし、ラゲッジスペース自体は、ガソリンもEV車も同等)

また、これはバッテリー搭載に起因するものかわからないが、EV車のボディサイズが、全長4095mm、全幅1745mm、全高1465mmとなり、ガソリン車と比べて全高が20mm高くなっている。とはいえ、先代の『208』が全高1470mmだったので、決して高いわけではないのだが。

「ペルシャ猫の足」のような『e-208』の上質な走り

そして、その見た目の変わらない『208/e-208』なのだが、当然ながら両モデルの走りの質感は全く異なる。『e-208』のパワートレインには、最高出力136PS/5500rpm、最大トルク260Nm/300~3674rpmという2.6リッターNAガソリンエンジン相当の最大トルクを、ゼロ発進から発生させるモーターを搭載。

その力強さは、『208』の車両重量が1160kgのに対して、340kg(およそ成人男性5人分!)も重い1500kgの車体を、アクセルのひと踏みでスイスイと軽快に走らせるのだから驚きだ。しかも、その動きは、軽量な『208』よりも軽く感じられるほど。

「GTライン」の17インチホイールでは、スポークの間に樹脂のブレードを採用したことで、バネ下重量を削減(1台あたり約3.6kgの軽量化)

さらに、その重さ(および低重心化)の恩恵か(?)、しっとりとした上質な乗り心地まで持ち合わせているのだ。前回の記事では、『208』の足回りを「猫足」と評したのだが、実は柔らかいながら何となく粗さが感じられた。

ところが、この『e-208』の「GTライン」は、前後タイヤともミシュラン『プライマシー4』の205/45R17サイズという、『208』の「アリュール」(195/55R16)に比べて大きいサイズにもかかわらず、より高級感あるしなやかな足なのだ。

もちろん、ガソリンとEVでは、サスペンション設定を変えているのだろうと思うのだが、その乗り味を例えるなら『208』が普通の“猫足”だったら、『e-208』は“ペルシャ猫の足”といったところだろうか。(注:単なるイメージ)

また走行モードは、「スポーツ」、「ノーマル」、「エコ」と走行状況に応じて3種類が選べるほか、回生ブレーキの制動力を強められる「B」モードが装備されている。

これは、いわゆる日産の「ワンペダル」などと同様で、アクセルペダルのみでスピードがコントロールできるため、便利でクセになる。ただし「B」モードの場合、完全に停止するところまで制御されていないので、低速時では注意が必要だ。

ちなみに、この『208/e-208』のブレーキの効きについては、輸入車によくあるような初期制動が強いタイプで、国産車から乗り換えるといわゆる“カックンブレーキ”状態に陥りやすいので慣れが必要。

ラゲッジスペースには、充電ケーブルを搭載

なお、搭載されるバッテリー容量は50kWhで、巡航距離はJC08モードで403km(WLTCで340km)となっている。また充電は、自宅などでの普通充電のほか、CHAdeMO規格の急速充電器にも対応し、50分で全容量の約80%まで充電することが可能。

結論!いま乗るならどちらを選ぶ?

さて、『208』と『e-208』では、どちらを選ぶべきか?そろそろ結論を出したいと思うが、その前に価格についても触れておかなければならい。

実は『e-208』の「GTライン」は、車両本体価格が423万円~(税込)となり、『208』の同グレードの「GTライン」の293万円~(税込)と比べても130万円も高いことになる。

ただし、この価格差は、税金や電気代、保険、金利、整備などをすべて加味した上、購入から3年3万km乗った時点で、トータルの出費がほぼ変わらないように計算して決められた金額だという。

その算出された金額が確かかわからないが、たとえ100万円近くの価格差があったとしても、私なら、より力強く上質な走りを提供してくれる革新的な『e-208』を迷うことなく選ぶだろう。

ただし私の場合、必要であれば自宅に充電設備を整えられる環境にあるということもつけ加えておくが、もしそうでなくとも、住まいの近くやよく使うルートに充電設備があったり、普段の走行がそれほど長距離でなければ、それほどネガティブに考える必要がないと思う。

…などと書いたものの、今後「2030年代ガソリン車販売禁止」となることを考えると現在所有のMT車の先代『208』GTiが大変貴重に感じてくるもの。う~ん、個人的には、しばらく乗り換えはできないだろうな。

■関連情報
https://www.peugeot.co.jp/models/car-selector/new-208.html

撮影協力/横浜国際プール

取材・文・撮影/土屋嘉久(ADVOX株式会社 代表)
クルマは走らせてナンボ!をモットーに、どんな仕事にも愛車で駆けまわる日々。クルマのほかにもグルメや家電、ファッション情報、また小学館Men’s Beautyでは、男性に向けた美容・健康法、化粧品情報なども発信。

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