https://www.prnewswire.com/news-releases/lg-display-to-showcase-lifestyle-of-future-with-transparent-oled-at-ces-2021-301199555.html
毎年進化を続ける、テレビ製品。今年のCESでも新方式パネルからプロトタイプ製品までさまざまな技術が披露された
透明なディスプレイは応用度高し
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1月前半に開催されたCES 2021は、一般向けの電子製品の見本市だ。スマートフォンから生活家電まで数多くの製品が発表されたが、そのなかでもイベントに先駆けて韓国LGが公開した透明な有機ELディスプレイが注目を浴びた。
LGの透明な有機ELディスプレイは、ディスプレイ表示をしながら画面の反対側を透かして見ることができる。このような特徴を活かして、同社は寿司店に透明な有機ELディスプレイを設置するデモを提案した。これにより、寿司ネタをディスプレイで選びながら職人とも意思疎通ができるのがメリットだ。
また、電車の窓に透明な有機ELディスプレイを採用することで、路線図などの情報を表示しながら外の風景を楽しむことができる。なお、中国の地下鉄ではすでにこのLGの透明な有機ELディスプレイを導入している路線もある。
未来のテレビに電源ケーブルはいらない?
https://www.youtube.com/watch?v=BcI1rhl02sc
興味深い技術を発表したのは、Reasonanceだ。同社は40インチのテレビにワイヤレス給電技術を組み込み、一切ケーブルなしで表示できるテレビを展示した。今回のデモでは、テレビは給電装置から約50cmほど離れた場所に設置されている。
Reasonanceにれよば、この給電技術では20〜120KHzの電波を利用。そして120Wの電力を供給できるという。給電効率は90%と高く、将来的には家電や家具にこの給電システムを組み込むことも可能だとしている。
現在のテレビはいかにケーブルを見せずに美しく設置するかが課題となっているが、Reasonanceの技術はそんなテレビデザインの進化にも役立つ可能性がある。
新方式テレビが間近に
https://news.samsung.com/global/samsung-electronics-debuts-2021-neo-qled-microled-and-lifestyle-tv-lines-highlighting-commitment-to-sustainable-and-accessible-future
現在、テレビ業界は「ミニLED」「マイクロLED」という新方式への移行がすすんでいる。これは微細なLEDランプをバックライトとして使用したり、あるいはそれぞれの画素をLEDで構成する技術だ。従来の液晶や有機ELと比べると、色が正確でダイナミックレンジが広く、また焼付きなどの問題が起きないなどのメリットがある。
これらの新技術を積極的に採用しているのが韓国サムスンとLGで、両社はそれぞれ「Neo QLED」「QNED」シリーズを発表。どちらも最大8K解像度まで対応した、メインストリーム向けの製品となっている。またマイクロLED方式では、サムスンが110インチサイズの「MicroLED TV」を今年の第1四半期(1月〜3月)に発売する予定だ。
スマートフォンなどに比べるとその変化が見えにくいテレビ製品だが、ミニLED方式やマイクロLED方式など、着実に次世代製品の到来が近づいている。今後も、テレビ業界の革新から目を離すことができない。
文/塚本直樹