日々、新規感染者数が増加する新型コロナウイルス。手洗い・うがいなど基本的な生活習慣以外の対策として、免疫力をアップさせたいと思っている人も多いはず。そして免疫力アップのために、野菜を多く摂取することも大切になってくるといえるだろう。
そんな「免疫力アップと野菜摂取に関する調査」がこのほど、「ハーバード式 命の野菜スープ(r)」を製造・販売するイマジン・グローバル・ケア株式会社により、全国の20~79歳男女を対象にして、実施された。
また本稿後半では、野菜の皮に含まれる機能性成分「ファイトケミカル」について、ハーバード大学医学部元准教授の医師・髙橋弘氏の解説を紹介していく。
感染症対策でからだの免疫力を高めることを実践している人は35.0%にとどまる
Q1. あなたが行っている新型コロナウイルスやインフルエンザなどの感染症に対する予防をお答えください。(複数回答)【n=600】
新型コロナウイルスやインフルエンザなどの感染症の予防として行っていることは、1位「マスク着用」91.8%、2位「手洗い・うがい・アルコール消毒」87.8%、3位「密集・密接を避ける」72.5%と、体内へのウイルスの侵入を防ぐ方法が上位となった。また、「からだの免疫力を高める」と回答した人は35.0%だった。
Q2. あなたは新型コロナウイルス感染症やインフルエンザ予防のために「免疫力アップ」をしたいと思いますか。(単数回答)【n=600】
新型コロナウイルス感染症やインフルエンザ予防のために「免疫力アップ」をしたいと思うか聞いたところ、「とても思う」51.7%、「やや思う」36.2%の合計87.9%と、9割近くの人が感染症予防のために免疫力をアップしたいと回答した。
免疫力アップのためにしていること、1位「睡眠」、2位「食事」、3位「ストレス軽減」
Q3. あなたが「免疫力アップ」のために現在していることをお答えください。(複数回答)【n=600】
免疫力アップのために現在していることを聞いたところ、全体で最も多い回答は「睡眠を十分にとる」58.2%だった。年代が高くなるほど回答割合が多くなっており、60代は75.0%、70代は81.0%となった。
次いで「身体によい食事をする」55.3%となったが、その回答割合を年代別でみると、20代~30代、50代~70代は半数以上が回答しているのに対し40代は42.0%と他の年代より低い結果となった。
70代は他の年代に比べ多くの項目を回答しており、免疫力アップのため様々なことを行っていることがわかった。
Q4. あなたが「免疫力アップ」のためにとりたい食材をお答えください。(複数回答)【n=600】
免疫力アップのためにとても重要な「食」に関して、免疫力アップのためにとりたい食材を聞いところ、その結果1位は「野菜」56.3%で、2位「肉」52.7%、3位「乳製品」52.2%と続いた。
「香辛料」14.2%を除いたすべての選択肢の回答割合が4割を超えており、免疫力アップのために様々な食材をバランスよくとりたいと考えていることがうかがえる。
免疫力アップでとりたい野菜 1位「しょうが」、2位「にんにく」、3位「たまねぎ」
Q5. あなたが「免疫力アップ」のためにとりたい野菜をお答えください。(複数回答)【n=600】
免疫力アップのためにとりたい野菜TOP3は、1位「しょうが」45.2%、2位「にんにく」39.7%、3位「たまねぎ」37.3%となった。
約9割が、野菜の皮も機能性成分「ファイトケミカル」を含むことを知らない
Q6. あなたは野菜の皮に「ファイトケミカル」という成分が含まれていることを知っていますか。(単数回答)【n=600】
野菜の皮には「ファイトケミカル」という機能性成分が含まれており、免疫力を高める働きがある。野菜の皮に「ファイトケミカル」が含まれていることを知っているか聞いたところ、「知っている」と回答した人は10.7%で、9割近くが、野菜の皮に「ファイトケミカル」が含まれることを知らないという結果になった。
“皮ごと食べることがある”野菜の1位は「トマト」69.0%、一方、“皮ごと食べたことがない”野菜の1位は「たまねぎ」60.3%
Q7. あなたが以下の野菜を皮ごと食べることがあるかお答えください。(それぞれ単数回答)【n=600】
皮に「ファイトケミカル」が豊富な野菜について、皮ごと食べることがあるか聞いた。
「日常的に皮ごと食べる」の回答割合が最も多いのは「トマト」69.0%、次いで「かぼちゃ」42.0%となった。
「たまに皮ごと食べる」も合わせると、皮ごと食べることのある方の割合が「トマト」は81.0%、「かぼちゃ」は64.5%と半数以上になるが、3位の「にんじん」以下は皮ごと食べることのある方の割合がぐっと減ることがわかった。「皮ごと食べたことは一度もない」の割合が最も多いのは「たまねぎ」60.3%だった。
Q8. あなたが野菜を皮ごと食べないものがある理由をお答えください。(複数回答)【n=566】
前問でいずれかの野菜について「皮ごと食べることはほぼない」、「皮ごと食べたことは一度もない」と回答した人に、皮ごと食べない理由を聞いたところ「食べるものとして認識していないから」43.1%が最多となった。野菜の皮は捨てるものと思っている方が多いようだ。
からだの免疫力を上げる「ファイトケミカル」は野菜の皮にも多く含まれている。ウイルス対策にも効果的と知ると、野菜の皮の印象が変わるのではないだろうか。
野菜を皮ごと使う料理TOP3は「煮物」「カレー・シチュー」「スープ」と冬の定番料理が上位に肩を並べる
Q9. あなたが野菜を皮ごと使うことのある料理をお答えください。(複数回答)【n=484】
年に1回以上料理をする人に、野菜を皮ごと使うことのある料理を聞いたところ、1位「煮物」50.2%、2位「カレー・シチュー」43.2%、3位「スープ」40.1%と、冬の定番料理が上位となった。
髙橋弘医師による、免疫力アップと野菜摂取についてのアドバイス
ハーバード大学医学部元准教授
麻布医院院長
髙橋弘氏
麻布医院院長、医学博士、ハーバード大学医学部元准教授、テキサス州名誉市民、ファイトケミカル研究家。がんと肝炎の専門家として食事と病気の関係に着目し、ファイトケミカルを患者に積極的にすすめて成果を上げている。
日本肝臓学会肝臓専門医、日本消化器病学会専門医、日本内科学会認定内科医、労働衛生コンサルタント。米国消化器病医師会フェロー、米国癌学会正会員。
新型コロナウイルスに打ち勝つためのポイントは、ウイルスが入って来た時にいち早く察知して攻撃を仕掛ける「自然免疫」とウイルスの特徴を調べてから総攻撃する「獲得免疫」を強くすることです。
からだの免疫を強くするために摂りたい栄養素は、植物が紫外線や害虫などの外敵から身を守るために自らの体内に作り出す天然の機能性成分「ファイトケミカル」です。
「ファイトケミカル」は抗酸化作用や免疫力を高める作用、発がん抑制作用などがあり、私たちのからだを病気から守ってくれます。具体的にはトマトの赤い色の成分「リコペン」、レモンの香りの「リモネン」、お茶の苦みの「カテキン」、ワインの渋みの「タンニン」、とうがらしの辛みの「カプサイシン」などがあります。
ウイルス対策に特に効果的なのは、にんじん、かぼちゃ、大根の葉、にらなどに多く含まれる「β-カロテン」や、きのこ類に多く含まれる「β-グルカン」。「β-カロテン」は体内でビタミンAに変換されると皮膚や粘膜の免疫バリアを正常に保ち、また免疫細胞を活性化させます。「β-グルカン」は免疫細胞の情報伝達をスムーズにして免疫の働きを助けてくれます。
「ファイトケミカル」は固い細胞壁に被われた植物細胞の中に入っています。そのため私たち人間の体内で吸収するためには細胞壁を壊したうえで摂取しなければなりませんが、残念ながらミキサーなどで破砕した程度では細胞壁は壊れません。
しかし熱を加えると細胞壁を壊すことができ、ずっと効果的にファイトケミカルを摂取できます。茹で汁や煮汁に溶け出すと吸収がよくなるため、今回の調査での野菜を皮ごと使う料理TOP3の「煮物」「カレー・シチュー」「スープ」は、免疫力アップメニューとしておすすめです。
皮ごと食べたことがないという人が最も多かった「たまねぎ」の外側の茶色い皮にもファイトケミカルがたっぷり含まれています。皮を捨てず、だし袋などに入れて一緒に煮込むとファイトケミカルを無駄なく摂取でき、また風味の良いだしが出てとてもおいしくなりますよ。
<調査概要>
調査の方法:インターネット調査
調査対象者:全国の 20歳~79歳の男女
有効回答数:600サンプル(各性年代50名の均等割付)
調査期間 :2020年12月9日(水)~2020年12月10日(木)
出典元:イマジン・グローバル・ケア株式会社
構成/こじへい