[教えてくれた人]
ふるさと回帰支援センター
理事長 高橋 公さん
Q. 地方移住希望者ってやっぱり年配者がメイン?
A. リーマンショック以降若者の移住が増えています
北海道から沖縄までの移住相談から移住後のライフプランまで、ワンストップで支援することからふるさと回帰支援センターの利用者数は年々増加。同センターの理事長・高橋公さんは、今や若者が地方移住者の中心、と明かす。
「10年前は50~70代がメインでしたが、リーマンショック以降、30歳前後の移住者が急増。2017年にはセンター利用者の5割を20~30代が占めるようになりました」
働き盛りの年代で移住者が増えている要因は何か?
「価値観が多様化したのでしょう。ひと昔前は東京から地方へ移り住むことに対してマイナスなイメージを抱く人が多かった。しかし、今の若者は違います。〝人や地域のために役立ちたい〟など、社会貢献意識を持って地方移住を志す人が増えています。ただ注意してほしいのは、一般的に田舎と呼ばれる地域はコミュニティーであること。挨拶はもちろん、地域の行事などへ積極的に参加することも大切。地域の課題を自分ごとにできない人は、政令指定都市などの大都市圏を選ぶというのも失敗しないコツのひとつです」
Q. 移住希望地ランキング上位が人気の理由は?
A. 移住者の受け皿が整っているからです
「東京から新幹線で片道約1時間の好立地であることも長野や静岡が支持される理由のひとつですが、ランキング上位の自治体はいずれも移住者の受け皿がしっかりしているという特徴があります」
2020年、三菱地所は長野県内にワーケーションオフィスを開設するなど、テレワークや二地域居住しやすい環境を強化。リスクの少ない地方移住を目指している。
●ふるさと回帰支援センター(東京)利用者の年代別推移
2008〜2019年までのセンター利用者の年代別推移を集計。2015年に20~30代の利用者が大きく伸長したことがわかる。
出典:ふるさと回帰支援センター(東京)「2019年度の農山漁村の交流・移住実務者研修セミナー資料集」
●移住希望地ランキング
ふるさと回帰支援センターの利用者を対象に、移住希望地を集計したもの。長野県、静岡県は盤石の人気を誇る。
●希望する地域類型
移住を希望する多くの若者は希望先に、就業の場があるところ挙げる。そのため、地方都市を移住地に選ぶ人が多い。
出典:ふるさと回帰支援センター(東京)
移住決断前に押さえるべき5つのポイント
【1】移住は就職や結婚と同等の転機。理想の暮らし方を具体的に考える
【2】ネットの情報に頼りすぎない!現地へ足を運んで情報収集を!
【3】生活コストは安くない!引っ越し前に貯蓄の準備を
【4】都会と比べて求人数は少ない。仕事の目星を必ずつけること
【5】田舎暮らしで最も重要なのは郷に入っては郷に従えの精神
移住の相談は総合窓口へ
ふるさと回帰支援センター
東京都千代田区有楽町2-10-1 東京交通会館8F [休]月曜・祝日 http://www.furusatokaiki.net
移住・交流情報ガーデン
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取材・文/渡辺和博、廣田俊介