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注目を集める「インクルーシブ保育」、現役保育士の認知度はなぜ低い?

2021.01.25

政府が進める、誰もが積極的に参加・貢献できる「共生社会」の実現。教育の現場でも、性別や年齢、ハンディキャップの有無を問わず、個々の違いを尊重しながらすべて子どもを受け入れる「インクルーシブ保育」が推奨されている。

そんな「インクルーシブ保育」についてこのほど、株式会社明日香により、保育士103名を対象として意識調査が行われた。

インクルーシブ保育を知っている保育士は37.9%

「Q1.国籍や障がいなどの有無にかかわらず、様々な子どもを受け入れるインクルーシブ保育が文部科学省より推進されています。あなたはインクルーシブ保育を知っていますか。」(n=103)と質問したところ、「知っている」が37.9%、「知らない」が62.1%という結果になった。

インクルーシブ保育を知ったときは「保育園が行う研修」が38.5%、「参考書・教科書」が30.8%という結果に

「Q2.Q1で「知っている」と回答した方にお聞きします。どこでインクルーシブ保育を知りましたか。(複数回答)」(n=39)と質問したところ、「保育園が行う研修」が38.5%、「参考書・教科書」が30.8%、「保育士養成校の授業」が28.2%という結果になった。

約6割の保育士が国籍や障がいなどの違いを受け入れる保育を行っていると回答

「Q3.あなたがお勤めの保育園では、子どもの国籍や障がい、年齢、貧困などの『違い』をすべて受け入れる保育を行っていますか。」(n=103)と質問したところ、「行っている」が60. 3%、「行っていない」が10.7%という結果になった。

外国にルーツを持つ子どもへの対応に難しさを感じる保育士は約半数

「Q4.Q3で「行っている」と回答した方にお聞きします。『違い』のうち、特に外国にルーツを持つ子どもへの対応に難しさを感じますか。」(n=62)と質問したところ、「とても感じる」が12.9%、「感じる」が41.9%という結果になった。

語学や生活環境の違いで対応に難しさを感じた保育士多数

「Q5.Q4で「とても感じる」「感じる」と回答した方にお聞きします。具体的に難しさを感じたエピソードを教えてください。」(n=32)と質問したところ、「中国出身で日本語が話せない人の対応が大変だった」「他の子どもとの調和が難しい」などの回答が寄せられた。

<一部抜粋・自由回答>

・33歳:日本語がうまく使えないので、伝えたいことがわからない時がある
・50歳:中国出身で日本語が話せない人の対応が大変だった
・48歳:生活環境の違いで当たり前のことが当たり前じゃないことがある
・54歳:インドネシアの子供は、定時にラマダンがある。
・43歳:他の子どもとの調和が難しい

76.5%の保育士が「違い」を持つ子どもの親への対応に難しさを感じたと回答

「Q6.Q4で「とても感じる」「感じる」と回答した方にお聞きします。「違い」のうち、特に外国にルーツを持つ子どもの親への対応に難しさを感じたことはありますか。」(n=34)と質問したところ、「ある」が76.5%、「ない」が23.5%という結果になった。

85.4%の保育士が「保育者向けの通訳機があれば使ってみたい」と回答

「Q7.近年、日本国内における外国人労働者数が増加し、保育の現場でも外国にルーツを持つ子どもが増加しています。保育者向けの通訳機があれば使ってみたいですか。」(n=103)と質問したところ、「とても使ってみたい」が22.3%、「使ってみたい」が63.1%という結果になった。

保育者向けの通訳機があれば使ってみたい理由は?

「Q8.Q7で「とても使ってみたい」「使ってみたい」と回答した方にお聞きします。使ってみたいと思った理由を、使ってみたい場面/シーンとともに教えてください。」(n=81)と質問したところ、「多国籍の子供が入園してきた際に子供や保護者とコミュニケーションをとるため」「日々の保育の中で今何をするときか伝えたいときや、日本語で話すのが難しい時に使いたい。親への伝言などにも使いたい」などの回答が寄せられた。

<自由回答・一部抜粋>

・39歳:多国籍の子供が入園してきた際に子供や保護者とコミュニケーションをとるため
・45歳:子どもの困りごとがわかれば、子どもが安心しそう。
・33歳:日々の保育の中で今何をするときか伝えたいときや、日本語で話すのが難しい時に使いたい。親への伝言などにも使いたい。
・48歳:子どもや保護者と言葉が通じず理解し会えないことがあるから
・36歳:提出書類についての説明など難しいことがあるから
・31歳:英語/日本語以外の言語を母国語としている保護者とのコミュニケーションとして利用したい。

■まとめ
今回の調査ではインクルーシブ保育に関する実態調査を実施した。子どもの国籍などの「違い」を受け入れる保育の実施率は60.3%だったが、その保育方法が「インクルーシブ保育」であると認知している保育士は37.9%と、インクルーシブ保育の認知度が進んでいない実態が浮き彫りになった。

また、外国にルーツを持つ子どもへの対応に難しさを感じる保育士は約半数いることや、外国にルーツを持つ子どもの保護者の方への対応に難しさを感じたことがある保育士は76.5%だった。

子どもの「違い」を受け入れる保育に対する意見では、「いろいろな個性を認め、認めてもらうことで、自己肯定感が高まると思う」という積極的な意見がありつつも、「受け入れるには、スタッフの人数や体制を変えないといけないことが考えられ、現状では無理だと思う。」という現実的な課題が表面化した。

そして近年、保育の現場で外国にルーツを持つ子どもが増加している背景から、外国にルーツを持つ子どもの保護者向けの通訳機について、利用したいと回答した保育士が85.4%いることが判明した。

<調査概要>
調査期間:2020年9月24日〜9月28日
調査方法:インターネット調査
調査目的:インクルーシブ保育に関する実態調査
有効回答:保育士103名

出典元:株式会社明日香
https://www.g-asuka.co.jp/

構成/こじへい

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