子どもにとって保育園は多様な遊び・学びを通して好奇心を育む場。では、保護者は保育園にどんなレクリエーションや取り組みを望んでいるのだろうか?
そんな保育に関する意識調査がこのほど、株式会社明日香により、保育園に子どもを預けている保護者100名を対象に実施された。
保護者が保育園に導入して欲しいものとして「ノスタルジーを感じさせる取り組み」が25.0%
「Q1.あなたは、保育園において自然や地域と関わりノスタルジーを感じさせる取り組みと幼児教育として英語や体操等のカリキュラムを積極的に導入することのどちらを行ってほしいと思いますか。」(n=100)と質問したところ、「ノスタルジーを感じさせる取り組み」が25.0%、「幼児教育」が28.0%という結果になった。
ノスタルジーを感じさせる取り組みを行ってほしい理由は?
Q1で「ノスタルジーを感じさせる取り組み」「どちらも行ってほしい」と回答した人に、「Q2.その理由を教えてください。(自由回答)」(n=45)と質問したところ、「自分が住んでいる地域のことを学ぶことは大切だと思う」や「自然が少ない都会に住んでいるから」など45の回答を得ることができた。
<自由回答・一部抜粋>
・35歳:自分が住んでいる地域のことを学ぶことは大切だと思う。
・39歳:子供に良いと思われることはドンドン行ってほしいから。
・30歳:昔ながらの教育も必要だけど、今後現代社会に慣れていくための教育も行なってほしいから。
・34歳:お金を出して簡単にできることではないから。
・37歳:勉強ばかりだと、しんどくなりそうなので、子供のウチは伸び伸びして欲しいので。
・36歳:自然が少ない都会に住んでいるから。
地域社会に関する取り組みが行われている保育園は82.0%
「Q3.あなたのお子さんが通っている保育園では、周辺施設や地域住民との交流など地域社会に関係する取り組みが行われていますか?」(n=100)と質問したところ、「頻繁に行われている」が34.0%、「年に1・2回程度行われている」が48.0%という結果になった。
地域社会に関係する取り組みとして、「老人施設へ訪問」や「介護施設への訪問」など
Q3で「頻繁に行われている」「年に1・2回程度行われている」と回答した人に、「Q4.具体的な取り組みの内容を教えてください。」(n=61)と質問したところ、「戦争時代を一緒に考える」や「老人施設へ訪問」など、61の回答を得ることができた。
<自由回答・一部抜粋>
・40歳:戦争時代を一緒に考える
・34歳:老人施設へ訪問
・34歳:老人ホームへの慰労訪問、消防署や清掃所の見学
・35歳:介護施設への訪問
・38歳:夏祭りや運動会
子どもに取り組んでほしい取り組み第1位は「農業・栽培体験」で66.7%
Q3で「行われていない」と回答した人に、「Q5.今後、あなたのお子さんが通う保育園で取り組んでほしい取り組みを教えてください。(複数選択)」(n=12)と質問したところ、「農業・栽培体験」が66.7%、「職業体験」が58.3%、「昔ながらの遊び」が41.7%という結果になった。
SDGsについて名前だけでなく内容も知っている保護者は35%
「Q6.SDGsとは、「持続可能な開発目標」として、国連で決められた国際社会共通の目標だ。あなたはSDGsについて知っていましたか?」(n=100)と質問したところ、「名前だけでなく内容も知っている」が35.0%、「名前は知っているが内容は知らない」が35.0%という結果になった。
「SDGsへの取り組みが保育園を選ぶ基準になる」と回答した保護者は8割以上
Q6で「名前だけでなく内容も知っている」と回答した人に、「Q7.SDGsを掲げる保育園が少しずつ増えてきています。保育園を複数の候補から選ぶ際、SDGsへの取り組みは基準の一つになりますか?」(n=35)と質問したところ、「なる」が62.9%、「ややなる」が20.0%という結果になった。
保育園で社会的な取り組みを行うべきだと思う保護者は78.0%
「Q8.保育園では環境問題や地域貢献など社会的な取り組みを行うべきだと思いますか?」(n=100)と質問したところ、「とても思う」が22.0%、「思う」が56.0%という結果になった。
■まとめ
今回は、保育園に子どもを預ける保護者100名を対象に、保育園での社会的な取り組みやSDGsに関する取り組みへの関心度に関する調査を行った。
調査によると、約8割の保護者が「保育園では環境問題や地域貢献など社会的な取り組みを行うべきである」と回答しており、またSDGsを認知する保護者の8割以上が「SDGsへの取り組みが保育園を選ぶ基準になる」と回答するなど、保育園のSDGsへの取り組みに関心を示す保護者が多く存在することが明らかになった。
これらの結果から、SDGsの取り組みが、子どもの成長(「生きる力」の育み)に繋がると考える家庭が一定数以上存在すると言える。
一方で実態としては、地域社会に関する取り組みが行われている保育園は82.0%と多く、中でも「老人施設へ訪問」や「介護施設への訪問」などの取り組みが行われていることも、調査からわかった。
幼保一元化により、英語や算数といった認知能力を養う幼児教育を取り入れる保育園も増えているが、やはり保育園では人格形成の基礎に繋がる非認知能力を育むことが重要だ。
そして、地域とのパートナーシップ等のSDGsの取り組みは、社会性や思いやりなど、子どもたちの非認知能力を育むことに繋がる、保育的にも有用な活動であると言えるだろう。今後、保護者が保育園を選ぶ観点でもSDGsの要素は存在感を増していくと考えられる。
<調査概要>
調査概要:SDGsと保育に関する意識調査
調査方法:インターネット調査
調査期間:2020年12月9日〜同年12月10日
有効回答:保育園に子どもを預ける保護者100名
出典元:株式会社明日香
https://www.g-asuka.co.jp/
構成/こじへい