コロナ禍のリモートワークが日常化したいま、世界とのやり取りもチャットが普通になってきた。
特に筆者が世界中で取り組んでいるビジネスはどちらかといえば第一次・第二次産業に近いものが多く、パソコンを使ったオフィスワークより現場仕事が多い。
そのため、現場へなかなか旅できない今、やり取りはチャットに頼ることになる。
最近、とある方から言われた。
「どの国でどのチャットソフトでビジネスのやり取りするのですか?」
確かに、ネットを見れば各チャットソフトの普及率は出ているが、どの国でビジネスに使われているか、意外と情報がない。
そこで、今でも50ヶ国以上と取引する旅するビジネスマンだからこそ知っているかもしれない、チャットソフトの地域性についてお話してみたい。
1.LINE
日本では圧倒的にトップのLINE。でも、実は海外で見るとマイナー。筆者の経験で言えば、LINEでやり取りするのは、韓国、台湾、タイ、ベトナム、インドネシアあたりだろう。面白いところではパキスタンも少し使っていたりする。でも、マレーシアは意外と使わない。
アジア以外ということだと……ほぼ皆無である。
ただ、既読機能だったり、写真をオリジナルサイズで遅れたり、利便性はピカ一だと個人的には思う。
2.Wechat(ウィーチャット)
中国・テンセント社の提供するチャットソフト。
4-5年前からだろうか、アクセス制限から中国で使用できるチャットソフトは年々減っていった。
最初はLINEがブロックされ……という順番に。そして、残ったのは中国製のチャットソフトとなり、その代表格はWechat。中国とビジネスをするならWechat無しではできないと言っても過言ではない。
中国はもちろん、中国とビジネスをしているアフリカ人などでもWechat利用者が多い傾向がある。私見だが、既読機能があるともっと便利なのだが……。
3.Whatsapp(ワッツアップ)
世界の主流は何と言ってもワッツアップ(Facebook傘下)。
上記以外のエリア、つまりアジア以外ではワッツアップ一色と言って過言ではない。
ただ、少し地域性がある。
それが南米。
面倒くさいことはやりたくないラテンの性なのだろうか、メッセージを打ち込まずにボイスメッセージ機能を多用する。これが、受け取る側は非常に面倒くさい。(笑)
これに対抗するため、こちらはワッツアップをデスクトップ上で動かし、キーボードでメッセージ入力する。そうでもしないとボイスメッセージの膨大さに勝てない。
ただ、私見だが、ワッツアップをパソコン上で動かすとき、スマホ上のワッツアップを繋いでいないと開かないという機能は改善できないだろうか……。
以上、簡単にまとめてみた。
中国での動きを見ると分かるように、個人情報保護の観点(チャットソフトを通じて個人情報が他国へ漏れるというリスク)から各国で使用するチャットソフトには変遷がある。実際、トルコなどでは“Bip(ビップ)”と呼ばれるトルコ国産のチャットソフトへの移行を促す動きもある。
そのため、上記はあくまで現時点での話ということで、皆さんが世界とビジネスするときの少しでも参考になれば幸いである。
文/小林邦宏
旅するビジネスマン。これまで行った国は100ヶ国以上。色んな国で新しいビジネスをつくるおじさん。
現在は新型コロナウィルスの影響で海外渡航制限中により国内で活動中。
オフィシャルサイト:https://kunihiro-kobayashi.com/
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著書:『なぜ僕は「ケニアのバラ」を輸入したのか?』(幻冬舎)