外に出るときはマスク着用が当たり前……そんな新しい生活様式が定着して久しい。マスク習慣によって風邪をひかなくなったという人は多そうだが、実際のところ、どうなのだろうか?
BRITA Japanではこのほど、全国の20代〜60代男女計643人を対象に風邪に関するアンケート調査を実施。また、TVや雑誌などでも活躍する工藤孝文医師が提案する有効な風邪予防法について合わせて紹介していきたい。
2020年、風邪の頻度はどれくらい?また、風邪予防法は?
■風邪の頻度
・例年、風邪をひく回数の年間平均は約2.1回。一方、2020年に風邪をひいた回数は平均約1.3回。
調査対象期間が2ヶ月ほど少ないとはいえ、減少傾向が見られる。
・例年一度も風邪をひかないと答えたのは24.0%、一方で2020年に一度も風邪をひかなかった人は52.4%で、こちらも調査対象期間が2ヶ月ほど少ないとはいえ、2倍以上と大幅に増えている。
・また約31.4%が、2020年は例年の同時期と比較して風邪をひいた回数が「減った」と回答。
■風邪予防法
・風邪予防は例年も今年も「手洗い」「うがい」「マスク」「睡眠」「水分補給」が上位。2020年は新型コロナウイルスの流行により、「マスク」が1位になった他に、「人混みを避ける」が上位に入った。
マスク着用によって風邪にかかりにくくなった人が多い2020年。さらに風邪対策をするには水分補給も不可欠だ。そこで、一日あたりどれだけ水分を摂取する必要があるのか、テレビや雑誌などでも活躍する医師・工藤孝文氏の見解を紹介していく。
A:水分補給で免疫力がアップするのはなぜ?
Q:水分摂取が不足すると血液中の水分も不足し、血流が悪くなります。こまめに水分を補給することで血流が改善すると白血球などの免疫効果が全身に行き渡るようになります。また、血流が良くなり新陳代謝が活発になることで免疫細胞の働きが活発になると思われます。(低体温では免疫の働きは低下してしまいます。)
また、冬場のインフルエンザウイルスなどは乾燥状態で活動が活発になります。水分を摂取することで不足している身体の水分量が増え、ウイルスが増殖しにくい体内環境になるものと思われます。
さらに、鼻や気管には線毛と呼ばれるウイルスなどの異物を粘液とともに体外に排出するシステムが備わっています。水分不足で線毛が乾燥してしまうと、この働きは低下します。水分を摂取することで線毛に潤いが保たれ、ウイルスの排出を十分に行うことができます。
また外出先での水分補給はもちろんですが、家にいる間の水分補給も不可欠です。こまめに水分補給をするようにしましょう。
A:免疫力をアップさせるために必要な、一日あたりの水分摂取量と適切な水分摂取頻度は?
Q:1日あたり1.5~2L程度を目安にすると良いと思います。一気に飲むのではなく、コップ1杯程度の量を1~2時間おきぐらいに分けて飲むと良いでしょう。
ただし、冬場の水道水は冷たいので内臓を冷やして、反って免疫が低下してしまう可能性もあります。できれば常温に戻してからか、白湯がおすすめです。
<工藤孝文先生 プロフィール>
内科医。統合医療医。福岡大学医学部卒業後、アイルランド、オーストラリアへ留学。
現在は、自身のクリニック:福岡県みやま市の工藤内科で地域医療を担っている。専門は、糖尿病・高血圧・脂質異常症・肥満症などの生活習慣病で、また、西洋医学と東洋医学合わせたハイブリッド治療に定評がある。NHK「ガッテン!」日本テレビ「世界一受けたい授業」フジテレビ「ホンマでっか!?TV」などテレビ出演多数。厚労省が推進している『健康のため水を飲もう』をスローガンに水と健康の基本情報の啓発活動にも力を注いでいる。日本内科学会、日本糖尿病学会、日本肥満学会、日本東洋医学会、日本抗加齢医学会、日本女性医学学会、日本高血圧学会、日本甲状腺学会、小児慢性疾病指定医。
75.9%は風邪予防に有効とされる「こまめな水分補給」ができている
風邪予防に有効とされる必要な水分摂取量と頻度を工藤先生に聞いたうえで、実際にどのくらいの方が適切な水分補給を行えているのか調査した。
■水分摂取の量と頻度
・風邪予防に有効とされる1日あたりの水分摂取量は約1.5~2Lである一方で、1日に1.5L以上摂取できている人は全体でわずか25.0%。今年、風邪予防として「こまめに水分補給している」と回答した人でも、1.5L以上摂取できている人は35.5%だった。
・風邪予防に有効とされる1日あたりの水分摂取頻度は1〜2時間に一回以上だが、2時間に一回以上摂取できている人は全体でなんと75.9%。今年、風邪予防として「こまめに水分補給している」と回答した人で2時間に一回以上摂取できている人は、90.6%にのぼった。
・こまめな水分補給を心がけている人でも、実際には水分摂取量が足りていないことが明らかになっている。
※BRITA Japan調べ
<調査概要>
調査対象:全国の20代〜60代の男女計643人
調査方法:インターネット調査 調査期間:2020年10月23日(金)~10月26日(月)
※調査結果の数値は小数点以下を適宜四捨五入して表示しているため、積み上げ計算すると誤差がでる場合がある。
出典元:BRITA Japan株式会社
構成/こじへい