コロナ禍によりオンライン開催となった世界最大のテクノロジーの展示会「CES2021」。
Shiftallが発表したのは、ネット接続型の電子メモ「Croqy(クロッキー)」。完全招待制で感染に配慮しつつ開催された「CES 2021 Panasonic in Tokyo」にて実機の展示が行われました。
「CES 2021 Panasonic in Tokyo」のShiftallの展示ブース。
スマホにも簡単に手書きメモが送れる「電子メモ」ボード
「Croqy」は起動して書くだけで、簡単にスマホにも送れるネット接続型の電子メモ端末。付属のタッチペンで書いた文字や絵を、別のCroqyと同期したり、専用アプリの入ったスマートフォンへ送ることで手書きのメモを共有できます。
例えば、孫が書いた手書きメッセージを離れて住む祖父母のCroqyに送る。子供が書いたメモを両親が出先からスマートフォンで確認したりするといった使い方が想定されています。メールやメッセンジャーアプリと違うのが、文字と手書きのイラストを組み合わせることができる点。テーブルにメモを残す感覚で描いたものを離れた家族に送ったり、自動で残せることでより気持ちの伝わるコミュニケーションができるツールとなっています。
実際に使ってみると、子ども用のおもちゃで磁石を利用して絵が描けるお絵描きボードがありますが、その画像がオンライン上で簡単に共有できる道具、というと伝わりやすいでしょうか。子どもに与えておいても第三者との勝手な通信はできず、外出時に持って歩いても負担にならない重さなので、飽き時間用の遊び道具にもなりそう。
描くうえでの機能は、筆の太さを2通りから選べるものと、Undo機能と消しゴム機能のみ。まさに、メモ帳と同じレベルにとどめています。違うのは、描いたものを右下の送信ボタンをタッチペンで押すと送れるという点。
文字を書いてみると、きれいに書くには慣れが必要ですが、簡単に使えます。
アプリ側は縦に最新のものから順に表示されます(開発途中の画面です)
受信機としての機能もあり、ほかのCroqyやアプリ上で描かれたものに加え、画像の受信もできます。受信した文字や画像は最新のものが表示されますが、未読がいくつあるかなどの表示は現時点ではなし。ただ、発売に向けて、さらなる改良を進めていくそうです。
画像をアプリ側から送ってみます。この時点でカラー画像も自動的にモノクロに変換。
Croqyで表示した状態。平面的な対象物ですが、微妙な色の差をモノクロでも表現できています。
手のひらサイズで高さの調節は5段階
Croqyの本体サイズは幅約130×高さ80×奥行13.5mm。このサイズはメモ付箋程度の内容を共有することを想定して企画されています。タッチペン、スタンド金具を除いた重量は約160g。本体には電源ボタンもありません。
外装にはABS樹脂の白と木目の温かみが感じられる天然木材を使用。
本体上部は少し溝があり、タッチペンの収納スペースになっています。
高さ調整はスタンドの差し込み位置が2つ、スタンドを表裏逆に差し込むことで平置きも加えると合計5段階の角度調整ができます。
本体の裏。金属製のスタンドは取り外して2通りの高さにすることができます。
画面は電子ペーパーなので、バッテリーを消費するのは通信を行うときのみ。WiFi接続で10分おきに自動更新を行った場合、1度の充電で約1か月使えます。ただ、フル充電には約6時間かかります。
機能や詳細の設定については現在も開発中で、発売に向けてさらなる改良が行われています。
発売は本年度内(2021年1~3月頃)にShiftallのサイトやAmazonを皮切りに、量販店などで行う予定。メーカー希望小売価格は¥19,999(税込)です。
Croqy
https://ja.shiftall.net/archives/product_page/croqy/
取材・文/北本祐子