「そもそも”景気”ってなんだろう?」「お金(貨幣)とは?」「なぜこの商品はこんなに売れているのだろう?」など、身近な生活の中でふと疑問に思うことはないだろうか。 もし、このような疑問が浮かんだから、その答えを経済学に求めてみてはどうだろうか。人の生活と切っても切り離せない経済学は、日常の視点が変わるようなたくさんの気付きを与えてくれるはずだ。
そこで本記事では、これから経済学を学びたい人、改めて経済を教養として学びたいビジネスパーソン向けにおすすめの本を6冊紹介する。まずは、興味をそそるタイトルの本から読み進めてみてはどうだろうか。
【目次】
そもそも経済学とは?本を選ぶ時のポイント
はじめに、経済学とはそもそもどのような領域を対象とした学問なのか、どのように本で学び始めるのがいいのかについて解説する。本を選ぶ際の参考にしてほしい。
経済学は人間の経済活動を研究対象とする学問
経済学は、人間が生きる上で欠かせない経済活動を研究対象とする学問のこと。個人消費や企業活動を対象とした「ミクロ経済学」、国家における成長や景気を対象とした「マクロ経済学」に大別される。
また、これら2つの以外にも福祉や環境など公共性を有する分野を対象とする「環境経済学」「公共経済学」、都市形成の過程を統計学や理論経済学で分析する「都市経済学」など、対象分野は多岐にわたる。
ちなみに「経済学」という言葉は、イギリスの哲学者、経済学者アダム・スミスの著書『国富論』(1776年)ではじめて定義されたとも言われている。
経済学を学ぶにはどの本を選ぶべき?
まず、「経済学とは何か」といった基礎的な部分を学びたい方は、経済学の概略を学べる本から読み始めるのがいいだろう。経済学の分野は多岐にわたっているため、さらに深く経済を学びたい時には「具体的に興味のある分野」を選ぶようにする。
例えば、政府による景気政策や失業率、貨幣市場を学びたい方はマクロ経済学に関する本を、「なぜ人はこの商品を買うのか」など、人間の心理を取り入れた分野に興味があるのであれば、行動経済学の本を選ぶのがおすすめだ。
初心者向け、入門レベルの経済学の本
はじめに、経済学の全体像を把握するためにおすすめの本を紹介する。どれも読みやすく、わかりやすく経済の理論を学べるため初めて学ぶ方はここで紹介するものから読み進めてみては。
大学4年間の経済学が10時間でざっと学べる 井堀利宏著
20年間、東大で教鞭を執ってきた井堀利宏の『大学4年間の経済学が10時間でざっと学べる』は、1日30分、20項目で大学生レベルの経済学を学べる本。項目が細かく分かれているので、本を読むのが苦手という方はもちろん、過去に経済学を学んで挫折した方でもきっと読み切れるはず。「ミクロ経済学とマクロ経済学」から「所得分配の決まり方」「インフレとデフレ」「国際経済」まで、幅広い内容をカバーしている。
出典 公式サイト|大学4年間の経済学が10時間でざっと学べる 井堀利宏著
高校生のための経済学入門 小塩 隆士著
小塩隆士の『高校生のための経済学入門』は、経済学を基礎から学びたい方向けの入門書。実際に身の回りで生じている経済問題に対し、経済学がどうアプローチできるのかをわかりやすく解説している。「需要と供給の決まり方」「お金の回り方を探る」など、実践的な内容から経済理論をしっかりと学べるのが特徴だ。高校生はもちろん、経済学部に在籍する大学生、改めて経済を学びたいビジネスパーソンにもおすすめ。
出典 公式サイト|高校生のための経済学入門 小塩 隆士著
行動経済学まんが ヘンテコノミクス
『行動経済学まんが ヘンテコノミクス』は、今注目を集める「行動経済学」を漫画で学べる1冊。行動経済学とは、観察された”人の心理”を取り入れた経済学のこと。「安いから買う」「質がいいから買う」を一度否定し、全23話のストーリーから経済の原理を読み解く。本書に掲載されているのは、どれも身近な例ばかりなでの、感覚的に経済的な視点を養えるはずだ。難しいことを、視覚的にわかりやすく理解したい人におすすめ。
出典 公式サイト|行動経済学まんが ヘンテコノミクス
経済学の名著、ベストセラー本
ここからは、経済学の名著、ベストセラー本の一部を紹介する。大学で経済を学んだ人、本格的に経済学をマスターしたい人は要チェック。
ヤバい経済学増補改訂版 悪ガキ教授が世の裏側を探検する
『ヤバい経済学』は、アメリカにおける経済学ブームの火付け役として有名なベストセラー本。「勉強ができる子の親ってどんな人?」など、「一見関係のなさそうな内容を経済学を通してみる」という新しい視点が面白い。堅苦しい経済理論よりも、身近な話から経済を理解したい人は手にとってみては。読み終えると、きっと以前よりも多角的にものごとを捉えられるようになるはず。増補改訂版では、”もっとヤバい話題”が追加されている。
出典 公式サイト|ヤバい経済学増補改訂版 悪ガキ教授が世の裏側を探検する
サムエルソン 経済学〈上〉
大学の経済学部では教科書として使われることもある、サムエルソンの『経済学』。経済学における分析方法、命題がすべて盛り込まれており、あらゆる視点から経済学を学べる。根本から徹底的に経済学を学びたい人向けだ。ちなみに、”現代経済学の隠れた巨人”と称されるサムエルソンは、1970年にノーベル経済学賞を受賞している。立場の異なる経済学者との比較のためにも、一度は読んでおきたい1冊。
出典 公式サイト|サムエルソン 経済学〈上〉
セイラー教授の行動経済学入門
『セイラー教授の行動経済学入門』は、伝統的な経済学の前提を覆した1冊と言われている名著。人間は「自己利益の最大化のために最も合理的な選択をする」という原則は、「現実を反映したものとは言えない」として、例外、市場での矛盾などを取り上げ、心理的にアプローチする。難易度はやや高めとの評価もあるが、伝統的な原則や基礎を学んだ人なら、それらに当てはまらない経済の原理を発見できるはず。
出典 公式サイト|セイラー教授の行動経済学入門
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文/oki