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「箸にも棒にも掛からない」の語源と正しい使い方とは?

2024.03.25

『箸にも棒にも掛からない』という言葉は、日常会話やビジネスシーンで耳にする表現の一つです。しかし、性格な意味を説明できる人は少ないのではないでしょうか。適切な場面で正しく使うために、意味や使い方、似た言葉を学んでいきましょう。

「箸にも棒にも掛からない」とは?

まずは、『箸にも棒にも掛からない』という言葉の正しい意味と、その語源を見ていきます。大変に厳しい評価を示す言葉なので、しっかりと意味を理解し、使い方には注意しましょう。

意味は「ひどすぎて手が付けられないこと」

『箸にも棒にも掛からない』とは、「あまりにもひどすぎて手が付けられず、どうしようもない」という意味を表す言葉です。

もし、誰かに『箸にも棒にも掛からない』と言われたのなら、その人から最低の評価を受けているということです。

また、「よいところが一つもなく、なんの取り柄もない」という意味で使われることもあります。

自分や身内を評価する際に、謙遜として一段下げて表現することがありますが、このような場面でも『箸にも棒にも掛からない』は使用しません。それほどまでに「本当にどうしようもない」という意味なのです。

「箸にも棒にも掛からない」の語源

『箸にも棒にも掛からない』の語源は、文字通り「小さな箸でも大きな棒でも持てず、どんな道具でも拾い上げることができない」というところから来ています。

小さくて細かいものであれば、箸でつまみ上げることで取り出せます。大きなものであれば、棒にひっかけたり、挟んだりすることで取得できるでしょう。しかし、箸でも棒でも取れないものは、どうしようもありません。

このようなことから、昔から「手が付けられない」「どうしようもない」という意味で使われ続けている言葉なのです。

「箸にも棒にも掛からない」の使い方

『箸にも棒にも掛からない』は、日常生活でもビジネスシーンでも使われる言葉です。しかし、厳しい評価を意味する言葉であるため、正しく使わなければ相手や状況によっては大変な無礼になります。

正しい使い方を知っておくことは、良好な人間関係を維持するためにも大切です。

ビジネス・日常での使い方

『箸にも棒にも掛からない』は「物事が見当違いで無謀に見えるとき」に使います。

ビジネスシーンでは、提出された企画書やレジュメの評価をする際に使うことが多いでしょう。「企画内容が全く見当違いで、採用には程遠い」「書類としての出来が、最低限の基準にも達していない」といったニュアンスです。

日常生活においても、使い方は同様です。例えば、試験や審査など何らかの基準があるものについて、その基準をクリアするには程遠いレベルであるときに使用されます。

実用的な例文を紹介

場面ごとの使い方を解説されても、実際にどういう表現で使うか分からなければピンとこない人もいるでしょう。以下に実用的な例文を紹介します。

  • こんな箸にも棒にもかからない企画書を提出するとは、呆れるばかりだ
  • 報告もまともにできないなんて、箸にも棒にも掛からない奴だ
  • 今のレベルでは箸にも棒にも掛からないだろうと思っていた学校に、なんとか合格できた
  • お前なんて箸にも棒にも掛からないと言われたが、告白したら相手からOKをもらえた

使う相手に注意が必要

『箸にも棒にも掛からない』という言葉は、使う相手に注意する必要があります。最低の評価を意味するこの言葉は、よほどのことがない限り、本人に直接言うべきではありません。

他人を評価する際に使う言葉なので、上から目線で言っていると捉えられても仕方なく、トラブルの元にもなり得ます。

自分のことについて謙遜の意味で使うのは問題ありませんが、相手に直接言うのは避けましょう。

「箸にも棒にも掛からない」の類語

『箸にも棒にも掛からない』と類似する言葉に、『縄に蔓にも掛からない』『煮ても焼いても食えない』があります。

ただし、『煮ても焼いても食えない』は正確なニュアンスが少々異なるため、それぞれについて正しく知っておきましょう。

「縄にも蔓にも掛からない」

『縄にも蔓(かずら)にも掛からない』も、どうしようもない様子を意味する言葉です。蔓は植物の茎のことで、ブドウなどに見られる、他のものに巻き付いて長く伸びるツタを指します。

「縄でも蔓でも縛ることができない」ということから、転じて「どうしようもない状態」を意味します。こちらは、ほぼ『箸にも棒にも掛からない』と同じ意味といえるでしょう。

「煮ても焼いても食えない」

『煮ても焼いても食えない』も「どうしようもなく、手の施しようがない」という意味ですが、少々ニュアンスが異なります。

『箸にも棒にも掛からない』が「能力が低いため手に負えない」という意味なのに対し、『煮ても焼いても食えない』は「相手が強情すぎて従わないため、手に負えない」という意味です。

『煮ても焼いても食えない』と言い表された人物は、一癖あって扱いづらいことをうかがわせます。

どうしようもないと判断する原因が異なるため、どちらの言葉が適切か、その時々で判断する必要があります。

構成/編集部

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