ファンダメンタルズ分析では、株価が割安な企業や成長力のある企業を探して、投資先を決める。一方、テクニカル分析は、株価の動きをテクニカル指標で分析し、売買のタイミングを決めるために行なう。つまり、ファンダメンタルズ分析は「何を買うか」を決め、テクニカル分析は「いつ買うか」を決める手法というわけだ。
テクニカル分析の基本はローソク足
多種多様な手法があるテクニカル分析。そのほとんどは株価の推移をグラフにしたチャートを、分析ツールとして使っている。チャートにも様々な形状があるが、最も広く利用されているのがローソク足チャートだ。株価の「始値」「終値」「高値」「安値」という4つの要素(4本値と呼ぶ)を1本のローソクで表現し、時間の推移に従ってローソク足を並べ、チャートにしていく。
●NYダウのローソク足チャート
引用元:Yahoo!ファイナンス
ローソク足チャートは、売買タイミングのサインをわかりやすく明示してくれる。株価のトレンドの予想にも使えるなど、活用範囲が広い。
●ローソク足の仕組み──陽線と陰線
シンプルにいうと、株価が値上がりした時は陽線、値下がりした時は陰線となる。ローソク足には始値から終値までの時間による分類もあり、1日分の4本値を表わしたものは「日足」、1週分(5日分)は「週足」、1か月分は「月足」となる。また、1時間足、5分足、1分足といった短時間のローソク足もある。長期間のローソク足は長期の予測、短期間のローソク足は短期の予測に使われる。
●ローソク足は組み合わせが重要
ローソク足チャートは、チャートの部分的な局面で表われるサインを読み解くことがポイントになる。特に、底値圏や高値圏で表われる、「買いサイン」や「売りサイン」が重要だ(下図。いずれも一例)。
下落相場の途中で、大きな陰線の次に出た陽線が、前日の陰線の中に収まるような形(「はらみ線」と呼ぶ)になると、株価が底を打つ可能性が高まる。
上昇相場の途中で、前日の終値を下回る位置から、陰線が3本続けて表われた場合、さらに下落が続く可能性が高まる。
売買タイミングがつかめるテクニカル指標
テクニカル分析に使われる指標には大きく分けて2種類ある。トレンド系とオシレーター系だ。トレンド系の指標は、「上昇基調なのか下落基調なのか」といった相場の〝流れ〟を読む際に強みを発揮する。一方、オシレーター系の指標は、相場の「買われ過ぎ・売られ過ぎ」といった〝過熱感〟を測ることができる。以下、それぞれの代表的な指標を挙げよう。
●代表的なテクニカル指標
●テクニカル指標の活用例
【移動平均線】
短期の移動平均線が長期の移動平均線を、下から上に突き抜けることをゴールデンクロスと呼び、買いサインとされる。また、逆に、短期の移動平均線が長期の移動平均線を、上から下に突き抜けるとデッドクロスとなり、売りサインになる。
引用元:岩井コスモ証券
【ストキャスティクス】
ストキャスティクスは、現在の株価が、過去の値動きから見て、どの位置にあるのかを数値化している。数値は%で表示され、20~30%以下は売られ過ぎ、70~80%以上は買われ過ぎと判断される。
引用元:大和証券
●テクニカル分析のコツ
ファンダメンタルズ分析に比べて、実はテクニカル分析は投資家の裁量余地が大きい。例えば、移動平均線の組み合わせは5日線と25日線がいいのか、それとも、25日線と75日線がいいのかなど、投資家が工夫する部分がかなりある。相場環境やファンダメンタルズ分析を勘案し、試行錯誤を重ねながら、自分が使いやすい指標を見つけることが大切だ。
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取材・文/編集部