ここから述べるのは、投資の定石というよりは、相場で起こる「根拠なき噂にすぎない法則」。これらを「アノマリー」という。
しかし、その法則を知る人が増えれば増えるほど、相場はそのように動いていく傾向にあるので、侮ることなかれ。逆に傾向を逆手に取って大多数の投資家から利益を取ってやろう、と考える投資家がいるのも事実。どちらにせよ投資を行なう時の参考。長期投資を進めるのであれば、買いのタイミングやリバランス、利益確定のタイミングを計る参考としたり、投資仲間と話したりする時のネタにする程度にしたい。
節分天井彼岸底
信頼度 ★★☆
節分の時期である2月上旬には株価の高値が付き、お彼岸の時期である3月中旬に安値を付けることが多い。特に日本国内では3月決算の企業が多いため、決算に向けて調整局面入りする場合が多いことを表わしている。
魔の水曜日
信頼度 ★★☆
日経平均の先物取引の清算価格のことをSQ値というが、そのSQ値が計算される週の水曜日には売りが集中し、株価が下がる傾向にある。米国株投資を考える上でも海外の機関投資家は日経平均にも投資をしているので、彼らのポートフォリオのリバランスで少なからず影響を受けるかもしれない。そのため、週中の値動きは少し気をつけよう、という気持ちでいるとよい。特に3、6、9、12月はメジャーSQといい取引が活況になる。
セル・イン・メイ
信頼度 ★☆☆
特に米国では5月には売りが多くなるので株価が下がりやすく、下げ止まるのは8月下旬くらいになることが多い。しかしここ数年は逆に5月に高値が付くなど、逆セル・イン・メイ状態が起き、アノマリーを鵜呑みに投資をすると大損してしまうことも。2020年は逆セル・イン・メイに。5月の株価に対して8月の株価のほうが上昇した。
引用元:TradingView(https://jp.tradingview.com/)
コロナショックによる暴落からの戻り相場であったので、例年と比べて特殊な要因ではあるものの、アノマリーが通用しないシーンの例としてはわかりやすい。
クリスマスラリー
信頼度 ★★★
主に米国でクリスマス後から新年第2営業日にかけ、株価が上昇しやすい。12月決算を迎える米国投資家や個人が、利益確定や節税目的の売りを行ない、翌年扱いとなるクリスマス後から買い戻しを行なう現象のため、株価が上がりやすいのだ。
ロンドンフィキシング
信頼度 ★★☆
英国ロンドン市場で現地時間の16時(夏時間15時)に行なわれる金価格決定のこと。ロンドン市場では金をはじめとした貴金属の取引が盛んで、世界中から注目されているのと、金はドル建てで取引されているため、為替相場を中心に取引が活況になり相場が大きく動く。
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取材・文/編集部