小さな子を持つお母さんたちにとっても大変な1年となった2020年。昨年1年はどのようなキーワードが子育て世帯のママたちのトレンドになったのか。そして、新たに迎えた2021年はどんなトレンドが生れるのだろうか?
そんな「2021年のトレンド予測」および「2020年のトレンドランキング」に関する調査がこのほど、トレンダーズ株式会社により、同社が独自に抱えるインフルエンサーネットワーク「LIN(Life-Influencers Network)」のうち、小学生以下のお子さんを持つママ会員156名を対象として実施された。
2021年は「おうち時間のストイック化」と「外時間のウェルネス化」
調査対象のママたちが回答した「2021年に流行しそうなもの」の中から特に注目すべきものを選出し、「ママトレンド予測2021」を作成した。2020年のトレンドランキングを踏まえて、見えてきたキーワードは「おうち時間のストイック化と、外時間のウェルネス化」だ。
新型コロナウイルスの影響により、ママや子どもたちのライフスタイルが激変した2020年。トレンドを振り返ると、「いつもと違う状況下でも子どもたちがストレスを感じないよう、なんとかおうち時間を充実させたい!」というママたちの想いから、「おうちカフェ」や「おうちキャンプ」といった、家の中を遊び場に変えるアイテムやサービスが流行した。
また、おうち時間の急増も影響し、「鬼滅の刃」、「Nizi Project」など、エンタメコンテンツを親子一緒に楽しむ傾向も顕著だ。
調査を行う中で、様々なものが急速にオンラインに移行する中、試行錯誤を重ね、変えた方がいいもの、代替の利かないものが明確になり、おうち時間と外出先とで求める価値観が変わったというママの声が多く聞かれた。
2021年は新しい生活様式を試してみた段階から、必要なものを取捨選択し、より洗練した段階へ移行していくと考えられる。おうち時間は「充実志向」から「+ストイック」に。外時間は「自粛志向」から「+ウェルネス」へ変化すると予想される。各項目の詳細は以下の通りだ。
■おうち時間のストイック化
ウイルス対策も兼ねた健康志向の高まりから、食に関しては「発酵食品」や「腸活」といった免疫力アップが期待されるもののブームが再燃の兆し。
また、子どもたちの自宅学習は今後も上手く取り入れたいと考えるママが多く、楽しく学べる「教育系YouTuber」や「知育お菓子づくり」の人気が高まりそうだ。
これまではおうち時間の充実は子ども主体であることが多かったが、今後は「おうちエクササイズ」や「オンラインレッスン」といった、ママ自身のための時間を充実させるコンテンツも広がりをみせている。
さらに、従来のおうち時間は「休息」、「リラックス」という位置づけだったが、2021年は「健康」や「学び」という意味合いを増し、適度にストイック化していくと予想される。
■外時間のウェルネス化
反対に、外出先での時間がママたちにとって「ウェルネス」(輝くように生き生きしている状態)となる傾向が見受けられる。多くの人がオンラインママ会を試してみた結果、やはり「リアルの方が楽しい」という思いが募った様子。
家族のおうち時間が増えたことでママひとりの時間の確保が難しくなる中、外出することで得られるものの価値が浮き彫りになり、今まで以上に「息抜き」、「自分らしさ」という意味合いを持つようになったと考えられる。
一方で、感染への不安から、不特定多数の人が集まる場所は避けたいという意見も挙がっている。こうしたことをうけて、「お取り寄せ」や「シェフ出張サービス」、「レンタルスペース」を活用した「楽ちんホムパ」への注目が高まりそうだ。また、「ハイフ」、「ダーマペン」、「ピコレーザー」といった「美容医療」が流行りそうという意見も複数見られた。
以前は高額で、なんとなく怖そうというイメージがあったが、徐々に一般的な美容ケアとして受け入れられていることがうかがえる。ゆっくりスキンケア時間を取りづらいママも多い中、家の外で得られる自分へのご褒美的な立ち位置で、広まっていくのかもしれない。
■親子でハマれるコンテンツ
エンタメについては引き続き、「親子でハマれるコンテンツ」が話題になると予想。「鬼滅の刃」熱はまだしばらく続くと見られ、その影響から「和柄グッズ」の人気が様々な面に波及していきそうだ。
その他、若年層を中心に熱狂的なファンを抱える6人組エンタメユニット「すとぷり(Strawberry Prince)」は、人気テレビアニメのテーマソングを担当している他、2021年1月には初の武道館ライブが決定しており、ママや子どもにも人気が広まると予想。
第4次韓流ブームとも呼ばれる今、2021年も「韓国コンテンツ」は引き続き様々な分野で話題の中心となりそうだ。準備中とされる「男性版Nizi Project」への期待の声も寄せられた。
「鬼滅の刃」がママ・キッズ・小学生で3冠!ママトレンドランキング2020
続いて、2020年のママトレンドについて、「食」、「美容・健康」、「サービス・雑貨」、「エンタメ」、「有名人」の5つの部門別でランキングをまとめた。
■「食」部門
1位の「シャインマスカット」は2020年、スーパーやコンビニで特設コーナーが設けられ、手軽に入手できるようになったことで、贈答品やご褒美スイーツの新定番となった。
2位は「エコバッグ」がランクイン。いまやママファッションの一部ともいえるほど、お洒落なデザインが増えている。3位の「出前サービス」と4位の「ネットスーパー」は、コロナ禍の影響から急速に浸透。
5位には「おうちカフェ」が入っているが、自粛期間中に親子で手作りするスイーツやパンが爆発的に人気を博したことで、一時はスーパーからバターやクリームチーズが姿を消すという騒ぎになった。その他、「プロテインin食品」や「オートミール」といった健康を意識した食品がランクインした。
■「美容・健康」部門
「手作りマスク」が1位に。子どもたちが嫌がらずに毎日着けられるよう、キャラクターの布で作ったり、サイズを微調整したりと、ママたちの工夫が凝らしたママもいたようだ。
その他、「SOFINAiP土台美容液」、「ラロッシュポゼプロテクショントーンアップ」、「エリクシールつや玉ミスト」、「IPSAザ・タイムRアクア」といった、SNSで話題になった化粧品が多くランクインした。
また、コロナ禍でマスク着用が常態化したことで、アイメイクへの関心が高まっていることから、発色のいいアイテムが多い海外コスメを安く買える通販サイト「Qoo10」や、プチプラながらトレンドを押さえたカラバリで高評価の「キャンメイクアイシャドウ」がランクインしたと考えられる。
■「サービス・雑貨」部門
非接触で会計ができるというメリットから急速に広まった「キャッシュレス」が1位に。3位の「ワークマン」は、悪天候に強く着脱も楽なアウターや靴が、子どもたちの送り迎えに奔走するママたちから高い支持を得ている。
その他、テレワークの普及で需要が増したと考えられる「ワイヤレスイヤホン」が4位に。おうち時間が増えたことで、「収納カゴ」や「マーブル(大理石)雑貨」、「お花のサブスク」といったインテリアアイテムがトレンドとなった。
また、100円ショップや300円ショップのアイデア商品をシェアするアカウントがママたちの間で人気になっており、8位には300円とは思えないクオリティと可愛さで話題になった「スリコ(3COINS)家電」が入っている。
■「エンタメ」部門
社会現象にもなっている「鬼滅の刃」が1位に輝いた。残虐なシーンも多い作品ながら、主人公・炭治郎のまっすぐな性格に胸を打たれたというママも多かったようだ。
後半で紹介する「キッズ部門」、「小学生部門」でも「鬼滅の刃」は1位になっており、見事3冠という結果に。2位は「あつ森(あつまれどうぶつの森)」。親子で楽しめるほのぼのとした世界観が人気で、子どもたちを寝かしつけた後、夜な夜な家族みんなの分も雑草の手入れをしていたというママもいた。
4位はオーディション番組「Nizi Project」がランクイン。情報番組『スッキリ』で放送されたこともあり、まるで娘の成長を見守るような気持ちで応援していたママたちが多かったようだ。保育園や幼稚園、小学校でも大人気で、歌やダンスだけでなく、メンバーのセリフまで完コピする子もいるのだとか。その他、「半沢直樹」、「恋つづ(恋はつづくよどこまでも)」、「ナギサさん(私の家政夫ナギサさん)」と、TBS系ドラマ3つがトップ10にランクイン。
「恋つづ」でドSドクターを演じた佐藤健さんはママの間でも人気が上昇し、まるで恋人のような感覚を味わえると話題になった「佐藤健のLINE」が11位に入っている。
■「有名人」部門
1位は「Nizi Project」発の9人組ガールズグループ「NiziU」がランクイン。続く2位は、「田中みな実」。「美容・健康」部門で4位に入っていた「エリクシールつや玉ミスト」は彼女のインスタLIVEが起爆剤となって品薄状態になったと言われており、ママたちの間で高い影響力を誇っていることがわかる。
8位にはTwitterで簡単なのにやみつきになるレシピを発信している「バズレシピリュウジ」がランクイン。2020年に入り、テレビ出演が増えたことでママたちの間で知名度がアップしたようだ。9位に入った「よしお兄さん」(11代目たいそうのおにいさん)は、体操やてあそび動画を中心に配信しているYouTubeチャンネルが好評で、「ステイホーム期間中の子どもの運動不足解消になった」との声も聞かれた。
キッズは「自宅レジャー」、小学生は「オンラインゲーム」が人気に
最後に、子どもたちの間で流行ったものについても、ママたちに調査した。
■「キッズ」部門
0~6歳の未就学児「キッズ」部門では、「鬼滅の刃」が1位に。ハロウィンの時期には、作品関連のコスプレをした子どもたちを街で見かけることも多かった。
4位に「ビニールプール」、5位に「トランポリン」、8位に「自宅用アスレチック」が入っており、コロナ禍でなかなか外出できない中、元気のありあまる子どもたちを、何とか遊ばせてあげたいというママの思いが見てとれる。
■「小学生」部門
「小学生」部門でも、「鬼滅の刃」と「あつ森」がワンツーフィニッシュを飾った。
3位の「フォートナイト」はオンラインで本格的なバトルロイヤルを楽しめるゲームで、男子を中心に大人気に。4位に入った「マインクラフト」は、低学年から高学年まで楽しむことができ、知育の要素もあることからママの間でもポジティブに受け入れられているようだ。
また、10位に入った「有吉の壁」は、放送翌日、教室でキャラクターの真似をするのが、子どもたちの定番となっているようだ。
・YouTubeは、GoogleLLCの商標。
・LINEは、LINE株式会社の商標または登録商標。
<調査概要>
・調査対象:小学生以下のお子さんを持つ「LINE」のママ会員156名
・調査期間:2020年10月30日~11月4日
・調査方法:インターネット調査
出典元:トレンダーズ株式会社
https://www.trenders.co.jp
構成/こじへい