魅力的な恋愛マンガには、必ずといって良いほどキャラの立った恋のライバル・当て馬がいる。時に強引にメインカップルの間に割り込み、時に一途にヒロインを想うその姿に、心惹かれる読者も多いに違いない。
そんな恋愛マンガ界におけるサブキャラクターたちの魅力や人気度に関する意識調査がこのほど、株式会社 BookLiveにより、運営する総合電子書籍ストア「BookLive!」の会員の男女 3,380 名を対象にして実施された。
恋愛マンガで「恋のライバル役・当て馬キャラ」など、サブキャラクターの重要度は?
まず「恋愛マンガで、恋のライバル役・当て馬キャラなど、サブキャラクターの重要度は?」という質問には、7割以上の人が「重要」あるいは「とても重要」と回答した。
主人公カップルの恋の障壁でありつつ、より関係を進展させるアシスト役とも言えるサブキャラクターたちは、物語をよりドラマチックに展開するための重要なポジションを担っており、読者たちから高い関心を集めている様子がうかがえる。
「恋のライバル役・当て馬キャラ」に魅力を感じるポイントは?
「恋愛マンガで、恋のライバル役・当て馬キャラに魅力を感じるポイントは?(複数選択可、3つまで)」という質問で、得票数1位を獲得したのは「一途・けなげなところ」だった。
恋のライバル役は、言わばメインカップルに割り込むポジションで、その恋は成就しないと読者もわかっているはずなのに、ついつい応援したくなる一途さ・けなげさは、多くのファンの心をとらえているようだ。
2位は「とにかく性格が良い人」。ヒーローとの間で気持ちが揺れ動くヒロインを責めずに受け止めたり、結果的にフラれる事になっても引き際までカッコよく、その後も優しく見守り続けたり…といった「良い人すぎる」サブキャラクターたちには、投票の際にも「幸せになってほしい!」というコメントが数多く集まった。
3位の「ハッキリ物を言う、強引」は、女性の割合が最も高く、回答者の8割超が女性だった。内向的なヒロインと対照的に描かれていたり、曖昧な態度をとるヒーローを出し抜いて焦らせたりと、恋のライバル役は物語のキーパーソンとなる事もしばしば。
キャラクター投票の際には、自分の気持ちに正直でまっすぐな言動が「うらやましい」というコメントも複数届いた。一方で、「お金持ち・社会的地位がある」といったキャラクターは、恋のライバル役や当て馬ポジションとしてよく登場するが、それが魅力の根幹ととらえている人は限定的なようだ。
恋愛マンガで印象的な男性サブキャラクター、1位は『花より男子』の花沢類
「恋愛マンガで、印象的な男性サブキャラクターを教えて下さい」というアンケートで得票数1位を獲得したのは、『花より男子』の花沢類だった。学園のエリート集団・F4のメンバーであり、マイペースで飄々とした青年だが、事あるごとにヒロインのつくしを助けてくれる姿に、多くの女性読者が心を射抜かれたようだ。メインヒーローの道明寺がややカッとなりやすい性格でツンデレなだけに、対照的な穏やかさ・優しさが際立っていた。
2位は『アオハライド』の菊池冬馬。ヒロインの双葉に徐々に惹かれていき、双葉が洸に好意を抱いていると知りつつも、一途に双葉を想い続ける。洸への気持ちに悩む双葉を決して責めない優しさ・けなげさに加え、かわいらしい顔立ちながらたまに見せる男らしさも、魅力として挙げる声が多数集まった。
3位は『なまいきざかり。』の袴田静だった。バスケ部のエースで長身の美男子なのに、男子校育ちのため女性が苦手…という硬派なキャラクター。ヒロイン・由希への想いを自覚してからは、不器用すぎるアプローチを繰り出し、そのあまりの不器用さがつい応援したくなる、という女性読者からの声が集まった。
■恋愛マンガで印象的な男性サブキャラクター1位:『花より男子』の花沢類
著者名:神尾葉子
出版社:集英社
https://booklive.jp/product/index/title_id/194204/vol_no/001
【ユーザーからのコメント】
・主人公のこと良く分かっていて、とにかく優しい!マイペースでのんびりしているけど、たまに積極的になるギャップも良い。(20代・女性)
・ここぞという時には助けてくれて、主人公がツライ思いをしている時にさりげなく手を差しのべてくれる。(40代・女性)・ツンデレな道明寺より、花沢類の優しさや行動や態度がイケメンだった…男として見習いたい!!(20代・男性)
■恋愛マンガで印象的な男性サブキャラクター2位:『アオハライド』の菊池冬馬
著者名:咲坂伊緒
出版社:集英社
https://booklive.jp/product/index/title_id/193481/vol_no/001
【ユーザーからのコメント】
・とことん優しい。気持ちを押し付けるのではなく、徐々に好きになってもらおうと努力するけなげさ。(20代・女性)・かわいらしい見た目だけど意外と男らしく、とにかく一途。その一途さがカッコよかった。(30代・女性)
■恋愛マンガで印象的な男性サブキャラクター3位:『なまいきざかり。』の袴田静
著者名:ミユキ蜜蜂
出版社:白泉社
https://booklive.jp/product/index/title_id/268630/vol_no/001
【ユーザーからのコメント】
・モテるのに女性が苦手で、恋愛に不器用。こじらせてるけど好きな相手に一生懸命で、応援したくなります。(30代・女性)・絶対に振り向いてもらえないのに一途だし、他人の彼女でも困っていたら全力で助けるところ。漢気がある。(20代・女性)
恋愛マンガで印象的な女性サブキャラクター、1位は『君に届け』の胡桃沢梅
女性サブキャラクターで得票数1位を獲得したのは、『君に届け』の胡桃沢梅だった。見た目の圧倒的な可愛さと狡猾さを併せ持ち、何より自分の気持ちにまっすぐなところが読者の支持を集めたようだ。
主人公・爽子のライバルから親友になっていく過程でも存在感を放ち、現在は梅を主人公にしたスピンオフ作品『君に届け番外編~運命の人~』が連載中。
2位は『ときめきトゥナイト』の神谷曜子だった。主人公・蘭世と恋のライバルとして争いながらも次第に友情がめばえ、物語が佳境に入ると持ち前の豪胆さと変身能力で活躍するシーンも。第二部以降では、良き友人・相談相手として、主人公たちを見守っている。30代~50代の女性からの得票が多く、「元祖・愛されるライバルキャラ」と評する声もあった。
3位は『ニセコイ』の小野寺小咲。活発なヒロインの千棘とは正反対な、おっとりしていて控えめな性格で、主人公への想いを秘めた一途さ・可憐さが、多くの男性読者を惹きつけたようだ。
■恋愛マンガで印象的な女性サブキャラクター1位:『君に届け』の胡桃沢梅
著者名:椎名軽穂
出版社:集英社
https://booklive.jp/product/index/title_id/150197/vol_no/001
【ユーザーからのコメント】
・策略家だけど一途で、自分の気持ちにまっすぐ生きているところはうらやましい。とにかくかわいい。(20代・女性)・ヒロインと対照的で、計算で動きながらも気持ちは純粋。梅ちゃんがいなかったら、爽子はここまで成長しなかったと思う。(20代・男性)
・ライバルから親友になる過程が丁寧に描かれていて、最後まで存在感があった。番外編で幸せになってほしい!(30代・女性)
■恋愛マンガで印象的な女性サブキャラクター2位:『ときめきトゥナイト』の神谷曜子
著者名:池野恋
出版社:集英社
https://booklive.jp/product/index/title_id/215747/vol_no/001
【ユーザーからのコメント】
・とにかくパワフルでメンタル強すぎ!!意地悪だけど意外と情に厚く、元祖・愛されるライバルキャラ!!(40代・女性)・かなり強引でキツい性格だけど、根は優しくて純粋。後々主人公の親友として、良いアシストをするのもさすが。(30代・女性)
■恋愛マンガで印象的な女性サブキャラクター3位:『ニセコイ』の小野寺小咲
著者名:古味直志
出版社:集英社
https://booklive.jp/product/index/title_id/183518/vol_no/001
【ユーザーからのコメント】
・純粋で一途、性格も良い、おとなしくて清楚で可愛い。ヒロインよりヒロインらしくて、報われてほしかった。(20代・男性)・主人公になかなか想いを伝えられず、一途なところがすごく魅力的だった。(10代・男性)
<調査概要>
・調査タイトル:“マンガ作品のサブキャラクター”に関する意識調査アンケート
・調査方法:BookLive!会員に対してアンケートメールを送付。フォームより回答
・調査対象:過去半年以内にマンガジャンルの作品を購入したBookLive!会員
・有効回答数:3,173人(10代以上の男女)男性回答者801人、女性回答者2,372人・調査時期:2020年11月5日~11月7日
出典元:株式会社BookLive
構成/こじへい